比重計、塩分濃度計の特徴、選定について

人工海水で作った海水の比重を計測する比重計、海水の塩分濃度を計測する塩分濃度計測には、アナログ比重計、デジタル比重計、塩分濃度屈折計の3種類が存在します。

ちなみに、多くの方々が間違えていますが、1.023とは比重であり、塩分濃度ではありません。そして、海水魚、珊瑚、イソギンチャク飼育においては、比重計では無く、塩分濃度計を利用するのが正解だと思います。

基本的な知識についてもあわせて整理していきたいと思います。

海水の比重と濃度の違いについて

比重について

海水の比重とは、1気圧あたり4℃での純粋な水と同体積の物質の重さとの比の事です。マリンアクアリウムにおいて馴染みが深い1.023という値においては、1気圧4℃の水より1.023倍重いという事になります。

比重は海水の密度に関係します。海水の密度は、海水の温度が低い場合や、塩分の値が多いほど大きくなる傾向にあり、またその逆の傾向も出ます。

つまり、比重を計測する場合、飼育に適さない温度で計測すると、そもそも生体飼育に適さない状態となってしまいます。

なので、比重計を利用する事を前提として、人工海水で海水を作る際には以下の手順にするのがベストかと思います。

  1. RO浄水器で純水を生成する。
  2. 生成した純水の温度を水槽で飼育している温度にあわせる。
  3. 人工海水で海水を生成し、比重計で1.023前後の値になるように調整する。

塩分濃度について

塩分濃度とは1kgの水に対して塩分がどれぐらい溶け込んでいるのかを示した値になります。つまり計算式は、塩分の質量(g)÷水1(kg)であるため、単位はg/kgという千分率(‰ :パーミル)となります。

海水の塩分濃度は、28‰~36‰の値で、太平洋、大西洋、インド洋、そして各海の北側、南側でも値が変わってきますし、気候や季節などによっても値が変動してきます。

つまり、様々な海の生物が生息している海域の塩分濃度は異なるということになります。
コーラルラボさんは、塩分濃度が30‰の場合と、35‰の場合では、カルシウム、マグネシウム、カリウム、臭素の値に差が出ることを確認されており、塩分濃度が30‰ではカルシウム、マグネシウム、カリウム、臭素の値が異常値になり、35‰にすることで正常値になることを確認されています。



比重計がよいのか?塩分濃度計がよいのか?

比重は、上記で述べた通り、海水の密度に関係する事から、海水温によって変化します。

つまり、海水を作った時の温度が、正確な25℃を示している水に人工海水を入れて、海水を作り1.023を示しているようであれば、生体にとっては特に問題が無いと思いますが、冬場など寒い時期に作った20℃にも満たない冷たい水から作った比重1.023の海水と、25℃で比重1.023の海水では、水中に溶けている塩分濃度が異なる海水を作っている事になります。

例えば、水温20℃にも満たない水から作った比重1.023の海水を25℃にして再度比重を測ったら、全然別の比重値になってきます。

また、25℃よりも低い20℃の水では無く、その逆で25℃以上の水から作った比重1.023の海水も水中に溶けている塩分濃度が異なる事になります。

つまり、比重を基準にして人工海水の素から海水を作り出す際には、人工海水を入れる前の水の温度は、まず25℃でなくてはなりません(正確には水槽の温度にあわせるべき)。

25℃の温度の水から比重1.023の海水を作れば、よいのですが冬場の寒い時期や、夏場の暑い時期に25℃の水を準備するところからが、まずは大変な事になると思います。

つまり、比重の値を計測するよりも、水中に溶けている塩分濃度を計測した方が、生体飼育に適した海水を作り出せるという事を意味します。

塩分濃度は、水中に溶けている塩分の濃度です。つまり水の温度が23℃の場合でも25℃の場合でも、同じ量の塩分を計測すれば、23℃の水から生成した海水も、25℃になれば比重1.023になるっという事です。

人工海水から海水を作る際には、比重計を利用するのではなく、塩分濃度計を利用した方が、生体たちに適した海水を作り出すことができます。

比重計、塩分濃度計の種類について

アナログタイプおよび塩分濃度屈折計については、比重計と塩分濃度計測があわせて行えるタイプになっています。おすすめ商品としてご紹介しているATAGOの塩分濃度計は、比重計と塩分濃度計がそれぞれ別々に存在します。

アナログタイプ

一番安価でお手軽に入手できるのがアナログタイプです。計測器の内部に作った人工海水を比重計の中に注ぎ込むことで計測ができるタイプです。

アナログタイプは、利用している間に消耗により計測値が微妙にズレてくるようで、1年ぐらいを周期に買い換えていった方がよいそうです。

デジタルタイプ

デジタルタイプは、計測器に作った水槽の海水を接触させる事で、もっとも正確に計測ができるタイプです。

塩分濃度屈折計

塩分濃度屈折計は、スポイトが付属されているので、作った水槽の海水を計測面に数滴垂らし、顕微鏡のように屈折計内部を覗きこむことで計測できるタイプです。

各計測器について

アナログタイプ、デジタルタイプ、塩分濃度屈折計の代表的な商品一覧です。

アナログタイプ

塩分濃度屈折計

デジタルタイプ(比重計)

デジタルタイプ(塩分濃度計)

おすすめの計測器について

比重計は、温度によって値にズレが生じてきます。温度に左右される事無く、水中に溶けている塩分を正確に計測できるATAGOのポケット海水濃度計が最もおすすめの商品です。

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