殺菌灯の特徴、選定について

連結して使用しているナプコQL-40

連結して使用しているナプコQL-40

海水魚を飼育する上で白点病予防や苔の発生を防ぐ役割を持った殺菌灯。海水魚飼育において殺菌灯が必要か?必要でないか?と言ったら、無くても海水魚の飼育はできますが、安定した長期飼育を行いたいと思うのであれば、殺菌灯は必須の機材と思った方がよいと思います。

海水魚の水槽を維持していると、「なんだか水の黄ばみが気になってきたぞ。」っと思うこともあるかと思いますが、そんな時も殺菌灯は有効です。

また、苔の発生を誘発する細菌を死滅させる役割があるので、純水を生成することができるRO浄水器と併用して利用することによって、水槽内の環境を綺麗に整える事にも役立つ装置です。

目次

殺菌灯とは?

ターボツイスト Z 36W

ターボツイスト Z 36W

殺菌灯とは、紫外線の力を利用して細菌を死滅させるための装置です。殺菌作用のある紫外線の波長は、細菌の細胞内に含まれる核酸物質が紫外線を吸収する特性とよく似ているとされています。

この核酸物質が紫外線を吸収する特性は、どのような細菌であっても違いが無いとされています。これは、核酸物質とよばれるものが、すべての生物の細胞内に存在し、蛋白質生合成および生物の遺伝現象に関与している重要な物質で、細胞の原型を定める物質であるとされているためです。

細菌の細胞内にある核酸物質に、紫外線が照射され吸収されると、核酸物質が化学反応をおこし、細菌の増殖能力が低下するとされています。そして、更に紫外線の照射が継続され、核酸物質に紫外線が吸収されていくと、細胞の原型を定める核酸物質そのものが破壊され、細菌は死滅に至るとされています。

殺菌灯による殺菌力は以下のような方程式が成り立ちます。

放射照度(W/ ㎡)× 照射時間(秒)

つまり、紫外線の照射時間を2倍にすれば、放射照度を半分にした場合と同じ殺菌効果が得られるという計算式になります。

少し難しい内容になってしまいましたが、そもそも紫外線は、細胞のDNAを傷つけるものであり、小さな細菌は、弱い紫外線であっても継続的に照射させる事によってやがて死滅に至るというのが殺菌灯の原理になります。

人間であっても、強い紫外線を浴びれば、肌が赤くなりヒリヒリと痛くなり、水膨れとなってやがては皮膚が剥がれていきますが、これは紫外線を浴びた皮膚の細胞がダメージを受けたことによるものです。つまり日焼けです。遺伝子のDNAは、傷付いた状態で細胞分裂を行っていくと、間違った遺伝情報が体内に伝達されていきます。日焼けを繰り返していくと、がんの発症を誘発しやがて皮膚がんへと発展して死に至る。紫外線を浴び続ける事は、細菌であっても人間にとっても有害なことです。

「えっ?そんな人体や生体にも影響がある紫外線を放出する殺菌灯を利用しても大丈夫なの?」っと気になる方もいらっしゃるかと思いますが、販売されている殺菌灯は紫外線が外部に漏れない素材でできているため、紫外線が直接人体や、生体に照射される事はありません。



水漏れが怖い殺菌灯

水漏れ事故当時の様子

殺菌灯は水槽の外に接続することから、水漏れ事故を起こすと海水が部屋中に溢れ大変な事になってしまいます。私が利用していた殺菌灯で過去に水漏れ事故があったので、当時の様子を記載しておきます。

白点が海水魚たちに広まり始めた頃に、いろいろと手を尽くしてきていたのですが、なかなか症状が治まらないため殺菌灯の容量不足と判断し、既存のアクアステップ15Wを拡張するため、アクアステップ25Wをネット注文しました。

届いたアクアステップ25Wなのですが、写真の※1箇所の取り付けネジ部が内部のOリング取り付けミスにより、斜めに傾いたままネジが回って食い込んでしまっており、そのまま接続すると殺菌灯の上部から海水が漏れてしまいました。もともと利用していたアクアステップ15Wを停止させ、同様の部品をアクアステップ25Wに取り付けることによって、一先ずは水槽内に新しい殺菌灯を接続することに成功しました。

殺菌灯の水漏れ箇所

殺菌灯の水漏れ箇所

ネジ部が斜めに食い込んで、取り外せなくなってしまった部品は、ありとあらゆる工具を駆使して取り外すことができました。



殺菌灯の劣化により白点病発生

「もともとあったアクアステップ15Wが接続できる!」っと思い、アクアステップ15Wを水槽に取り付けなおす前に、一度殺菌灯を綺麗に洗浄しようと思い、殺菌灯の中に溜まった海水を流しだしてみるとビックリ!!

紅く濁った海水が注ぎ出てくるではありませんか・・・。。。。全ての汚れた海水を出した後に殺菌灯を逆さまにしてみると、殺菌灯内部でガラガラと音がするため、内部を確認したところ破損したガラスの破片がガラガラと出てきました。

殺菌灯の劣化箇所

殺菌灯の劣化箇所

写真※2の箇所(海水を循環させるための殺菌灯内部ガラス製仕切り板)が、何かの拍子に破損し割れてしまっており、うまく殺菌灯の中を海水が回らず、腐った海水が溜まってしまっていたようです・・・。水槽内をおかしくしていた要因の温床が殺菌灯内部に潜んでいました。

新しく購入したアクアステップ25Wがすんなり水槽に取り付ける事ができてしまっていたら、アクアステップ15Wの内部の破損に気がつかず、更に水槽環境を悪化させてしまっていたところでした。まさに、不幸中の幸いでした。

殺菌灯崩壊による水槽被害

今回の事故で、アフリカン、フレーム、ニシキ・・・ほとんどのヤッコと、一部のパープルクィーン、カンザシヤドカリが共生していたコモンサンゴ、一部のナガレハナがお亡くなりになりました。これでも、全ての生体が落ちなかった事も不幸中の幸いかもしれません・・・。

オーバーフロー水槽にしてちょうど3年目。過去最大の事故となりました。少なくてもせめて半年に一回は、総機材のチェックを行った方が良いかもですね。特に殺菌灯は、周辺機材の中でも劣化が早いようです。

新しく取り付けたアクアステップ25Wですが、結局のところ殺菌灯上部の※1箇所から水漏れが発生してしまい水漏れ防止ボンドで固定しました。挙句の果てには、スリムラインのメタハラ球が突然切れてしまいました。スリムラインは、電圧の低下に弱いようで、メタハラ球が突然切れてしまったようです。

水槽サイズ別の殺菌灯の選定については、「水槽サイズ別、殺菌灯の選定表」に詳しくまとめていますので参考にしてみてください。

そして何よりも水槽の維持で一番怖いのが水漏れです。

殺菌灯の事故以外にも水槽崩壊による大量水漏れ事故も体験しています。

水槽を維持されている方で、マンションの高層階や会社の事務所に水槽を設置されている方は、損害保険への入会を検討した方がおすすめです。
殺菌灯の選定や、扱いには注意が必要です。

おすすめの殺菌灯比較

殺菌灯は、紫外線の量が多く、照射時間が長いほど、細菌を死滅させるのに有効です。水槽内の細菌は、水槽のサイズが大きくなればなるほど、多くなるため、使用する殺菌灯から照射される紫外線の量が多ければ多いほど、細菌を死滅させるのには有効です。現在アクアリウム用として販売されている殺菌灯の照射能力およびスペックは以下の通りとなります。

殺菌灯選定時に必要な性能比較

殺菌灯の種類 紫外線照射度 UVランプ寿命 対応水量
ターボツイスト Z 9W 9580μW/cm2 約8000時間 300L
ターボツイスト Z 18W 11400μW/cm2 約8000時間 600L
ターボツイスト Z 36W 11400μW/cm2 約8000時間 1200L
ナプコ QL-15 15W 14755μW/cm2 約8000時間 450L
ナプコ QL-25 25W 16900μW/cm2 約8000時間 600L
ナプコ QL-40 40W 17910μW/cm2 約8000時間 1300L

約8000時間というのは、日数に換算すると333日です。殺菌灯の照射能力は、約一年経過すると無くなるので交換する必要があります。

ターボツイストよりもナプコの方が、紫外線照射度が大きいのでより大きなオーバーフロー水槽ではターボツイストよりもナプコの方が有効であることが、殺菌灯の製品比較から読み取ることができます。

殺菌灯を選定する際に、水槽の水量確認用にいくつか水槽のサイズと水量を記載しておきます。オーバーフロー水槽だと、メイン水槽部と濾過槽部の水量も加味した上で、殺菌灯を選定する必要があります。

参考情報:対応水量確認表

横(cm) 縦(cm) 奥行(cm) 水量(リットル)
30 30 30 27.0
45 30 30 40.5
45 45 45 91.1
60 45 45 121.5
60 60 60 216.0
90 45 45 182.3
90 60 45 243.0
120 45 45 243.0
120 60 45 324.0
150 60 60 540.0



水槽サイズ別にみる殺菌灯選定

水槽サイズ別に必要となる殺菌灯についてです。飼育する海水魚の量が多い(鮮魚水槽など)の場合は、ご利用されている水槽のサイズよりも、ワンランク上の殺菌灯を選定しておくと安心です。

60センチ水槽以下

ターボツイスト Z 9W

ナプコ QL-15 15W

120センチ水槽以下

ターボツイスト Z 18W

ナプコ QL-25 25W

180センチ水槽以下

ターボツイスト Z 36W

ナプコ QL-40 40W

上記よりも更に水槽サイズが大きい場合(水量が多い場合)は、殺菌灯を複数連結させる事で、殺菌能力を高めることができます。

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