繊細な珊瑚も綺麗に撮影!アクアリウムにおすすめカメラ
「ブルーのアクアリウム用照明配下で写真を撮影すると、写真が真っ青になってしまって生体本来の色合いが出せない。」「どうしたら、ブルーのLED配下でも肉眼でも見ている同じ姿で生体を撮影できるのか?」というようなお問い合わせをよくいただきます。ブルーに輝くアクアリウム用LED配下でも、綺麗に写真撮影を行なうためのコツについてまとめてみたいと思います。
写真を撮影する心構え
普段はアクアリウムに限らず、様々なモノや風景を趣味で撮影しています。
写真が一番上達する近道は、カメラが体の一部になるぐらいに様々なモノを撮影しまくることです。
そしてインスタグラムに自身が撮影した写真をアップして、どれぐらいの人々がアップした写真に惹かれて集まり、いいねを押して共感してくれるかを確認することも大切です。
例えばモノの撮影ですとこんな感じです。
風景の写真ですとこんな感じです。
以下はインスタの反応。いいねやフォロワー集めの広告出稿は何の意味も成さないのでしません。
何か写真を見て、感じるモノがありますか?
写真って、上手い、下手じゃないんです。その人自身を表しているんです。
っということをインスタグラムで知り合ったみなさんと交流しながら学びました。
インターネット通販の場合は、写真一枚で「人を引き寄せられるか?」「商品が売れるか?」がとても大切な勝負の視点になってくるので、一枚一枚が大切です。
上記のような個人の趣味で撮影した写真は、レタッチ(編集)しすぎても誰も困るものではないので、良いと思うのですが、商品をレタッチしすぎるのはよく無いと思います。また、LEDのブルーライトを当てたギラギラの珊瑚の写真を商品アップするのも私は気が引けます。
写真撮影は、カメラマンにお願いすると、コストもかかるので、私は自ら撮影してサイトやアプリで利用しています。
カメラの撮影になれてくると、他人が撮影した写真を見るだけでも、その写真を撮影した時のカメラの設定値がある程度読めるようにもなってきます。
そんな経験も積みながら、アクアリウムに最適な撮影方法についても学習してきました。
アクアリウムを撮影するにあたって知らなくてはならないカメラの設定値は3種類
正確には、アクアリウムに限らず私が気にしているカメラの設定値は以下の3種類です。
- 絞り値(F値)
- ISO感度
- ホワイトバランス
カメラの絞り値(F値)について
生体を際立たせたい場合は絞り値を下げる
アクアリウムの生体を撮影する時に、ピンポイントで「この個体を写真におさめて際立たせたい」っという時は絞りの値を小さく(例:F値4)します。
逆に店舗全体や水槽全体の撮影をする時は、絞りの値を大きく(例:F値8)にします。
絞りの値を小さくするということは、ピントを合わせた生体をフォーカスさせ、背景をぼかして撮影した生体を際立たせるということになります。
例えば、以下のストロベリーの写真は絞りの値を小さくさせ、ストロベリーの手前側にピントをあわせています。手前はハッキリと写っていますが、奥の方に行くにつれてぼけているのが確認できるかと思います。
珊瑚では無くて海水魚の場合はこんな感じです。若干キャンディーバスレットのピントがあまいですが、キャンディーバスレットが明確に写っているのに対して、背景がぼけているのが確認できるかと思います。
このように生体をクローズアップさせて撮影したい場合は、絞り値(F値)を下げて撮影します。
全体を際立たせたい場合は絞り値を上げる
次は絞り値を上げて、全体がクッキリ撮影できるようにした場合です。
以下のハナガタサンゴは、絞り値をF8にして撮影しています。
珊瑚全体がシッカリ撮影できているのが確認できるかと思います。
絞りの値を上げるということは、写真全体がシッカリと撮影できるので、水槽全体を撮影する際などは絞り値を上げると、写真全体を際立たせることが可能です。
こちらは水槽全体をシッカリと見せたいので、絞りの値をF8に設定して撮影しています。
ISO感度について
ISO感度とはデジタルカメラが光をとらえる能力を表す値になります。
例えば暗い場所で撮影を行う場合、ISO感度の設定が低いと真っ暗な写真になってしまいますので、ISO感度を写真がシッカリと撮影できるレベルまで上げます。
特に私はショップさんで昼間の余計な太陽光の光が反射しないように夜間店舗を訪問して撮影することが多いのですが、夜だとお店の中が暗い場合が多いです。そんな時はISO感度を上げて撮影を行います。
ただここでの注意点は、ISO感度の設定は、照明の違い、撮影する時間帯の明るさの違いなどによって設定を最適値にさせる必要があります。
最適値は、撮影をしながらその場で写真を確認し、写真が綺麗に撮影できる最適な設定値をその都度撮影している場所で毎回変更していきます。
様々なショップさんで水槽や生体を撮影していると、「このショップさんに19時に訪れた際にこの水槽を撮影する場合はこのISO感度値」というように、全てのおおよその値を頭に入れて撮影を行いながら、現地でその都度ISO感度の補正をかけています。
綺麗な写真を撮影するためには、経験とカメラの設定についての理解が必要です。ただ単に、ピントをあわせてシャッターボタンを押しているだけではありません。
ホワイトバランスについて
アクアリウムの撮影において、一番厄介なのがホワイトバランスです。
アクアリウム水槽を撮影したら、写真が照明の青いライトの光で真っ青!っとなってしまうことを誰もが経験しているかと思います。
厳密にはアクアリウムに限らず、どのような光源下でも本来あるべき被写体の色で撮影するのがカメラ撮影の基本だと思っています。
そしてホワイトバランスもISO感度と同様に、マリンアクアリウムを撮影するならこの値というように定まっていません。
なぜならば、撮影する季節、時間帯、照明の違い、部屋の明るさなど様々な要因によって、外部からの光も変化していくため、生体が綺麗に撮影できるホワイトバランスの値を自ら見つけ出していかなくてはなりません。
しかし、そんな事をいちいちしていたら、とっても面倒です。
そこで、対処する方法が、RAWデータによる撮影です。
RAWとは、「生」「未加工」という意味を成します。
つまりJPG画像形式で撮影した場合は、カメラ側のホワイトバランスの設定が写真データに含まれて出力されてしまうのですが、RAWデータの場合は、カメラ側のホワイトバランスの設定が含まれず生データを出力させることができます。
なので、Photoshopなどの画像レタッチソフトを利用することで、ホワイトバランスも後からデータ補正をかけることができ、本来の珊瑚の美しさ、海水魚の美しさ、アクアリウムの美しさを再現させることができます。
珊瑚や海水魚の写真を見て、LEDのギラギラした青い光があまり写り込まずに、生体本来の美しさが表現され、「この写真綺麗!」っと思うデータは、RAWで撮影され、画像編集ソフトによって本来の色を再現させることができる編集力を持っている人になります。
私がいつも利用している写真の編集ソフトは、Adobe Photoshop CC です。
よく、「iPhoneやiPadで撮影した写真ってよくないですか?」と質問される事があるのですが、ぜんぜん悪い事はありません。
生体本来の色合い、水槽本来の色合いなどを再現させたいのであれば、一眼レスカメラを利用し、RAWデータから本来の色を再現させることをおすすめいたします。
ただ、不思議な事に、一度ブルーライトのギラギラの魔力にとり付かれてしまうと、なかなか本来の色を再現させたいという気持ちにならなくなってしまう(再現させるのが面倒)という実情もあります。
カメラで珊瑚や海水魚の持つ本体の美しさを表現させるためには、シャッターを押すだけでは無く、写真一枚一枚とても多くの手間と時間と気持ちを実はかけています。
珊瑚、海水魚を美しく撮影するためには?おさらい
- 絞り値を定める(特定の生体を際立たせたい時はF値を下げる。逆に写真全体を際立たせたい場合はF値を上げる)。
- ISO感度を撮影する環境にあわせて適切に定める。
- RAWデータで出力して、画像編集ソフトでホワイトバランスを調整する。
これが、珊瑚、海水魚を綺麗に撮影するための三原則です。
アクアリウム撮影におすすめな一眼レフカメラ
私がプライベートで使用している一眼レフカメラの一覧です。アクアリウムに限らず、様々なものをネット通信販売しているため、キャノンさんやニコンさんの知り合いと相談しながら、様々な一眼レフカメラ本体とレンズを購入したり、レンタルしたり、試行錯誤を繰り返しています。
以下は私が利用してきたカメラとレンズの組合せの一例になります。一眼レフカメラ購入時の参考情報としてご活用ください。
アクアリウム撮影におすすめなニコンのカメラ本体とレンズ
本体
レンズ
マクロレンズ
アクアリウム撮影におすすめなキャノンのカメラ本体とレンズ
本体
レンズ
マクロレンズ
マリンアクアリウム飼育方法
海水魚、珊瑚(ソフトコーラル、ハードコーラル)、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育方法について、以下のページでそれぞれまとめています。
マリンアクアリウム飼育機材
海水魚、珊瑚(ソフトコーラル、ハードコーラル)、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育に必要な機材や用品などについて、以下のページでそれぞれまとめています。