アクアリウム用浄水器の特徴、選定について
アクアリウム、特に珊瑚、イソギンチャク、海水魚飼育に必要とされる浄水器。マーフィード、クロノスレイン、オルガノ。時にはスーパーなどに設置されているR.O.ピュアウォーター自動販売機なども利用している人もいますが、「浄水器って一体何がいいんだろう?」と思いませんか?特にマリンアクアリウムの場合は、水と光を制する者は、アクアリウムを制するといってもよいほど重要な「水」と「光」。一般のご家庭で浄水器を利用する場合、価格が安いか?高いか?捨て水が少ないか?多いか?RO水生成までの時間が短いか?長いか?と、主に経済的な面について気になる事が多いと思います。でも、アクアリウムにとって本当によい水って何なんだ?についてまとめています。
目次
アクアリウム用浄水器の特徴
本ページでは、現在アクアリウム用もしくは、飲料用だけどアクアリウムとしても流用可能とされて販売されているRO浄水器について比較を行っています。なお、水については常に海外の文献や海外のコミュニティーに参加したり、実際に海外をめぐりながら、海外のアクアリストたちでリーフタンクを維持している人たちがどのような水の選定をしているのか?も確認したりしていました。実際に会話した時の記録は、本ページの後半に記載しています。また、本ページでは実際に浄水器メーカーさんに直接お会いして、まとめている記載内容も一部含まれています。
記載されている内容は、あくまで一愛好家として視点で、情報収集し、記載している内容であり、随時記載内容の追加、修正がなされていきますので、ここに記載されている内容が全て正解では無いという事をご了承ください。また、記載内容が随時追加、修正される可能性があることと、一部浄水器メーカーさんから使用許諾をいただいて掲載している情報も含まれていますので、あらゆる媒体への転載は禁止とさせていただきます。
水道水に含まれる不純物を知る
日本は、浄水場の設備が他国よりも整っており、身体に有害な物質はほぼ浄水場の設備で取り除かれた状態で、一般の家庭まで水がやってきています。日本の水道水は世界一の水準・安全性を誇っています。なぜ、ここまで優れているかというと、水道局が厚生労働省令で定められた水道の水質基準項目を遵守し、厳しくチェックしているからです。以下は、厚生労働省により定められている水質基準項目と基準値の一覧表です(【出典】厚生労働省水質基準項目と基準値:平成27年4月1日施行)。
項目 | 基準 | 項目 | 基準 |
一般細菌 | 1mlの検水で形成される集落数が100以下 | 総トリハロメタン | 0.1mg/L以下 |
大腸菌 | 検出されないこと | トリクロロ酢酸 | 0.03mg/L以下 |
カドミウム及びその化合物 | カドミウムの量に関して、0.003mg/L以下 | ブロモジクロロメタン | 0.03mg/L以下 |
水銀及びその化合物 | 水銀の量に関して、0.0005mg/L以下 | ブロモホルム | 0.09mg/L以下 |
セレン及びその化合物 | セレンの量に関して、0.01mg/L以下 | ホルムアルデヒド | 0.08mg/L以下 |
鉛及びその化合物 | 鉛の量に関して、0.01mg/L以下 | 亜鉛及びその化合物 | 亜鉛の量に関して、1.0mg/L以下 |
ヒ素及びその化合物 | ヒ素の量に関して、0.01mg/L以下 | アルミニウム及びその化合物 | アルミニウムの量に関して、0.2mg/L以下 |
六価クロム化合物 | 六価クロムの量に関して、0.05mg/L以下 | 鉄及びその化合物 | 鉄の量に関して、0.3mg/L以下 |
亜硝酸態窒素 | 0.04mg/L以下 | 銅及びその化合物 | 銅の量に関して、1.0mg/L以下 |
シアン化物イオン及び塩化シアン | シアンの量に関して、0.01mg/L以下 | ナトリウム及びその化合物 | ナトリウムの量に関して、200mg/L以下 |
硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 | 10mg/L以下 | マンガン及びその化合物 | マンガンの量に関して、0.05mg/L以下 |
フッ素及びその化合物 | フッ素の量に関して、0.8mg/L以下 | 塩化物イオン | 200mg/L以下 |
ホウ素及びその化合物 | ホウ素の量に関して、1.0mg/L以下 | カルシウム、マグネシウム等(硬度) | 300mg/L以下 |
四塩化炭素 | 0.002mg/L以下 | 蒸発残留物 | 500mg/L以下 |
1,4-ジオキサン | 0.05mg/L以下 | 陰イオン界面活性剤 | 0.2mg/L以下 |
シス-1,2-ジクロロエチレン及び トランス-1,2-ジクロロエチレン |
0.04mg/L以下 | ジェオスミン | 0.00001mg/L以下 |
ジクロロメタン | 0.02mg/L以下 | 2-メチルイソボルネオール | 0.00001mg/L以下 |
テトラクロロエチレン | 0.01mg/L以下 | 非イオン界面活性剤 | 0.02mg/L以下 |
トリクロロエチレン | 0.01mg/L以下 | フェノール類 | フェノールの量に換算して、0.005mg/L以下 |
ベンゼン | 0.01mg/L以下 | 有機物(全有機炭素(TOC)の量) | 3mg/L以下 |
塩素酸 | 0.6mg/L以下 | pH値 | 5.8以上8.6以下 |
クロロ酢酸 | 0.02mg/L以下 | 味 | 異常でないこと |
クロロホルム | 0.06mg/L以下 | 臭気 | 異常でないこと |
ジクロロ酢酸 | 0.03mg/L以下 | 色度 | 5度以下 |
ジブロモクロロメタン | 0.1mg/L以下 | 濁度 | 2度以下 |
臭素酸 | 0.01mg/L以下 | (空白) | (空白) |
厚生労働省により定められている厳格な水質基準項目と基準値のおかげで、日本は世界トップクラスの安全な水が飲める国になっています。日本の水道技術(ろ過装置など)は、世界中に輸出もされています。
日本の水道水は、世界でもトップクラスで安全・安心を提供しています。日本ってもしかしたら、アクアリウムにとっても適した国なんじゃないでしょうか?
まずは、上記を把握した上で、RO水って何?という点について理解していきたいと思います。
RO水って何?
RO水のROとはReverse Osmosisの略になります。日本語では、逆浸透膜濾過と呼びます。0.0001ミクロンの超微細孔のフィルター(RO膜)に水道水を通過させると、水道水に含まれる不純物を取り除き、不純物の少ない純水を作り出す仕組みになります。ROフィルターを通過して出来上がった不純物が少ない水の事をRO水と呼んでいます。
RO濾過の仕組み
RO濾過、つまり逆浸透膜濾過(ぎゃくしんとうまくろか)とは、水だけを通し、イオンや塩類など水以外の不純物は一切透過しない性質を持つ膜を通して水道水などをろ過する仕組みのことです。
逆浸透膜濾過の原理
水は通す。でも食塩は通すことができない半透膜で仕切られた水槽の片方に希薄溶液(溶質の濃度が十分に薄い溶液)を入れて、もう片方に濃厚溶液を入れた際に、両方の溶液が平衡になろうとして希薄溶液側の水が半透膜を通過して濃厚溶液側に移動する現象のことを「浸透」と呼びます。
浸透が平衡に達した際に、両方の溶液間に生じる圧力差(水位上昇分)の事を「浸透圧」と呼びます。
この濃厚溶液側に浸透圧差よりも大きい圧力をかけると、浸透現象とは逆に水が濃厚溶液側から膜を透過して希薄溶液側に移動することになります。
この現象の事を「逆浸透」と呼びます。水は浸透するけれども食塩などの低分子量物質を透過させない半透膜のことを「逆浸透膜」と呼びます。
逆浸透膜の構造
メンブレンフィルター内部の構造についてです。フィルターハウジングの中には、メッシュスペーサー(間隔保持材)、逆浸透膜(メンブレン)、透過水流路材が透過水集水パイプに巻かれたものが入っています。
フィルターハウジングに入った水道水は、圧力をかけることによって、メッシュスペーサーに沿って水道水が流れこみ、逆浸透膜を透過することで綺麗な水となります。
逆浸透膜の細孔(約0.0001ミクロン)は、水道水の中に含まれる最も微小なウイルスよりもはるかに小さいので、通常の浄水フィルター(中空糸膜・活性炭など)では除去できない有害物質の除去も可能になっています。
メンブレンの孔、砂、バクテリア、ウィルス、イオン物質、放射性物質の大きさをイメージで表すと図のようなイメージです。
主な浄水器のROシステムの構成
RO水を作り出す仕組みには、いくつかの構成があり、アクアリウム業界で今まで主流とされているエキスパート マリンZとRGダッシュ、クロノスレインの構成と、ショップで利用されている事が多いオルガノの構成について整理してみました。
現在市販されているRO浄水器で0ppmを実現させる流れは以下のイメージとなります。
それぞれの浄水器の構成において、水道水からRO水が生成される流れをまとめると以下の通りとなります。
マーフィード(アクアリウム用)の構成
RGダッシュは、イオンフィルターと製品上は記載がありますが、これはDIフィルターの役目を果たすフィルターです。DIフィルターとはイオン交換樹脂フィルターの事になります。
- 水道水
- セディ(マイクロ)フィルター
- カーボンフィルター
- ROメンブレンフィルター
- イオンフィルター(RGダッシュ)
- RO水
クロノスレイン(アクアリウム用)の構成
- 水道水
- セディメントフィルター
- カーボンフィルター
- ROメンブレンフィルター
- DIフィルター
- RO水
オルガノ(工業用)の構成
- 水道水
- 活性炭フィルター
- Gボンベ
- PFカートリッジ
- RO水
構成を確認してみると、マーフィードとクロノスレインは、内部の構成器材の呼び名が異なるのですが、役割としては同じ構造となっています。オルガノは、そもそも別物なシステムになります。
ここで気になってくるのが、DIフィルターとポストカーボンフィルターの違いです。
これらの違いについて更に詳しく調べてみると以下の特徴があります。
DIフィルターとポストカーボンフィルターの違いについて
DIフィルターとポストカーボンフィルターは、それぞれRO膜後の最終ステージで使用されるフィルターで、DIフィルターは、イオン交換樹脂でRO水に残されたわずかなミネラルや放射能イオンを交換して完全除去してくれるという役割があります。アクアリウム用であれば、DIフィルターのみで十分なのですが、DIフィルターを通過した水は完全な純水のため人間にとっては美味しいと感じない水になります。そのため、人間の飲料用としては、ポストカーボンフィルターの方が適しているという違いがあります。
メンブレンフィルターの性能について
ここまで確認すると、RO浄水器は、メンブレンフィルターの性能が重要なパーツであるということが把握できます。実際には、リストレクターと呼ばれるRO水を生成する際に圧力をかけるパーツも重要になってくるのですが、エキスパートマリンとクロノスレインには、リストレクターの値がどの資料を確認しても把握できなかったので、今回は、メンブレン値について比較したいと思います。
メンブレンの値が低いほど、不純物除去の性能が高まり、よりppm値の低い純水が生成されるとされています。つまり、メンブレンの値を確認することで、DIフィルターや、ポストカーボンフィルターを通過する前のRO水において、よりppm値が低い純水が生成されやすいメンブレンはどの浄水器なのか?という事を把握することができます。
オルガノは別構造の浄水器のため、以下の表の記載には含まれてきません。
製品名 | メンブレンの値 | 用途 |
---|---|---|
エキスパートマリンZ50 | 50G | 海水魚・珊瑚専用浄水器 |
エキスパートマリンZ75 | 75G | 海水魚・珊瑚専用浄水器 |
エキスパートマリンZ150 | 150G | 海水魚・珊瑚専用浄水器 |
エキスパート150 | 150G | 海水魚・珊瑚専用浄水器 |
クロノスレイン | 180G | 海水魚・珊瑚専用浄水器 |
エキスパートフレッシュZ50 | 50G | 熱帯魚専用浄水器 |
エキスパートフレッシュZ75 | 75G | 熱帯魚専用浄水器 |
エキスパートフレッシュZ150 | 150G | 熱帯魚専用浄水器 |
シュリンプエキスパート75 | 75G | シュリンプ専用浄水器 |
クール・クー | 150G | アクアリウム・飲料浄水器 |
メンブレンの値が小さいほど、最終フィルターを通過する前ステージにおける水のppm値が優れているとされています。実際にはメンブレンだけでなく、リストレクターの値も把握しないと正確な値を予測することはできません。
「純水の生成スピードが遅い」という事は、メンブレンフィルターを用いた浄水器の場合、実はそれだけ純度の高い純水が生成されているということを意味します。
なぜマリンアクアリウムに浄水器が必要なのか?
なぜマリンアクアリウムは浄水器にこだわっているのかというと、海に近い水を作り出してあげた方が海洋生物には都合がよいということです。水道水から不純物を取り除き、人工海水の素で海水を作ると、市販されている人工海水の素の成分毎の違いはありますが、より海に近い環境を作り出すことができます。これに不足する成分を添加しながら、より自然界の海に近い環境を作り出すことによって、生体にとってよりよい環境ができあがるという仕組みです。
TDSとは何なのか?
TDSメーターを利用することにより、RO水のppmを測定することができます。TDSとは、Total Dissolved Solidの略で、水に溶け込んだ物質の濃度を示します。通常、水中に溶けている無機質類は、イオン状態で存在します。イオンは電気が流れる電解物質であり、TDS測定器を水に入れて計測した際に、ppmの値が多い場合はRO水に含まれる不純物の量が大きく、逆にppmの値が小さければRO水に内に含まれる不純物の量が大きい事を意味します。
ppmとは?
ppmとは、百万分率(parts per million)の略です。物質の容積に占める割合を示す単位で、水1,000リットルの中に物質が1グラム存在する状態には1ppmと表されます。
世の中にある水のppmってどれぐらいなの?
私たちが生活する中で必需品の水道水から、日本の水道法で定められている値、日本の海や海外の海のppmの値がどれぐらいなのかを調べてみました。参考値としてご参照ください。
ppm値 | 使用用途など |
---|---|
0.05ppm以下 | 半導体工場や実験室で使用する精製水(超純水) |
1~9ppm | 高品質で理想的なお水 |
10~25ppm | 蒸留水や湧き水 |
25~50ppm | 飲料用に適合した水 |
50~200ppm | 日本の水道水の値 |
0~500ppm | 水道法で定められている値 |
500ppm以上 | 飲料用としては適さない値 |
1000ppm以上 | 飲料用水にはならない水 |
50~2000ppm | 市販のミネラルウォーター |
35000ppm~ | 日本近海 |
50000ppm~ | インド洋近海 |
生体別(熱帯魚)ppm環境
熱帯魚を飼育される方は、世の中で市販されている浄水器を購入し、ppmの値が適正値を超える場合は、フィルター交換を行えば、ppmを維持するという観点では必要条件を満たす事になります。
魚類 | pH | ppm | 硬度 |
---|---|---|---|
ブラウンディスカス | 6.0~6.9 | 53~55 | 0~1 |
グリーンディスカス | 6.0~6.9 | 53~55 | 0~1 |
ブルーディスカス | 6.0~6.9 | 53~55 | 0~1 |
ヘッケルブルーディスカス | 5.5~6.5 | 3~10 | 0~1 |
ディスカス改良種 | 5.0~6.9 | 20~60 | 0~2 |
エンゼルフィッシュ原種 | 6.0~6.9 | 50~55 | 0~1 |
エンゼルフィッシュ改良種 | 5.0~6.9 | 20~60 | 0~2 |
アルタムエンゼル | 5.0~6.8 | 9~15 | 0~1 |
カラシン類 | 5.0~6.9 | 24~80 | 0~1 |
グッピー | 7.0~7.3 | 140~250 | 3~5 |
卵生メダカ | 5.5~6.9 | 24~100 | 0~2 |
アロワナ | 5.0~6.9 | 25~80 | 0~2 |
レッドビューシュリンプ | 6.0~6.9 | 55~85 | 1~2 |
【出典】購入した淡水測定用TDSメーター取説の裏側
しかし、海水魚、珊瑚飼育を行うマリンアクアリストはそうはいきません。
海に含まれる成分について
海洋生物の場合は、淡水生物とppmの考え方がまったく異なります。なぜならば、海には淡水とは比較にならないほどの多くの物質が溶け込んでいるためです。以下は海に含まれる成分の一例なのですが、海の成分は、太平洋、南シナ海、インド洋、大西洋、沿岸付近、沖合など、様々な場所で含まれる成分が異なります。究極に極めるマリンアクアリウムとは、飼育しようとする生体が生息する海に潜り、その場所の成分を採取して、それを実現させるところにあると思います。一体そんな事が実現できるんだろうか…と思ってしまいます。
名称 | 平均濃度(mg/kg) | 含有率 |
塩素 | 19350 | 58.2095044190631% |
ナトリウム | 10780 | 32.4288608598191% |
マグネシウム | 1280 | 3.8505511967132% |
硫黄 | 898 | 2.7014023239441% |
カルシウム | 412 | 1.2393961664421% |
カリウム | 399 | 1.2002890058505% |
臭素 | 67 | 0.2015522892030% |
炭素 | 27 | 0.0812225643057% |
窒素 | 8.72 | 0.0262318800276% |
ストロンチウム | 7.80 | 0.0234642963550% |
ホウ素 | 4.50 | 0.0135370940509% |
ケイ素 | 2.80 | 0.0084230807428% |
酸素(溶解酸素量) | 2.80 | 0.0084230807428% |
フッ素 | 1.30 | 0.0039107160592% |
アルゴン | 0.62 | 0.0018651107359% |
リチュウム | 0.18 | 0.0005414837620% |
ルビジウム | 0.12 | 0.0003609891747% |
リン | 0.062 | 0.0001865110736% |
ヨウ素 | 0.058 | 0.0001744781011% |
バリウム | 0.015 | 0.0000451236468% |
モリブデン | 0.010 | 0.0000300824312% |
ウラン | 0.0032 | 0.0000096263780% |
バナジウム | 0.0020 | 0.0000060164862% |
ヒ素 | 0.0012 | 0.0000036098917% |
ニッケル | 0.00048 | 0.0000014439567% |
亜鉛 | 0.00035 | 0.0000010528851% |
クリプトン | 0.00031 | 0.0000009325554% |
セシウム | 0.000306 | 0.0000009205224% |
クロム | 0.000212 | 0.0000006377475% |
アンチモン | 0.000200 | 0.0000006016486% |
ネオン | 0.000160 | 0.0000004813189% |
セレン | 0.000155 | 0.0000004662777% |
銅 | 0.000150 | 0.0000004512365% |
カドミウム | 0.000070 | 0.0000002105770% |
キセノン | 0.000066 | 0.0000001985440% |
アルミニウム | 0.000030 | 0.0000000902473% |
鉄 | 0.000030 | 0.0000000902473% |
マンガン | 0.000020 | 0.0000000601649% |
イットリウム | 0.000017 | 0.0000000511401% |
ジルコニウム | 0.000015 | 0.0000000451236% |
タリウム | 0.000013 | 0.0000000391072% |
タングステン | 0.000010 | 0.0000000300824% |
レニウム | 0.0000078 | 0.0000000234643% |
ヘリウム | 0.0000076 | 0.0000000228626% |
チタン | 0.0000065 | 0.0000000195536% |
ランタン | 0.0000056 | 0.0000000168462% |
ゲルマニウム | 0.0000055 | 0.0000000165453% |
ニオブ | 0.0000050 | 0.0000000150412% |
ハフニウム | 0.0000034 | 0.0000000102280% |
ネオジム | 0.0000033 | 0.0000000099272% |
鉛 | 0.0000027 | 0.0000000081223% |
タンタル | 0.0000025 | 0.0000000075206% |
銀 | 0.0000020 | 0.0000000060165% |
コバルト | 0.0000012 | 0.0000000036099% |
ガリウム | 0.0000012 | 0.0000000036099% |
エルビウム | 0.0000012 | 0.0000000036099% |
イッテルビウム | 0.0000012 | 0.0000000036099% |
ジスプロシウム | 0.0000011 | 0.0000000033091% |
ガドリニウム | 0.0000009 | 0.0000000027074% |
スカンジウム | 0.0000007 | 0.0000000021058% |
セリウム | 0.0000007 | 0.0000000021058% |
プラセオジム | 0.0000007 | 0.0000000021058% |
サマリウム | 0.00000057 | 0.0000000017147% |
スズ | 0.00000050 | 0.0000000015041% |
ホルミウム | 0.00000036 | 0.0000000010830% |
ルテチウム | 0.00000023 | 0.0000000006919% |
ベリリウム | 0.00000021 | 0.0000000006317% |
ツリウム | 0.00000020 | 0.0000000006016% |
ユウロビウム | 0.00000017 | 0.0000000005114% |
テルビウム | 0.00000017 | 0.0000000005114% |
水銀 | 0.00000014 | 0.0000000004212% |
ロジウム | 0.00000008 | 0.0000000002407% |
テルル | 0.00000007 | 0.0000000002106% |
パラジウム | 0.00000006 | 0.0000000001805% |
白金 | 0.00000005 | 0.0000000001504% |
ビスマス | 0.00000003 | 0.0000000000902% |
金 | 0.00000002 | 0.0000000000602% |
トリウム | 0.00000002 | 0.0000000000602% |
インジウム | 0.00000001 | 0.0000000000301% |
ルテニウム | 0.000000005 | 0.0000000000150% |
オスミウム | 0.000000002 | 0.0000000000060% |
イリジウム | 0.00000000013 | 0.0000000000004% |
ラジウム | 0.00000000013 | 0.0000000000004% |
含有率合計 | 99.9999999999999% |
【出典】Newton別冊地球大解剖
ppm値は「0」でなくてはならないのか?
以下は実際に海外のアクアリウム愛好家とした交流会話の記録を分かりやすく日本語で記載しています。
0ppmにこだわりある?
あまり高価な水に神経質になる必要ってないんじゃないの?だっていくらよい水を使ったって、もとの水槽の中がダメだったらいくら高価な水を入れたって意味がないじゃん。
それは理解できる。水槽の中が健全だった場合は?
SPSをキープするんだったらDIステージを通過させたRO水の方がベストかな。LPSやソフトコーラルメインだったら、そこまで神経質になる必要は無いんじゃない?だってそもそもppm気にしないで飼育できている人もいっぱいいるよ。
10TDSはそもそもかなり優秀な純水だよ。問題は無いと思う。問題を気にするんだったら10TDSに何が含まれているのかを知ることだね。DIステージは時間がかかりすぎて私は待ってられない。
そうだね。もし10ppmが全てリン酸塩や硝酸塩だったら良くはないよね。
飲料用RO水ってどお?
私はTDS17ppmでミドリイシや珊瑚を飼育しているよ。
私はわざわざリーフタンク用にRO+DIを準備するのに疲れてしまったので今はROのみにしているよ。
DIステージを追加した方がミドリイシ飼育は確実。
リーフタンク用にはRO水とRO+DIステージ追加でどっちがおすすめ?
そんなに飲料用を使いたければ、バイパスバルブを付けてRO水とDIステージを分岐させちゃえばいいんだよ。
そもそもDIステージを通過した純水ってなんで人の飲料用に適していないの?
世界保健機関の科学者はみなppm0値の純水の長期摂取は問題があると言っているよ。詳しくは分からないけれど。DIステージを通過した水はそもそもマズイしね。
っというような会話をしました。
アクアリウム用浄水器の選定
上記までまとめた特徴を踏まえ、アクアリウム用浄水器の選定を行う基準としては以下の通りとなります。
- 浄水器によって、水道水に含まれる不純物を出来る限り取り除き、人工海水によって水槽へ海の成分を入れる事により海に近い環境を作り上げる事が出来る事から、海水魚の飼育、珊瑚の飼育、イソギンチャクの飼育には、浄水器があった方が望ましい。
- ミドリイシの飼育を行うのであれば、DIステージがある浄水器が望ましい。
- 浄水器は水道水の不純物を取り除く為の装置である為、既に水槽の中に不純物が含まれていたり、不純物を発生するような環境が水槽内に存在するようであれば、取り除かなくてはならない。
- どんなに優秀な浄水器であっても、カートリッジを交換せずに利用していると必ずppmの値が上昇する。定期的なppmの測定と、ppmの値が上昇する危険性がある場合は、カートリッジを交換した方が望ましい。
上記の通り、アクアリム浄水器は、初期導入時にかかるイニシャル費用と、カートリッジ交換に伴うランニング費用がかかってきます。ショップによっては、ppmの値が低い純水の販売を行っている所もありますが、その都度購入時の費用がかかってきます。水槽サイズ、飼育する生体の種類、水替え頻度、初期と運用時の費用検討等を踏まえ、自分の水槽にあったアクアリウム用浄水器を選定する事がベストです。
浄水器を選定する上での2つの選択パターン
アクアリウム浄水器を選定する上での選択肢は、価格が高額なパターンと低額なパターンの2種類に分類されます。
高額パターン
常にppmの低いRO水にこだわりたい方向け
オルガノ購入(最低でも15万円前後)。または、ショップのRO水購入(毎回数千円/20リットル程度の費用)。
低額パターン
DIフィルターが付いた浄水器で運用したい人
マーフィード、クロノスレインの購入(3万円~4万円の費用とフィルター等付属品の交換代)。
それぞれのパターンについて、以下にまとめます。
高額な浄水器の選択
高額な浄水器の選択は、「常に低いppmでミドリイシを飼育したい。」という人向けにおすすめです。低いppmでの生体飼育にこだわるのであれば、ショップさんで純水を購入するという方法もあります。
オルガノ
オルガノは、とにかく常に低いppmにこだわる人向けの浄水器です。初期費用が高額なのと、カートリッジ交換時にも費用がかかってきます。オルガノは、もともと工業用の浄水器で多くのショップでも利用されています。オルガノで生成された純水を”RO水”、”純水”として販売しているショップもあります。
メリット
- 蛇口直結型で利用できる浄水器のため、蛇口をひねれば純水を短時間で生成できる。
- 工業用にも利用されている浄水器のためよりppmの値が低い純水が作れる。
- 捨て水が発生しない。
デメリット
- 一番安いタイプでも15万円前後とかなり高額。
- お住まいの地域によっては、オルガノの代理店がカートリッジ交換に対応していない(沖縄では対応していない地域があります)。
- 他の浄水器と比較すると大型の装置となるため場所を取る。
- リサイクルカートリッジには工業用で使用されたものも含まれるため飲料用には利用できない。アクアリウムのみの利用。
- ppmの計測を自ら行わなくてはならない。
通販
純水
ショップで純水を購入するメリットは、以下の通りありますが、その都度購入時に費用がかかる為、トータルの費用でみると浄水器を購入してしまった方が安く可能性があります。
メリット
- 浄水器を購入する必要が無い。
- ポリタンクさえ持っていればいつでも汲みに行ける。
- 店舗によっては通販でも購入できる。
- RO水生成までの時間が短縮できる。
- ppmが低い純水が販売されているので自ら計測する必要が無い。
デメリット
- 直接ショップに純水を購入しに行く場合は、車が無い人は汲みに行けない。(20リットルは重たいので量を減らせばいけるかもしれません。)
- 購入の度に商品代と車のガソリン代がかかる(私の知り合いのアクアリストにはガソリン代を気にする人がいます)。
- 飲料用には利用できない。アクアリウムのみの利用。
- カートリッジ交換直後とカートリッジ交換直前でppm値に1~2ppmの差がでる場合がある。
通販
低額な浄水器の選択
低額な浄水器の選択は、海水魚の飼育、珊瑚の飼育、イソギンチャクの飼育を行う多くの人達が選択しているパターンです。初期費用、運用費用ともに安く済ませる事ができます。
メリット
- 価格が安い(とはいっても3万円~4万円ぐらいはかかります)。
デメリット
- フィルター交換を自ら行わなくてはならないためその都度費用がかかる。
- 飲料用には利用できない。アクアリウムのみの利用。
- ppmの計測を自ら行わなくてはならない。
- 純水の生成に時間がかかる。
- よりppmの低い純水を作り出すためには捨て水が多く発生する。
海水魚、珊瑚、イソギンチャク飼育におすすめの浄水器
海水魚、珊瑚、イソギンチャク飼育におすすめの浄水器は、以下でご紹介するマーフィード エキスパートマリンとクロノスレインの2種類です。
マーフィード エキスパートマリンの製品情報
マーフィードが提供する浄水器、エキスパートマリンに関する製品情報です。一分間あたりおよび、一日に生成できる純水の量を合わせて記載しています。純水のppmの値(水道水に含まれる不純物の割合)は、純水が生成される速度が遅いほど高いです。つまり、より純度の高い純水が生成されるタイプは、Z50。続いてZ75、Z150の順番となります。エキスパートマリンは、RGダッシュと併用して利用する事で、苔の発生原因となるケイ酸を水道水から除去することができます。
エキスパートマリン、RGダッシュのセット
エキスパートマリンとRGダッシュがセットになったお得な商品です。
マーフィードの浄水器、エキスパートマリンZの詳細については、以下のページでまとめています。
クロノスレインの製品情報
クロノスレインの場合は、DIフィルターが既に内臓されているため、エキスパートマリンのようにRGダッシュを接続させなくても、純度が高い純水が生成できます。
メンブレンの値は、150のタイプで、エキスパートマリンとの比較においては、Z150相当の浄水器になります。つまり、逆浸透膜によるRO濾過が実施されるR/Oメンブレンを通過した後の水の純度(ppm)は、エキスパートマリンのZ50、Z75と比較すると高い値を示しますが、第三ステージフィルターにDIフィルターを採用している事から、最終的に生成される純水は高純度な純水となってきます。
ただし、個人的な意見になりますが、エキスパートマリン、クロノスレインそれぞれで生成される純水の純度を同じTDSメーターで計測した場合は、あまり差がでないのではないか?とも思っています。
「アクアリウム用浄水器の特徴、選定について」についてのご紹介は、以上となります。次は「殺菌灯の特徴、選定について」ご紹介いたします。
オーバーフロー水槽比較
海水魚、珊瑚、イソギンチャク飼育を行う上でおすすめなオーバーフロー水槽を一覧で、比較しやすいように以下のページでまとめています。
マリンアクアリウムの飼育機材、用品
海水魚、珊瑚、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)を飼育するにあたり、飼育する生体の種類によって、必要となる環境が異なってきます。特に初心者の方は、「どんな機材を揃えばよいのかわからない。」と思う方が多いかと思います。海水魚、珊瑚、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育を行う場合で必要となってくる飼育機材や用品、リフジウム水槽などについて飼育する生体のジャンル別に、以下のページでまとめています。
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海水魚、珊瑚(ソフトコーラル、ハードコーラル)、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育方法について、以下のページでそれぞれまとめています。
マリンアクアリウム飼育機材
海水魚、珊瑚(ソフトコーラル、ハードコーラル)、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育に必要な機材や用品などについて、以下のページでそれぞれまとめています。