カクレクマノミ、イソギンチャクを飼育する上での水槽選び

海水魚、珊瑚、イソギンチャクを飼育する水槽は大きく分けて、以下の4タイプに分類されます。

  • 上部濾過水槽
  • 外掛式濾過水槽
  • 外部濾過水槽
  • オーバーフロー水槽

飼育環境が広ければ広いほど、生体にとっては快適な環境となります。水槽の容量が大きければ、閉ざされた空間の中でも環境の変化が起こりにくいというのが大きな理由です。狭い環境で毎日餌を与えているのと、広い環境で毎日餌を与えているのとでは、狭い環境の方が「水の汚れが早い」というイメージはつきやすいのではないかと思います。とはいえ、初めから巨大なオーバーフロー水槽を購入するのは、勇気が必要だったりもします。濾過能力が大きい順に並べると、オーバーフロー水槽>外部濾過水槽>上部濾過水槽>外掛式濾過水槽となります。

また濾過システムは、大きく以下の二つに分かれます。

  • 物理濾過→目に見える水中の汚れ(浮遊物)を取り除く
  • 生物濾過→バクテリアが水質を綺麗にする

物理濾過とは、魚の糞や水中を漂う浮遊物を濾過槽に設置するウールマットなどで濾し取ることです。生物濾過は、ろ材(多孔質ろ材、ドライボールなど)に付着したバクテリアにより水中の有機物を分解し、水質を綺麗にすることです。バクテリアが水質を綺麗にしてくれる作用を「硝化」と呼びます。

初心者の方が購入時に判断し易いように、水槽4タイプのメリットデメリットを記載しながら、まとめてみたいと思います。

(1)上部濾過水槽について

上部濾過層最もポピュラーな濾過システムです。濾過層が上部に設置してあるため、メンテナンスが容易です。私が2000年に海水魚飼育をはじめた時は、この上部濾過水槽からスタートしました。しかし、珊瑚やイソギンチャクを飼育する場合には、ある程度の照明(光量)が必要となります。

上部濾過水槽の場合、水槽の上部を濾過槽が遮ってしまうため飼育できる生体に限りが出てきてしまいます。上部濾過槽水槽では、蛍光灯がセットになっていることがほとんどですが、水槽セットの蛍光灯を取り外して、他の照明に変更したとしても濾過槽部分が照明の影になってしまい、水槽全体に光が行き届かなくなってしまいます。特に上部濾過槽でメタハラを取り付け、濾過槽などにメタハラが触れたりなどした場合には、濾過槽が溶けて大変なことになってしまいます。以下の生体以外を飼育する場合には、上部濾過水槽は適しません。

上部濾過水槽で飼育できる生体

  • 海水魚
  • 陰日性サンゴ
  • 蛍光灯でも飼育できるイソギンチャク(サンゴイソギンチャク、タマイタダキイソギンチャク)
  • エビ、カニ、ヤドカリ類

上記で蛍光灯でも飼育できるイソギンチャクとして、サンゴイソギンチャク、タマイタダキイソギンチャクを記載しましたが、蛍光灯よりも光量があるメタハラやLEDを利用した方が状態よく飼育が可能です。

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(2)外掛式濾過水槽について

外掛け式フィルター外掛式濾過水槽の場合、水槽上部に空間が確保できるので、光が必要となる珊瑚やイソギンチャクの飼育も可能です。ただし気をつけないといけないのが、外掛式濾過は、濾過能力が低いため、多くの生体を飼育する場合には頻繁な水交換が必要となってきてしまいます。

どれぐらいの頻度で必要になるかについては、外掛式濾過装置の容量や水槽の大きさ、水槽で飼育している生体の種類や数などによって、変化するため一概には言えないのですが、給餌が必要となる海水魚や珊瑚、イソギンチャクを飼育している場合は、生体の状態が手遅れにならないように頻繁に水交換を行った方が無難です。

給餌が不要な珊瑚だけを飼育している場合は、頻繁な水交換は不必要になりますが、長期間水交換を行わないと、水中の栄養素が不足してしまうため、やはり定期的に水交換は必要になってきます。

仕事などの都合で定期的な水交換ができない場合は、外掛式濾過水槽は飼育環境の選択肢に入れない方が無難です。

もし外掛式濾過を選択する場合は、外掛式濾過が水槽に設置可能かを確認して購入する必要があります。フランジ付き水槽の場合は、外掛式濾過が設置できない場合もあります。フランジとは、魚の飛び出し防止や、ガラス蓋を水槽に乗せるために水槽上部に設置された縁のことをよびます。

(3)外部濾過(外部フィルター)水槽について

外部式フィルターオーバーフロー水槽の次に濾過能力が高いのが外部濾過です。外部濾過装置の大きさがそこそこあれば、小型のオーバーフロー水槽よりも濾過能力を発揮する場合もあります。またフィルターを連結させることで、濾過能力をアップさせることもできます。外部濾過装置のメリットをいくつか列記してみます。

  • 水槽上部に濾過装置を設置することが無いので、照明を設置し易い。
  • 上部式濾過、外掛式濾過と比較すると、容量が大きくろ材を多く入れられることから生物濾過が働き水質を維持し易い。
  • 濾過能力が高いため、水交換等のメンテナンス回数を減らすことができる。
  • サブフィルターが増設可能なタイプを選択すれば、更に濾過能力を高めることができる。
  • 水槽台に濾過装置を収納させれば、水槽の外景を損なうことがない。
  • 濾過槽が密閉されているため水が空気をかむ事が無く静かな環境を作り出せる。

デメリットとしては、外部濾過水槽の場合、濾過装置が閉ざされた密閉状態となるため、好気バクテリアが発生しづらくなってしまいます。好気バクテリアという言葉が出てきました。ここで好気バクテリアと嫌気性バクテリアについて簡単に記載してみたいと思います。

好気バクテリアについて

魚が糞などの排泄物を出したり生体が死亡した際には、水槽の中にアンモニアが発生します。アンモニアは毒素が高く濃度が高いと魚が死んでしまいます。このアンモニアは毒素が強く生体に有害なのですが、好気バクテリアはアンモニアを亜硝酸に分解してくれます。亜硝酸も毒素が強いのですが、更に好気生バクテリアは、亜硝酸を硝酸塩に分解してくれます。硝酸塩は比較的生体には無害なのですが、硝酸塩濃度が高くなると、生体の色が落ちてきて放っておくと次第に状態を崩し、死んでしまうため、定期的な水交換により、硝酸塩を取り除く必要があります。好気バクテリアは、「酸素を大量に含む場所」に生息するため、密閉された外部フィルターだと好気バクテリアが活発に活動できる場所が限られてしまいます。好気バクテリアが、アンモニアを亜硝酸から硝酸塩へと分解してくれることを「硝化作用」と呼びます。

嫌気性バクテリアについて

嫌気性バクテリアは好気バクテリアが分解して作り出した硝酸塩を窒素ガスに分解し、空中に放出してくれます。嫌気性バクテリアは、「酸素濃度の低い場所」に生息するため、底面砂の下層部の嫌気域などに生息します。嫌気域を作り出すには3cm以上のサンゴ砂を敷く必要があるといわれています。嫌気性バクテリアが硝酸塩を窒素ガスに分解することを「反硝化作用」と呼びます。

「硝化作用」と「反硝化作用」について、初心者の方は読んでも「?」マークが頭に浮かんでしまったかと思うので、「硝化作用」と「反硝化作用」をもう少し簡単に記してみます。酸素を必要とする好気バクテリアは、死骸や糞を硝酸塩まで分解してくれます。ただし水槽内に硝酸塩が蓄積すると、生体は体調を崩してしまいます。しかし、底面砂の下層部などに生息する酸素を必要としない嫌気性バクテリアは、硝酸塩を窒素ガスまで分解してくれます。窒素ガスが空気中に放出されることで、水槽内に存在する有害物質は取り除かれることになります。

外部フィルターでも、ドライ層とウェット層を持ったタイプがエーハイムより発売されていましたが、2008年3月に販売終了となってしまっています。

(4)オーバーフロー水槽について

オーバーフロー水槽一番安定した環境で生体を飼育できるのがオーバーフロー水槽です。オーバーフロー水槽とは、簡単に解説すると、生体を飼育する水槽部分と、濾過槽部分が切り離され、濾過槽を経由した海水をポンプでくみ上げて水槽部に戻す仕組みの水槽の事を示します。他の水槽と比較すると価格的には高価ですが、長期間飼育を行うのであれば、一番メリットが大きい水槽です。では、早速オーバーフロー水槽のメリットについて記載してみたいと思います。

  • 濾過槽内にプロテインスキマーや、ヒーターなどを収納できるため、水景を損なうことが無い。
  • 水槽上部に濾過装置を設置することが無いので、照明を設置し易い。
  • 大きな濾過槽を配置可能なため濾過能力が高い。
  • 好気バクテリア、嫌気性バクテリアが活動できる場所を作り易く、濾過能力が高いため安定した水槽環境で水交換も回数を少なくすることができる。

デメリットとしては、水槽、濾過槽とあわせるとかなりの重量となるため、一度設置すると水槽をなかなか動かしづらくなってしまう点と、フロー管を伝わって濾過槽に落ちる箇所は少なくとも空気と触れる箇所となるため、水が落下する音が気になってしまいます。特に外部フィルターからオーバーフロー水槽に変更した方は、音のうるささに驚く方が多いと思います。

水が落下するフロー菅にビニール紐を垂らすことで、この水の落下音を軽減させる対策を取っている方もいます。

海水魚関連の商品は「青」、熱帯魚関連の商品は「緑」、共通アイテムは「オレンジ」のボタンで区分けして表示しています。

カクレクマノミとハタゴイソギンチャクの飼育については、実際の飼育経験をもとにまとめている以下の記事が参考になります。

また、初心者の方は、安くて飼育が簡単な、初心者用カクレクマノミ飼育水槽セットがおすすめです。

オーバーフロー水槽については、以下の記事も参考になります。

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