ショップでも利用しているおすすめの人工海水

人工海水と天然海水の選定について

海に生息する生き物は、海水に生息しています。「海は全てつながっているから、海は一つ」と考えがちですが、決してそうでは無いと思います。添加剤の必要性や、浄水器の選定について説明しているページでも記載している通り、海には様々な元素が大量に含まれているのと、厳密には生体が生息する地域によって、含まれる成分の含有量が異なるといった違いがあります。

「マリンアクアリウムを制する者は、を制する者」と言っていいほど、は、海水魚、珊瑚、イソギンチャクの飼育にとって、重要な要素となってきます。

人工海水とは

人工海水とは、天然の海水から人工的に生成された海水の素です。人工海水をRO浄水器で生成した純水で溶かすことによって、自然の環境に近い海の水を再現させることができます。

人工海水を溶かす「水」の選定について

人工海水を溶かす水。つまり真水は、「水道水じゃだめなの?カルキ抜きした水じゃダメなの?」と言われますが、そもそも水道水は、人間が生きていくために浄水場で消毒、洗浄されている水であり、厳密には海に含まれていないような物質が含まれています。

厚生労働省により定められている水質基準項目と基準値

水道水は、構成労働省により定期的に水質基準項目が見直され、人間の飲料用に浄化され以下のような物質を含んでいます。よくアトピーにかかってしまった人が水道水を飲むのを止め、水道水で体を洗わず、水道水に何も不純物を含まない純水を飲み、純水で体を洗う様になったらアトピーが治った。っとよく言われるほど水道水には不純物が含まれており、飲料用浄水器に切り替える人たちが数多くいます。

項目 基準 項目 基準
一般細菌 1mlの検水で形成される集落数が100以下 総トリハロメタン 0.1mg/L以下
大腸菌 検出されないこと トリクロロ酢酸 0.03mg/L以下
カドミウム及びその化合物 カドミウムの量に関して、0.003mg/L以下 ブロモジクロロメタン 0.03mg/L以下
水銀及びその化合物 水銀の量に関して、0.0005mg/L以下 ブロモホルム 0.09mg/L以下
セレン及びその化合物 セレンの量に関して、0.01mg/L以下 ホルムアルデヒド 0.08mg/L以下
鉛及びその化合物 鉛の量に関して、0.01mg/L以下 亜鉛及びその化合物 亜鉛の量に関して、1.0mg/L以下
ヒ素及びその化合物 ヒ素の量に関して、0.01mg/L以下 アルミニウム及びその化合物 アルミニウムの量に関して、0.2mg/L以下
六価クロム化合物 六価クロムの量に関して、0.05mg/L以下 鉄及びその化合物 鉄の量に関して、0.3mg/L以下
亜硝酸態窒素 0.04mg/L以下 銅及びその化合物 銅の量に関して、1.0mg/L以下
シアン化物イオン及び塩化シアン シアンの量に関して、0.01mg/L以下 ナトリウム及びその化合物 ナトリウムの量に関して、200mg/L以下
硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 10mg/L以下 マンガン及びその化合物 マンガンの量に関して、0.05mg/L以下
フッ素及びその化合物 フッ素の量に関して、0.8mg/L以下 塩化物イオン 200mg/L以下
ホウ素及びその化合物 ホウ素の量に関して、1.0mg/L以下 カルシウム、マグネシウム等(硬度) 300mg/L以下
四塩化炭素 0.002mg/L以下 蒸発残留物 500mg/L以下
1,4-ジオキサン 0.05mg/L以下 陰イオン界面活性剤 0.2mg/L以下
シス-1,2-ジクロロエチレン及び
トランス-1,2-ジクロロエチレン
0.04mg/L以下 ジェオスミン 0.00001mg/L以下
ジクロロメタン 0.02mg/L以下 2-メチルイソボルネオール 0.00001mg/L以下
テトラクロロエチレン 0.01mg/L以下 非イオン界面活性剤 0.02mg/L以下
トリクロロエチレン 0.01mg/L以下 フェノール類 フェノールの量に換算して、0.005mg/L以下
ベンゼン 0.01mg/L以下 有機物(全有機炭素(TOC)の量) 3mg/L以下
塩素酸 0.6mg/L以下 pH値 5.8以上8.6以下
クロロ酢酸 0.02mg/L以下 異常でないこと
クロロホルム 0.06mg/L以下 臭気 異常でないこと
ジクロロ酢酸 0.03mg/L以下 色度 5度以下
ジブロモクロロメタン 0.1mg/L以下 濁度 2度以下
臭素酸 0.01mg/L以下 (空白) (空白)
【出典】厚生労働省水質基準項目と基準値:平成27年4月1日施行

以前、飲料用浄水器で生成された純水がアクアリウム用としても利用できるのか?において、調査を行っているページでもご紹介している通り、水道水をそのまま利用するもしくはカルキ抜きをして利用するという事は、苔の発生や、生体の飼育に悪影響を及ぼす亜硝酸塩や、硝酸塩を除去しない状態で飼育をしてしまっている事になります。

以下は、東京都の水道水の水質を実際に調査した時に撮影した写真です。

水道水には苔の発生原因が含まれている

水道水には苔の発生原因が含まれている

苔の発生原因、生体に悪影響を及ぼす可能性がある亜硝酸塩、硝酸塩が含まれている事を実際に調査しています。

海水魚、珊瑚、イソギンチャクの飼育において、もっとも優れた水を生成させる手順は以下の通りです。

  • RO浄水器で、不純物を含まない純水を生成させる。
  • 不純物を含まない純水に人工海水を溶かす事によって、より海に近い海水を生成させることができる。

海水魚、珊瑚、イソギンチャクを状態よく、綺麗な水槽で長期飼育しているアクアリストたちはみな、純水が生成できる浄水器を利用しています。



天然海水の利用について

生体が生息していた海域の天然海水が入手できるのであれば、天然海水を利用した事に越した事はありません。

インドネシア産の珊瑚を長期飼育したい場合、インドネシア現地で珊瑚が生息していた海域の天然海水が入手できれば、それは最高の環境だと思います。

しかし、現実それは不可能な事です。

それであれば、よりインドネシアの海域の海水を再現できる人工海水を選定すればよいのです。

そんな人工海水は、どこにも販売されていません。

一つ正しい可能性があると思うのは、石垣島産の海水魚、珊瑚、イソギンチャクだけを飼育するのであれば、石垣島で採取された天然海水を利用する事は、生体たちが生まれ育った環境を再現させることになるので、生体たちにとってとても恵まれた天然海水になってくると思います。

しかし、冒頭でも記載した通り、生体たちが生息している海域によって、含まれる元素は異なってくるのが実情だと思います。山や自然が近くにある海域は、綺麗な自然環境から生まれた元素が海へと流れ込み、豊かな海域を生成してくれます。河口付近であれば、また違った成分が含まれている可能性もあります。

海は場所によって含まれている成分が異なるのです。

以下は、海中に含まれる元素をまとめた表になっています。厳密にはこの値も、計測する海域によって異なってくると思います。

名称 平均濃度(mg/kg) 含有率
塩素 19350 58.2095044190631%
ナトリウム 10780 32.4288608598191%
マグネシウム 1280 3.8505511967132%
硫黄 898 2.7014023239441%
カルシウム 412 1.2393961664421%
カリウム 399 1.2002890058505%
臭素 67 0.2015522892030%
炭素 27 0.0812225643057%
窒素 8.72 0.0262318800276%
ストロンチウム 7.80 0.0234642963550%
ホウ素 4.50 0.0135370940509%
ケイ素 2.80 0.0084230807428%
酸素(溶解酸素量) 2.80 0.0084230807428%
フッ素 1.30 0.0039107160592%
アルゴン 0.62 0.0018651107359%
リチュウム 0.18 0.0005414837620%
ルビジウム 0.12 0.0003609891747%
リン 0.062 0.0001865110736%
ヨウ素 0.058 0.0001744781011%
バリウム 0.015 0.0000451236468%
モリブデン 0.010 0.0000300824312%
ウラン 0.0032 0.0000096263780%
バナジウム 0.0020 0.0000060164862%
ヒ素 0.0012 0.0000036098917%
ニッケル 0.00048 0.0000014439567%
亜鉛 0.00035 0.0000010528851%
クリプトン 0.00031 0.0000009325554%
セシウム 0.000306 0.0000009205224%
クロム 0.000212 0.0000006377475%
アンチモン 0.000200 0.0000006016486%
ネオン 0.000160 0.0000004813189%
セレン 0.000155 0.0000004662777%
0.000150 0.0000004512365%
カドミウム 0.000070 0.0000002105770%
キセノン 0.000066 0.0000001985440%
アルミニウム 0.000030 0.0000000902473%
0.000030 0.0000000902473%
マンガン 0.000020 0.0000000601649%
イットリウム 0.000017 0.0000000511401%
ジルコニウム 0.000015 0.0000000451236%
タリウム 0.000013 0.0000000391072%
タングステン 0.000010 0.0000000300824%
レニウム 0.0000078 0.0000000234643%
ヘリウム 0.0000076 0.0000000228626%
チタン 0.0000065 0.0000000195536%
ランタン 0.0000056 0.0000000168462%
ゲルマニウム 0.0000055 0.0000000165453%
ニオブ 0.0000050 0.0000000150412%
ハフニウム 0.0000034 0.0000000102280%
ネオジム 0.0000033 0.0000000099272%
0.0000027 0.0000000081223%
タンタル 0.0000025 0.0000000075206%
0.0000020 0.0000000060165%
コバルト 0.0000012 0.0000000036099%
ガリウム 0.0000012 0.0000000036099%
エルビウム 0.0000012 0.0000000036099%
イッテルビウム 0.0000012 0.0000000036099%
ジスプロシウム 0.0000011 0.0000000033091%
ガドリニウム 0.0000009 0.0000000027074%
スカンジウム 0.0000007 0.0000000021058%
セリウム 0.0000007 0.0000000021058%
プラセオジム 0.0000007 0.0000000021058%
サマリウム 0.00000057 0.0000000017147%
スズ 0.00000050 0.0000000015041%
ホルミウム 0.00000036 0.0000000010830%
ルテチウム 0.00000023 0.0000000006919%
ベリリウム 0.00000021 0.0000000006317%
ツリウム 0.00000020 0.0000000006016%
ユウロビウム 0.00000017 0.0000000005114%
テルビウム 0.00000017 0.0000000005114%
水銀 0.00000014 0.0000000004212%
ロジウム 0.00000008 0.0000000002407%
テルル 0.00000007 0.0000000002106%
パラジウム 0.00000006 0.0000000001805%
白金 0.00000005 0.0000000001504%
ビスマス 0.00000003 0.0000000000902%
0.00000002 0.0000000000602%
トリウム 0.00000002 0.0000000000602%
インジウム 0.00000001 0.0000000000301%
ルテニウム 0.000000005 0.0000000000150%
オスミウム 0.000000002 0.0000000000060%
イリジウム 0.00000000013 0.0000000000004%
ラジウム 0.00000000013 0.0000000000004%
含有率合計 99.9999999999999%
【出典】Newton別冊地球大解剖

天然海水を海水魚、珊瑚、イソギンチャク飼育に利用する事ができるか?の答えは、できるだと思います。

ただし、飼育する生体たちが生息していた海域の天然海水を利用する事ができればという条件が付き、それを実現する事はほぼ不可能というのが実情だと思います。



人工海水の選定について

私が長年愛用しているヴィーソルト

私が長年愛用しているヴィーソルト

人工海水には様々な種類があります。どの人工海水が海水魚、珊瑚、イソギンチャクの飼育に最適なのか?という答えは、飼育しようとしている。あるいは、現在飼育している生体たちが生息していた海域の海水成分を再現することができる人工海水です。

でもそんな人工海水は販売されていないのと、人工海水に含まれる成分を全て公表しているメーカーは今のところどこにもありません。

では、一体どの人工海水を選定するのが正解なのか?この答えに一番近いのは、珊瑚を状態よく飼育して販売できているショップで利用している人工海水を真似る。という点です。

珊瑚を状態よく飼育しているショップは、私が把握できている範囲では、スプラッシュ、コーラルラボ、珊瑚堂です。

珊瑚を状態よく飼育、販売できているショップの人工海水を利用すれば、珊瑚の飼育は可能な事はもちろんの事、珊瑚の状態がよければ、海水魚、イソギンチャクの飼育も上手く行く。っという事が述べられるのでは無いかと思います。

スプラッシュ、コーラルラボ、珊瑚堂で利用されている人工海水について

実際に、スプラッシュ、コーラルラボ、珊瑚堂で利用されている人工海水を調査したところ、以下のようになっていました。

  • スプラッシュ:ヴィーソルト
  • コーラルラボ:バイオアクティフ
  • 珊瑚堂:ヴィーソルト



海水魚、珊瑚、イソギンチャクの飼育に適した人工海水とは?

綺麗に珊瑚を維持しているコーラルラボの水槽

綺麗に珊瑚を維持しているコーラルラボの水槽

現時点において、海水魚、珊瑚、イソギンチャク飼育に適した人工海水は以下のいずれかになると思います。

ヴィーソルト

バイオアクティフ

価格を抑えたい場合は、ヴィーソルト。より高品質な人工海水を利用したい場合は、バイオアクティフが望ましいのではないかと思います。

ちなみに私はいつも、以下のヴィーソルトをまとめて購入しています。

人工海水作成用品セットも利用すると便利です。

「ショップでも利用しているおすすめの人工海水」についてのご紹介は、以上となります。次は「自動給水器の特徴、選定について」ご紹介いたします。

関連記事:自動給水器の特徴、選定について



人気のおすすめオーバーフロー水槽比較

海水魚、珊瑚、イソギンチャク飼育を行う上でおすすめなオーバーフロー水槽を一覧で、比較しやすいように以下のページでまとめています。

関連記事:オーバーフロー水槽比較

マリンアクアリウムの飼育機材、用品

海水魚珊瑚イソギンチャクマリンプランツ(海藻、海草)を飼育するにあたり、飼育する生体の種類によって、必要となる環境が異なってきます。特に初心者の方は、「どんな機材を揃えばよいのかわからない。」と思う方が多いかと思います。海水魚珊瑚イソギンチャクマリンプランツ(海藻、海草)の飼育を行う場合で必要となってくる飼育機材や用品、リフジウム水槽などについて飼育する生体のジャンル別に、以下のページでまとめています。

関連記事:マリンアクアリウムの飼育機材、用品

飼育方法

飼育機材

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