ミドリイシの飼育について

ミドリイシの飼育について

サンゴ飼育の最高峰といえばミドリイシ。多くのアクアリストたちがミドリイシの美しさに魅了され、様々な試行錯誤を繰り返しながら飼育に挑んでいます。海外のマリンアクアリストの中には、ワシントン条約のCITESⅠで国際取引が禁止されてしまったミドリイシを自身の水槽で成長させ、自然界に戻すといった試みを行う強者もいます。

本ページに記載している内容は、海水魚、珊瑚、イソギンチャク飼育を楽しむ一愛好家の立場で、「ミドリイシを状態よく飼育するのはどうしたらいいんだ?」っという観点でまとめています。

ミドリイシに限らずマリンアクアリウムにおける全ての生体は、飼育が難しい、簡単と評価するよりも、その生体が自然界においてどのような暮らしをしているのか?水槽内でそれが実現できるのか?という観点の方が大切な事なんじゃないかな?っといつも思いながら、海外の情報をネットで確認しながら試行錯誤しています。

こちらは海外から取り寄せた書籍の一部。海外の書籍は、アクアリウムの飼育説明を行う前に、自然界でどのような生体系をしているのか?がもの凄い沢山の情報と、生息に関する細かいデータとあわせて記載されています。自然界の生体系を理解した上で、その飼育環境を実現させるためにはどうしたよいのか?が生体を飼育する上では、大切な事ではないかと思います。

干潮時のミドリイシ

干潮時のミドリイシ

干潮時のミドリイシです。空気に触れる地上に飛び出していますが、これでも自然界のミドリイシたちは元気に生息しています。

自然界で生息している生体たちの生息環境が水槽内で実現できれば、全ての生体の飼育は「簡単」になるような気がしています。



目次

ミドリイシとは?

珊瑚はハードコーラルとソフトコーラルに大きく分類され、ミドリイシはハードコーラルと呼ばれる分類の珊瑚です。更にハードコーラルは、SPS(Small Polyp Stony)とLPS(Large Polyp Stony)に分類され、ミドリイシ属は、SPSに分類されています。

ポリプとは?SPSとLPSの違い

こちらは、ミドリイシ(SPS)のポリプの写真です。

ミドリイシ(SPS)の細かい短いポリプ

ミドリイシ(SPS)の細かい短いポリプ

そしてこちらは、ハナガタサンゴ(LPS)のポリプの写真です。餌を与える際に、ポリプを開いた瞬間に撮影しました。普段の綺麗な姿から豹変した姿で少し不気味です。。

ハナガタサンゴ(LPS)の長いポリプ

ハナガタサンゴ(LPS)の長いポリプ

ポリプというのは、刺胞動物の体の構造の一部分です。ポリプで餌を捕獲して、珊瑚の体内へと取り込まれていきます。上記SPSとLPSを比較してみると分かる通り、SPSのポリプは短く、LPSのポリプは長いという違いから、短いポリプを持った珊瑚は、Small Polyp Stony(SPS)。長いポリプを持ったサンゴは、LPS(Large Polyp Stony)と呼ばれています。

ミドリイシの飼育難易度について

ミドリイシに限らず、海水魚、珊瑚、イソギンチャクといったマリンアクアリウムの生体を飼育、維持する場合、生体別の飼育難易度を語る前に、自然界でどのような生活環境下において過ごしているのか?を知って、その環境を実現させてあげることがまずは大切だと思います。

自然界と同じ環境を水槽内で実現させてあげることができれば、どんな生体であっても、飼育難易度は”簡単”という評価になると思います。

でも実情は、人間が作り出した環境に、生体たちをあてはめ、その上で”飼育は簡単なのか?”、”飼育は難しいのか?”という評価をしてしまっているのが実態のような気がしています。

例えばミドリイシ飼育においてとても大切だとされる照明の”光”。太陽光の波長を再現させることができれば、飼育が簡単になるっというのも疑問符が付きます。

海に生活する生物は、地上と異なり、水深という考え方を考慮する必要があると思います。同属同種のミドリイシであったとしても、住んでいる水深が異なれば、受けている太陽光の波長が異なり、人間が作り出した一律一定な照明だと、なかなか飼育が難しいというのが実態なのではないか?と思います。自然界において、インドネシアの水深5メートル付近の海域にいたミドリイシが、高さ45センチの水槽で、そもそもどうやったら長期飼育できるんだろう?と思ってしまいます。

これは、ミドリイシに限らず、海に生活する他のどの生体についても言えることであり、ミドリイシに限らず、どのような生体であったとしても、飼育する海の生体たちが自然界で生きていた環境を再現できない限りは、どのような生体であったとしても飼育難易度は、全て”難しい”という評価になるのではないか?っと思います。



ミドリイシの飼育環境について

っといいつつも、マリンアクアリウムに携わる人たちは生体を長期維持し、大切に育てていかなくてはならないと思っています。冒頭にも記載した通り、海外のアクアリストには、CITESⅠのサンゴを育てあげている人も世の中にはいます。

ミドリイシを飼育する人は、既に飼育に必要な環境を持っている事が想定されるので、あえて記載するのもおかしいよな…という気もするのですが、これが必要、あれが必要という観点ではなくて、何が必要?という観点でまとめてみたいと思います。

ミドリイシ飼育に携わる様々な人たちと意見交換をしてきて、ミドリイシ飼育において、現状これが最適なのではないか?という理想も含めた飼育環境について記載してみたいと思います。

  • 水量確保と水質変化を減らすためオーバーフロー水槽が必要。
  • 海中と同じような潮の流れを生み出すパワーヘッドが必要。
  • 水槽内のタンパク質などの汚れを除去するためにプロテインスキマーが必要。
  • 生物濾過による硝化作用を発生させるためにライブロックライブサンドが必要。
  • ミドリイシが生息していたエリアの太陽光の波長を再現する照明が必要(理想)。
  • 水道水に含まれる亜硝酸、硝酸塩などなど不要な成分を除去するため浄水器が必要。
  • 水槽内に海を実現させるために人工海水が必要。
  • サンゴの維持、成長に必要な成分を補うため添加剤が必要。
  • サンゴの骨格形成に必要なカルシウムを補うためカルシウムリアクターが必要。

現状想定できるミドリイシを飼育するために必要な設備を簡単に箇条書きにすると、このような内容になると思います。

ミドリイシが生息している場所の環境を水槽内で再現できるのであれば、それに越した事はないと思うのですが、現実はなかなか難しい事だと思います。

っであれば、ミドリイシを状態よく維持できているショップや、アクアリストを真似ればよいのでは?っと思い、ミドリイシ飼育に定評がある神奈川の老舗、スプラッシュに行って、ミドリイシ飼育に必要な環境について確認を行ってきました。

SPLASHのミドリイシ飼育環境について

SPLASHのミドリイシ水槽

SPLASHのミドリイシ水槽

参考になるか分かりませんが?、ミドリイシ飼育に定評があるSPLASHでのミドリイシ飼育環境です。SPLASHは、ライブロックの状態が、私も利用していて本当に状態がよいと感じるので、ライブロックの状態の良さがミドリイシ飼育に起因しているんじゃないか?というような気がしています。詳細は不明です。

実際SPLASHでは、店舗で取り扱っている機材は、ほんのわずかしかありません。長年利用してきて、故障率が少ないか?など、ショップ自ら利用してみて、これはよい商品だと感じたものだけを取り扱っているというこだわりの強さがあります。パワーヘッドや殺菌灯などについては、必要だと感じるのであれば、チャームが安くておすすめとのことでした。。

ミドリイシを飼育している環境が確認できたところで、気になる点があったので、追加で質問をしてみました。

人工海水は、なんでヴィーソルトなのか?

ちなみに人工海水は、「なんでヴィーソルトなのか?」と質問をしたところ、「国産のため鮮度がよい。」というのが一番の理由でした。実際に複数の人工海水で飼育が難しいとされるイカの飼育を行ってみたところ、ヴィーソルトが一番状態よくイカを長期飼育する事ができたそうです。

ちなみにSPLASHは厚木の米軍基地に近いため、アメリカ人が現地から直接空輸した人工海水も状態が良いということでした(種類は不明)。人工海水の状態がよいというのは、鮮度がよいという点がSPLASHでは最も重要視しているようでした。

ミドリイシ飼育に利用している浄水器の種類は?

ミドリイシ飼育に利用している浄水器は、オルガノでした。

ミドリイシ飼育に利用しているオルガノ浄水器

ミドリイシ飼育に利用しているオルガノ浄水器

SPLASHは、数々のミドリイシを販売するサンゴ販売の名店です。全国のアクアリストはもちろんの事、具体的には記載しませんが、誰もが知っているとても有名な各種イベントにも、実はSPLASHの生体が数多く出品されています。

SPLASHに過去入荷した様々なミドリイシの情報をいただきましたので、ご紹介いたします。



ミドリイシの種類

SPLASHに大量に保管されてあるミドリイシの写真を整理しています。現在分類については調整中です。随時修正を加えながら、新たしい情報を追加していきます。

ミドリイシ属

abrotanoides (Lamarck, 1816) トゲマツミドリイシ

anthocercis (Brook, 1893) タマユビミドリイシ

aspera (Dana, 1846) ヒメマツミドリイシ

austera (Dana, 1846) コイボミドリイシ

carduus (Dana, 1846) ツツミドリイシ

cerealis (Dana, 1846) ムギノホミドリイシ

clathrata (Brook, 1891) サンボウミドリイシ

cytherea (Dana, 1846) ハナバチミドリイシ(タイハイミドリイシ)

efflorescens (Dana, 1846)[Junior Synonym]Acropora dendrum (Bassett-Smith, 1890) コエダドリイシ

digitifera (Dana, 1846) コユビミドリイシ

divaricata (Dana, 1846) ヤッコミドリイシ

elseyi (Brook, 1892) マルヅツミドリイシ

polymorpha (Brook, 1891)Acropora gemmifera (Brook, 1892) オヤユビミドリイシ

grandis (Brook, 1892) クロマツミドリイシ

クロマツミドリイシ

画像提供元:SPLASH

granulosa (Milne Edwards & Haime, 1860) ツツハナガサミドリイシ

intermedia (Brook, 1891) トゲスギミドリイシ

latistella (Brook, 1892) キクハナガサミドリイシ

longicyathus (Milne Edwards & Haime, 1860) オオヅツミドリイシ

loripes (Brook, 1892) マルヅツハナガサミドリイシ(ロリペス)

inermis (Brook, 1891)[Junior Synonym]Acropora millepora (Ehrenberg, 1834) ハイマツミドリイシ

monticulosa (Brueggemann, 1897) サンカクミドリイシ

muricata (Linnaeus, 1758) スギノキミドリイシ

トゲスギノキミドリイシ

formosa (Dana, 1846)Acropora nana (Studer, 1878) スゲミドリイシ

pruinosa (Brook, 1892) ヒメエダミドリイシ

secale (Studer, 1878) トゲホソエダミドリイシ

selago (Studer, 1878) タチハナガサミドリイシ

subglabra (Brook, 1891) ホソヅツミドリイシ

florida (Dana, 1846) サボテンミドリイシ

サボテンミドリイシ

サボテンミドリイシ

glauca (Brook, 1893) ナカユビミドリイシ

valida (Dana, 1846) ホソエダミドリイシ

rambleri Bassett-Smith, 1890[Junior Synonym]Acropora spicifera (Dana, 1846) クシハダミドリイシ

sarmentosa (Brook, 1892) カドエダミドリイシ

tenuis (Dana, 1846) ウスエダミドリイシ

ハードコーラルの種類別飼育方法

ハナガタサンゴ
詳細を確認する
コハナガタサンゴ
詳細を確認する
アザミハナガタサンゴ
詳細を確認する
スコリミア
詳細を確認する
タコアシサンゴ
詳細を確認する
ツツマルハナサンゴ
詳細を確認する
キッカサンゴ
詳細を確認する
ナガレハナサンゴ
詳細を確認する
ミドリイシ
詳細を確認する
不正アクセス防止のため、コメント入力いただいた方の送信元ホスト名、IPアドレスを記録しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です