水槽、濾過槽にカーリー(セイタカイソギンチャク)が大量発生、有効な完全駆除方法
水槽内にものすごい量のカーリー(セイタカイソギンチャク)が大発生してしまいました。特に濾過槽内。気持ち悪くてとてもその当時の濾過槽の写真は、お見せできません。2週間前に濾過槽内のカーリーを全て取り除いたのですが、水槽内にはまだカーリーが出てきます。これは濾過槽以外にもカーリーの群生がどこかにあるはず…っと思い水槽内を探っていたら群生発見。その場所は、オーバーフロー水槽のフロー筒の中です。フロー筒の中にはさすがに手が入らないので、カーリー駆除剤のアイプタシアXを購入してきてカーリーに振り掛けても、フロー筒の中の水流が強くて駆除剤がカーリーの中に入る前に流されてしまいます。何か駆除するためによい方法は無いのか…ネットで検索したり、ショップの人とも話をしても、「ペパーミントシュリンプを入れた方がよい」と言われるのがほとんどで、有効な手段が見つかりません。ペパーミントシュリンプを入れても、駆除できるほどのカーリーの数では無いので、入れられません。ハンダゴテを利用しても、退治できる数では無いし、海水を扱っていて電気をあまり利用したくない…カーリー駆除に生物兵器は有効ではありません。そこで思いついたのが、「熱湯」によるカーリー大量駆除です。これだけ大量発生しているということは、必ず目に見えない配管の中にも存在するはず…そのためには、「熱湯しか無い。」という結論に行き着きました。思い立ったら、週末の時間を利用して即行動です。
目次
カーリーとは?
カーリーとは、別名セイタカイソギンチャクと呼ばれる生き物です。ライブロックの隙間や、酷いと濾過槽内などにも大量発生します。ショップの水槽の中を見ていると、カーリーがいる事があります。ショップでも発生するので、自宅水槽で発生してもおかしくはありません。
カーリーが生体に与える危害とは?
カーリーは、毒性が強いといわれるのですが、本当に毒性が強いのか?は不明です。計測したことがないので。珊瑚や生態が触れると、触れた珊瑚が死んでしまうというような事を昔から聞いたり、見たりしてきたのですが、実際にカーリーに触れた生体が死んでしまった事を目の当たりにした事がないので、事実は不明です。ショップの水槽にもいるぐらいなのと、ショップでは駆除を実施していないのを目の当たりにすると、「別に水槽内にいても問題がないのでは?」と思うのですが、気になるのは見た目です。海水魚、珊瑚、イソギンチャクを飼育していると、本来水槽内に入れた覚えの無い生体がいると、水槽の外に出したくなってしまいます。
カーリーの駆除方法
カーリーの駆除方法には、主に以下の手段があります。
- 生物による駆除
- 薬品による駆除
- 熱湯による駆除
それぞれの駆除方法と今まで感じた効果についてまとめてみたいと思います。
生物によるカーリーの駆除
カーリーを食べる生体として、ペパーミントシュリンプと、ウミフクロウが有名です。どちらも試した事があるのですが、少しは食べますが、水槽内に大量発生したカーリーを全て取り除く事は不可能です。
薬品によるカーリーの駆除
カーリーを駆除する事ができる薬品として、以下のような製品が発売されています。
水槽内にカーリーが大量発生している際は、薬品を利用するという手段は、有効ではありません。お金をかけて薬品を購入したのに、効果がなければ、お金の無駄です。
ただし、水槽内に多くても5匹ぐらいのカーリーであれば、薬品は有効だと思います。薬品をふりかけたカーリーは必ず消滅します。
熱湯によるカーリーの駆除
写真のように水槽内に大量のカーリーが発生してしまった場合は、ペパーミントシュリンプ、ウミフクロウなどの生体による駆除や、駆除剤などによって取り除く事はほぼ不可能です。そんな時は熱湯を利用して水槽内のカーリーを完全駆除させます。
今までカーリーの駆除を行ってきて、一番効果的だったのが、熱湯による駆除です。この手段が100パーセント確実に、カーリーを駆除することができました。ただし、とても手間がかかる作業になります。手間がかかる分、確実にカーリーを駆除することができます。実際にカーリーを熱湯で駆除した時の様子をご紹介いたします。
カーリーの駆除手順
手順1:水槽内を空にする
まずは水槽の掃除をするように、水槽内にある生体や、海水、ライブロックなどを全て水槽の外に出します。
- 手順1-1:水槽内、濾過槽内の海水を全て抜く。
- 手順1-2:600×600、900×450、600×450に入っている生体を全て衣装ケースに移動。
- 手順1-3:ライブロックも移動。
- 手順1-4:カーリーが大量発生しているライブロックはその場で捨てる。
- 手順1-5:ライブサンドも全て取り除く。
手順2:熱湯を準備
ここまで出来たら。熱湯の出番です。
あらかじめ大量に鍋で沸かしておいた熱湯をポットに移しながら、以下の場所に熱湯を注いでいきます。
- フロー筒
- 水槽の四隅
- 濾過槽内
- スキマー内
- パワーヘッド
熱湯を水槽内に注ぐ際には、目に見えないオーバーフロー水槽のフロー管内部にカーリーが大量に潜んでいる可能性があるので、フロー管上部から熱湯を水槽内に注いでいくと効果的です。
手順3:乾燥
カーリー駆除は、熱湯をかけるという手順2の工程が一番大切だと思うかもしれませんが、熱湯よりも次にご紹介する「乾燥」という手順が一番大切です。熱湯を水槽内に入れた際に、熱湯に触れたカーリーは駆除可能なのですが、熱湯に触れていないカーリーが水槽内に潜んでいる可能性があります。水槽でまだ生きているカーリーがいる状態で、生体等を水槽に戻すと、100パーセントカーリーは必ず再発生します。
熱湯駆除が完了したら、冬場の乾燥している時期は1日、2日。夏場の時期は2日、3日水槽に水を入れずに乾燥させます。この工程を踏むことによって、熱湯でも駆除する事ができなかったカーリーを水槽内から完全に駆除することが可能です。
手順4:水槽に生体を戻す
手順1から3まで完了したら、しっかりと温度あわせ、水あわせを行いながら、生体やライブロックを水槽内に戻していきます。
関連記事:海水魚、珊瑚、イソギンチャク飼育の水作りと水合わせ、温度合わせ手順
フロー筒もこんなに綺麗にしました。
そして、衣装ケースに隔離していた海水魚と珊瑚たちを、水槽内の温度と衣装ケース内の温度が同じことを確認して、水あわせしながら水槽内に戻していきます。
これにて、カーリー駆除の作業は完了です。ここまで実施すれば、水槽内のカーリーは100パーセント駆除できます。もしも、駆除できていなかったとすると、手順3工程の乾燥作業が十分でなかった事になります。
そして、綺麗にカーリーを駆除した後の水槽は、こちらです。
かなりライブロックも捨てたので、だいぶスッキリしています。ライブロックは高いので、捨てるときにためらいがあるかもしれませんが、古いものや大量にカーリー、バロニアが発生している場合は捨ててしまった方がよいです。
水槽が綺麗になると気持ちがよいですね~!!今回、水槽内に汚れを貯めたくないのと、水槽のメンテナンスがしやすいように、600×600水槽、900×450水槽からライブサンドは綺麗さっぱり全て抜き取って、ベアタンクにしてしまいました。
綺麗になった水槽内の生体の一部をご紹介。
2008年10月3日に水槽へ入れたネオンドッティーバックです。ちょっと気持ちが悪いぐらいに大きく成長してくれました(^^)ネオンドッティーバックってショップではあまり見かけないかも?ですね。気がつけば6年飼育してました。
海水大量換水直後なので、珊瑚が本調子じゃありません。それと西からの日差しが水槽を直撃していて、あまり綺麗な写真ではありません^^;
最近、このスーパーレッドのディスクコーラルにはまってます。大量に増えないかなぁ~。
以上が100パーセント完全に、カーリーを水槽内から駆除するための方法です。
連結オーバーフロー水槽
上記の写真を見ていてお気づきになったかと思うのですが、実はカーリーが大量発生した水槽は、連結型のオーバーフロー水槽を利用していました。連結オーバーフロー水槽は、オーバーフロー水槽を連結し、スキマーやクーラー、濾過槽などを一つにまとめることができ、水量も大量に確保できるので、一見メリットばかりに見えるのですが、実際に運用してみて感じたのが、メンテナンス性がとても悪いという点です。今回カーリーが大量発生した場所も、オーバーフロー水槽とオーバーフロー水槽を連結している配管部分でした。連結オーバーフロー水槽のメリット、デメリットについては、以下のページでまとめています。
オーバーフロー水槽比較
海水魚、珊瑚、イソギンチャク飼育を行う上でおすすめなオーバーフロー水槽を一覧で、比較しやすいように以下のページでまとめています。
マリンアクアリウム飼育方法
海水魚、珊瑚(ソフトコーラル、ハードコーラル)、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育方法について、以下のページでそれぞれまとめています。
マリンアクアリウム飼育機材
海水魚、珊瑚(ソフトコーラル、ハードコーラル)、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育に必要な機材や用品などについて、以下のページでそれぞれまとめています。