海水魚、珊瑚、イソギンチャク飼育の水作りと水合わせ、温度合わせ手順

海水魚、珊瑚、イソギンチャク飼育においてとても大切になってくることが、水作りと水合わせになります。特に水合わせについては、海水魚飼育において、とても大切な行いで、初心者が特に海水魚やエビなどの命を落としてしまうのが水合わせのタイミングとなります。水あわせが必要となってくる場面は、通販などで海水魚、珊瑚、イソギンチャク、マリンプランツを購入した際や、水換えを行った後に水槽内へ生体を戻す際に、必要となってくる作業となります。シッカリと水あわせができていない状態で水槽内へ生体を入れると、生体が死んでしまったり、マリンプランツであれば溶けてしまう可能性が高いです。シッカリと温度と水をあわせてから、生体を水槽へ入れるようにする必要があります。特に今まで様々な生体を飼育してきて、特に温度や水質にデリケートだったのが、ブラックバンドとマリンプランツです。マリンプランツの中でも、海藻には特に注意が必要です。ブラックバンドエンゼルと、マリンプランツの詳細については、以下のページにまとめています。

水作り

海水魚、珊瑚、イソギンチャク飼育の基本となる飼育水作り。単純なように見えて、実は手間のかかる作業であり、海水魚、珊瑚、イソギンチャク飼育のもっとも基本的な内容にも関わらず、正しい情報をあまり記載していないところが多いような気がしている部分でもあります。

海水魚、珊瑚、イソギンチャクの飼育で、よく比重計を利用している方が多いと思うのですが、人工海水を入れる前の水の温度によって比重は正しく計測できない事はご存じでしょうか?

飼育水作りの正しい手順

「人工海水を作った後に温度をあわせをしている。」比重は、水温によって変化するので、人工海水を入れる前の水が25℃で無い状態で、人工海水を入れ比重1.023で計測し、その後25℃に温度をあわせた後に再度比重を計測すると、1.023では無くなります。つまり、この工程で生成された飼育水を水槽に入れると、生体たちが生きていく上で、正しい比重となっていない事になります。たまに、「人工海水は熱湯で溶かした方が溶けやすいから。」というお話をされる方がいるのですが、それは生体たちにとってとても危険な行為となります。

正解

飼育水を作る正しい手順は、人工海水を入れる前の水の温度が25℃になってから、人工海水を溶かす順番となります。でも、「いちいち人工海水を溶かす水の温度が25℃になるまで待っていられない。」そんな時に登場するのが塩分濃度計になります。

塩分濃度とは、1kgの水に対して塩分がどれぐらい溶け込んでいるのかを示した値で、世界の海は以下のような塩分濃度となっています。ただし、季節や海の様々な状況などにより、値は変動しますのであくまで目安値となります。

  • 北太平洋:約34.2‰
  • 南太平洋:約34.0‰
  • 北インド洋:約35.4‰
  • 南インド洋:約34.8‰
  • 北大西洋:35.4‰
  • 南大西洋:35.3‰

例えば、厳密にはインド洋に生息するニシキヤッコと、太平洋に生息するニシキヤッコが普段生活している海域の海の塩分濃度は異なる事になります。海水魚に限らず、珊瑚イソギンチャクについても、同じ事がいえます。

よくサンゴの飼育は、比重1.025付近で飼育した方が調子がよいというようなことを聞いたりもするのですが、正確には、その生体が生息していた海域の比重を再現させてあげることが、もっとも適しているという内容になってくるかと思います。

比重と塩分濃度の違いについては、「比重計、塩分濃度計の特徴、選定について」にて、もう少し詳しく解説しています。

飼育水作りにおける浄水器の利用について

「浄水器って何がいいの?」と思う方が特に初心者の方だと多いと思います。海水魚、珊瑚、イソギンチャクを長期飼育するのであれば、浄水器は欠かせない機材だと私たちは思っています。水道水には、厚生労働省が定める水質基準項目と基準値に記載がある通り、人間の飲料用の基準を満たしながら、様々な物質が目に見えない形で溶け込んでいます。また、家庭の蛇口まで水がやってくるまでには、さび付いた水道管も経由しながら、やってくるため、珊瑚やイソギンチャクの飼育にふさわしくない重金属系の物質も少なからず溶け込んでいる可能性もあります。実際に、水道水の水の亜硝酸塩や硝酸塩を計測してみると、試験紙や試薬は、シッカリと検知の反応を示します。

水道水をカルキ抜きして利用しても、水道水に含まれる海水魚、珊瑚、イソギンチャク飼育にとって好ましくない物質の除去は不可能です。

RO浄水器を利用し、純水を生成し、そこに人工海水の素を入れる事によって、海水魚、珊瑚、イソギンチャクを飼育する上で最適な飼育水が生成されます。また、水道水をそのまま利用するという事は、苔の発生原因となる元素を水換えをしながら、更に注いでいる事にもなります。

浄水器については、「アクアリウム用浄水器の特徴、選定について」で更に詳しく説明を行っています。

水合わせ

水合わせを行う場面は以下の2つです。

  • 購入してきた生体を水槽内に移す前。
  • 水換えした後の水槽に生体たちを戻す前。

新しく追加する生体の水あわせ

水槽内に新しく生体を追加するための手順は、以下の通りとなります。

工程1:温度合わせ

ショップで購入した袋ごと、水槽内に浮かべてそのまま30分~1時間かけて温度あわせを行います。

工程2:バケツへの生体分け

温度あわせが終わったら、生体が入っているビニール袋をバケツの中で破き、バケツの中に、生体とショップの飼育水をそのまま入れます。

関連記事:水替え用バケツやタライの特徴、選定について

工程3:水合わせ

水槽内の飼育水を新しく追加する生体が入っているバケツに、水合わせキットなどを利用して点滴方式で垂らしてあげ、バケツの中の海水がショップの海水と混ざるような状態で、ショップの飼育水の2/3ほど、水槽内の水を点滴方式で入れてあげます。

工程4:水槽投入

水合わせが終わったら、バケツの中から生体を長めのゴム手袋を利用して救い上げ、メイン水槽内に入れてあげます。網のネットを利用すると、生体のヒレやエラ付近が網の目に引っかかってしまい生体に対してストレスを与えてしまうことから、私たちはゴム手袋を利用するようにしています。

人間の体温は36度前後です。生体は25℃前後の水温で生きています。そのまま素手で生体に触れると、10度以上の温度差を生体に対して与えてしまう事になるため、極力ゴム手袋を利用するようにしています。

上記工程は、海水魚、珊瑚、イソギンチャク、エビなど全ての生体の新規追加時に行うようにしています。唯一水あわせを行っていないのは、マガキガイぐらいです。

水換え後の水あわせ

水槽をリセットなど行う際に、水槽内の生体を全てバケツ内に移し、水換え後にメイン水槽内に生体を戻す際にも、以下の手順を行うようにしています。

工程1:水合わせ

水換え後のメイン水槽の海水をバケツ入った生体に対して、水合わせキットを利用して点滴方式で移していきます。

工程2:水槽投入

バケツの中の水に対して、新しく生成したメイン水槽内の海水が半分以上浸ったら、ゴム手袋を利用してバケツ内の生体を一匹ずつ捕まえてメイン水槽へと戻していきます。

水作りに水合わせ。意外と簡単に見えて、ひと手間かかるところです。生体が最も命を落としやすいポイントでもあるので、正確にシッカリと対応してあげる事がとても大切です。

以上が水あわせの手順となります。

水槽立ち上げ時

特に初心者の方は、水槽立ち上げ時の水あわせが必要となってきます。水槽を新規で立ち上げる際の立ち上げ手順については、以下のページにまとめています。

関連記事:初心者向け、海水魚飼育における水槽の立ち上げ手順

海水魚の種類と飼育方法

人気のクマノミやヤッコ、初心者におすすめのハナゴイやハナダイなど、海水魚の種類や飼育方法については、以下のページでご紹介しています。

関連記事:海水魚の飼育方法について

海水魚飼育に必要な機材

海水魚を状態よく飼育するためには、殺菌灯、プロテインスキマー、クーラーなどが必要となってきます。海水魚飼育の際に必要な機材について、以下のページでご紹介しています。

関連記事:海水魚飼育に必要な飼育機材について

飼育方法

飼育機材

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