初心者向けオーバーフロー水槽、外部濾過水槽
海水魚、珊瑚、イソギンチャクの飼育は、海の中の生き物である事から、どの生体も飼育する事はできたとしても、長期飼育する事が難しく、初心者向けのオーバーフロー水槽、外部濾過水槽としてご紹介してしまってよいのか、愛好家の立場で悩ましいところであるのですが、海の中の生物を家庭の水槽で飼育してみたいと思う方のために、初心者向けの水槽としてご紹介させていただきます。
目次
初心者向け水槽の定義
初心者向けの水槽として以下のように定義してみました。
- 外部濾過水槽で、とにかく安く始めたい方におすすめのセット商品
- 業界最安値のオーバーフロー水槽
- 価格の安さと見た目にこだわったオーバーフロー水槽
- 価格の安さではなく、生体の長期飼育にこだわったオーバーフロー水槽
海水魚飼育用の外部濾過水槽セット
アクアリウムネット通販大手のチャームからは、初心者向けに外部濾過水槽と飼育キットがセットになった商品が販売されています。セットの構成は大きく分けて、以下の3種類に分かれます。
- 1万円台の外部濾過水槽セット:ライブロック、生体、水槽用クーラーが含まれていない飼育セットになります。
- 2万円、5万円台の外部濾過水槽セット:水槽サイズが1万円台よりも大きく、ライブロック、生体が含まれていない飼育セット。5万円台には水槽用クーラーが含まれています。
- 3万円、7万円台の外部濾過水槽セット:ライブロック、生体が含まれている飼育セット。7万円台には水槽用クーラーが含まれています。
カクレクマノミ飼育専用小型水槽
まずは試しに初心者の方でクマノミ飼育を始めてみたい方用の小型水槽です。3月ぐらいから、水温が25度を越える日が出てきますので、クーラーがセットになった水槽がおすすめです。
カクレクマノミ飼育専用オーバーフロー水槽
カクレクマノミの飼育とあわせ、イソギンチャクや珊瑚、その他の海水魚なども本格的に飼育をしてみたいと思う方におすすめな本格的な水槽セットです。
2万円、5万円台の外部濾過水槽セット
2万円、5万円台の外部濾過水槽セットは、水槽のサイズが横30cm、奥行30cm、高さ40cmと、1万円の水槽セットと比較すると、水槽サイズが大きくなっています。2万円台の水槽セットには、水槽用クーラーが含まれていません。5万円台の水槽セットには、クーラーが含まれています。
- オールガラス水槽:サイズ(約):W30×D30×H40cm
- バックスクリーン
- 外部フィルター(水槽内の汚れを取る濾過槽)
- 照明
- ヒーター
- 人工海水
- 底床
- 調整剤/バクテリア
- エサ
- 比重計
2万円台の外部濾過水槽セット
5万円台の外部濾過水槽セット
2万円台の外部濾過水槽セット(おまけ付き)
5万円台の外部濾過水槽セット(おまけ付き)
3万円、7万円台の外部濾過水槽セット
3万円、7万円台の外部濾過水槽セットは、水槽のサイズが横30cm、奥行30cm、高さ40cmです。ライブロックと、生体も含まれたセット内容になっています。3万円台の水槽セットには、水槽用クーラーが含まれていません。7万円台のセットには水槽用クーラーが含まれています。
- オールガラス水槽:サイズ(約):W30×D30×H40cm
- バックスクリーン
- 外部フィルター(水槽内の汚れを取る濾過槽)
- 照明
- ヒーター
- 人工海水
- 底床
- 調整剤/バクテリア
- エサ
- 比重計
- ライブロック(水質浄化、レイアウトに活躍する岩)
- カクレクマノミ3匹セット
3万円台の外部濾過水槽セット
7万円台の外部濾過水槽セット
安さにこだわったオーバーフロー水槽
オーバーフロー水槽は、どんなに安くても10万円以下で購入できる事はほとんどありません。安くても10万円台、高額な特注オーバーフロー水槽になると数客万円台というオーバーフロー水槽も存在します。オーバーフロー水槽は、強度が重要となるため、大型の水槽になればなるほど、ガラス面を接合する部分の加工や、重たい重量の水槽を支えるためのキャビネットの加工等にも手間がかかることから、価格が跳ね上がっていきます。
3万円台のオーバーフロー水槽(クロミス350キューブ)
「初心者なので、まずはとにかく価格を抑えたい。」とお考えの方は、チャームのオーバーフロー水槽から始めるのがおすすめです。チャームのオーバーフロー水槽には、3万円台のオーバーフロー水槽(クロミス350キューブ)が存在します。
3万円台のオーバーフロー水槽は、業界最安値になります。最安値といえども、作りは本格的なオーバーフロー水槽です。キャビネットに扉が無いため、メイン水槽から濾過槽へ落下する海水の跳ねる音が気になる可能性があります。
少しでも音を減らすためには、キャビネットを板などで覆う必要があります。気の板でなくてもカットしやすいプラスチックの板でもよいかと思います。ただし、鉄の板は、塩だれ等で錆びる可能性がありますので避けた方がよいです。
メイン水槽、濾過槽、キャビネット、フロー管がセットになっています。本水槽セットにはポンプが付属していないため、別途ポンプを準備する必要があります。
ポンプの選定基準は以下の通りとなります。
ポンプの選定基準
淡水魚及び一般的な海水魚を飼育する場合
毎時500(毎分8)リットル程度のポンプが必要となります。エーハイム1048もしくは、リオプラス800が推奨ポンプとなります。
エーハイム1048
リオプラス800
ソフトコーラル及びLPS(オオバナ・ナガレハナサンゴ等)を飼育する場合
毎時1,000(毎分17)リットル程度のポンプが必要となります。エーハイム1250もしくは、リオプラス1100が推奨ポンプとなります。
エーハイム1250
リオプラス1100
SPS(ミドリイシ等)を飼育する場合
毎時1,500(毎分25)リットル程度のポンプが必要となります。リオプラス1400が推奨ポンプとなります。
リオプラス1400
とにかく安くオーバーフロー水槽を始めたい方は、クロミス350キューブをご検討してみてはいかがでしょうか。
デザインと安さにこだわったオーバーフロー水槽を選定する
クマノミ、イソギンチャク、海水魚、珊瑚を飼育したいとお考えの主に初心者の方におすすめの小型オーバーフロー水槽セットのご紹介です。このオーバーフロー水槽は、縦横高さが30センチと、数あるオーバーフロー水槽セット商品の中でも特に小型のオーバーフロー水槽セットになります。
ほとんどのオーバーフロー水槽セットが10万円以上する中、10万円以下の価格で存在する本格的なオーバーフロー水槽セットはなかなかありません。
場所を取らず安価に設置することができ、しかも水槽、サンプ(ろ過槽)、キャビネット全てが国産のオーバーフロー水槽セットなので安心です。
初心者はチャームがおすすめ
チャームのオーバーフロー水槽セットは、初心者を意識した以下の特徴があります。
- 価格が安い
- 国産だから安心
- 30センチから小型のオーバーフロー水槽セットがある
- ポンプもセットに含まれている
- 初心者を意識したシンプルな作りのため組立が簡単
- 通販で北海道から沖縄まで注文が可能
- キャビネットが組立済み
- 届いたその日のうちに設置ができる
30センチオーバーフロー水槽セットの特徴
チャームのオーバーフロー水槽セットにはポンプも含まれるため、オーバーフロー水槽が届いたその日に水槽内に水を張って、オーバーフロー水槽を開始することができるのが魅力的です。しかも初心者を意識したとってもシンプルな作りになっているため、女性の方でも簡単に組み立て可能で、マリンアクアリウムを楽しむことができます。
チャームのオリジナルオーバーフロー水槽の中で最も小型のタイプとなるのが30センチキューブタイプになります。30センチの正方形をした水槽なので、場所を取る事も無く、狭いスペースでもオーバーフロー水槽を設置することができます。注意点としては、サンプ(濾過槽)を全面扉から出し入れすることが出来ない点です。設置を行う際には、キャビネットの背面からサンプ(濾過槽)を入れる必要があります。オーバーフロー水槽なので、一度設置してしまえば動かす事はあまり無いので、大きな問題では無いと思います。気になるとしたら、水槽内を全て初期状態に戻し、リセットを行いたいと思った際には、水槽内のものを全て取り出した後に、キャビネット背面からサンプ(濾過槽)を取り出す必要があるという点です。
30キューブタイプオーバーフロー水槽の仕様
水槽仕様
チャームの30キューブタイプのオーバーフロー水槽は、メイン水槽の高さが30センチと、45センチの2種類に分かれます。なるべく小さい水槽を希望する場合は、高さ30センチの水槽がおすすめです。少しでも水槽内の海水の量を増やして水質を安定させたいですとか、高さのある水槽で、レイアウトをカッコよく組み上げたい場合は、高さ45センチの水槽がおすすめです。
幅300×奥行300×高さ300mmタイプの場合
サイズ(約) | 幅300×奥行300×高さ300mm |
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水容量(約) | 24リットル |
材質 | ガラス |
厚さ(約) | 5mm |
三重管(給排水管)外径(約) | 60mm |
排水パイプ | VP30 |
給水パイプ | VP13 |
幅300×奥行300×高さ450mmタイプの場合
サイズ(約) | 幅300×奥行300×高さ450mm |
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水容量(約) | 36リットル |
材質 | ガラス |
厚さ(約) | 5mm |
三重管(給排水管)外径(約) | 60mm |
排水パイプ | VP30 |
給水パイプ | VP13 |
サンプ(濾過槽)仕様
全寸(約) | 幅240×奥行170×高さ440mm |
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ウールボックス | 幅120×奥行170×高さ150mm |
ろ過槽 | 幅115×奥行170×高さ300mm(底面槽30mm含む) |
ポンプエリア | 幅120×奥行170×高さ300mm(底面槽30mm含む) |
水容量(約) | 10リットル |
ろ過容積(約) | 4リットル |
材質 | アクリル |
厚さ(約) | 3mm |
キャビネット仕様
外寸(約) | 幅302×奥行302×高さ700mm |
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内寸(約) | 幅255×奥行273×高さ610mm(間口高さ545mm) |
オーバフロー穴 | 直径100mm |
カラー | ホワイトまたはブラック |
付属品
カミハタ Rio+(リオプラス) 1100 | 濾過槽内に設置する海水循環ポンプ |
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塩ビTS継手ソケット30A | 排水パイプ継ぎ足し用 |
プレッシャーホース15/22 | ポンプ~給水パイプ接続用 |
ホースバンドLL19~25mm | ポンプ~給水パイプ接続ホース固定用 |
ハイパーウールパッド 上部フィルター用600 | ウールボックス設置用 |
30センチオーバーフロー水槽セット商品一覧
30センチオーバーフロー水槽セットは、キャビネットの色をホワイト、ブラックから選択できます。また、東日本でご利用される方は50Hz、西日本でご利用される方は60Hzの周波数を選択する必要があります。各商品をクリックすると、更に商品詳細をチャーム本店で確認することができます。
東日本用
30キューブタイプ(メイン水槽の高さが30cm)
30キューブHタイプ(メイン水槽の高さが45cm)
西日本用
30キューブタイプ(メイン水槽の高さが30cm)
30キューブHタイプ(メイン水槽の高さが45cm)
生体の長期飼育にこだわったオーバーフロー水槽
初心者向けで、生体の長期飼育を考慮したオーバーフロー水槽が、コーラルラボのオリジナルオーバーフロー水槽の「 Labo-Rium60 」です。今までメダカしか飼育をしたことがなかった初心者の方でも、いきなり飼育が難しいとされるミドリイシの飼育ができてしまうオーバーフロー水槽です。
初心者でもいきなり飼育が難しいとされるミドリイシなどの飼育が出来てしまう理由は、水槽内でサンゴや生体たちが生きていくために必要な元素をトリトンシステムを利用する事によって、定期的に自動で水槽内に添加させていく事によって、生体たちが常に安定して飼育ができる環境を作り出す事ができる優れたオーバーフロー水槽です。
海水魚、珊瑚、イソギンチャクを長期飼育するためには、生体たちが常に安定して生活できる環境を水槽内に作り出す必要があり、コーラルラボのオリジナルオーバーフロー水槽の「 Labo-Rium60 」は、それを簡単に実現できるオーバーフロー水槽システムです。
コーラルラボ オリジナルオーバーフロー水槽「 Labo-Rium60 」の詳細を確認する
初心者がオーバーフロー水槽で失敗する事
私自身が、実際にオーバーフロー水槽を初めて購入した際に起こした失敗談です。オーバーフロー水槽の最も怖いのが水漏れです。通常の家具を組み立てる感覚でオーバーフロー水槽を組み立ててしまうと、必ずといっていいほど水漏れを起こします。特に仕事で家を空けることが多い人は、オーバーフロー水槽の設置には気を付けた方がよいです。
オーバーフロー水槽で最も怖い水漏れ
オーバーフロー水槽は、通常の水槽と異なり、メイン水槽と濾過槽が離れている事から、インターネット通販で購入し、自ら組み立てる際には、オーバーフロー水槽用の塩ビ配管パーツを自ら組み立てていかなくてはなりません。
家具やプラモデルを組み立てるような感覚で組み上げてしまうと、必ずといっていいほど、塩ビパーツの配管結合部分から、水漏れが発生します。
オーバーフロー水槽配管の水漏れ対策
配管の結合はきっりち行う
とにかくこれでもかっと思うぐらいキッチリきつく配管結合を行います。オーバーフロー水槽の配管結合には、塩ビ専用の接着剤(タフダイン)が販売されていますので、オーバーフロー水槽購入時の付属に接着剤が無い場合は、塩ビ配管専用の接着剤を利用して配管を行うようにします。
配管の結合部分にはシールテープを利用する
塩ビの配管と配管を結合する部分にシールテープを利用すると、水漏れを更に回避する事ができます。水漏れが心配な方は、シールテープを併用して利用する事をおすすめします。
海水を作る前に真水で水漏れ試験を行う
水槽設置した誰もが早く水を張って生体飼育をしたいと思う事なのですが、設置したオーバーフロー水槽が水漏れを起こしてしまった場合には、配管結合部分の水漏れを修復させるために、一度オーバーフロー水槽をばらさなくてはなりません。ばらさないといけないという事は、オーバーフロー水槽の中に入れた海水を全て捨てなくてはなりません。人工海水がもったいないので、オーバーフロー水槽に初めて水を入れる際には、人工海水では無く、水道水で真水を入れ、一晩オーバーフロー水槽を作動さえて、水漏れが無いことができてから人工海水で作った海水を入れるのが安心です。
水槽用ヒーターでの火傷や火災
水漏れと同じく怖いのが、水槽用ヒーターの扱いです。水槽用ヒーターは水槽内の水温を25℃に保つために使う器具ですが、電源コンセントが刺さったままで水槽の外に出してしまうと、高温で火災が発生してしまったり、高温の水槽用ヒーターに触れてしまうと火傷を起こしてしまうなどの危険性があります。
特に怖いのが、濾過槽内に水槽用ヒーターを入れ、水を張る前に電源を入れてしまった場合です。水槽内に水が無いと、ヒーターはどんどんと高温になり、やがて濾過槽のアクリルを溶かしてしまい、せっかく購入した高額のオーバーフロー水槽が利用できなくなってしまいます。
水槽用ヒーターは、必ず海水を張った濾過槽内で利用し、決して外に出したままで電源コンセントに差し込まないように気を付けましょう。
万が一に備えた損害保険
インターネット上には、無料で保険の相談にのってくれる窓口があるので、水漏れ対策用に損害保険への入会検討や、万が一水漏れや火災などで損害賠償となってしまった場合については、無料で専門の法律家を案内してくれる無料相談サポートを活用するのがおすすめです。
「初心者向けオーバーフロー水槽、外部濾過水槽」についてのご紹介は、以上となります。次に「オーバーフロー水槽飼育に必要な機材」についてご紹介いたします。
オーバーフロー水槽のメリット、デメリット
海水魚、珊瑚、イソギンチャク飼育に最適とされるオーバーフロー水槽ですが、メリットもあれば、デメリットもあります。オーバーフロー水槽には、様々な商品がありますが、厳密には同じオーバーフロー水槽であっても、各製品ごとにメリット、デメリットもあります。本ページでは、オーバーフロー水槽全般におけるメリットとデメリットについてまとめていきたいと思います。
オーバーフロー水槽比較
海水魚、珊瑚、イソギンチャク飼育を行う上でおすすめなオーバーフロー水槽を一覧で、比較しやすいように以下のページでまとめています。
マリンアクアリウムの飼育機材、用品
海水魚、珊瑚、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)を飼育するにあたり、飼育する生体の種類によって、必要となる環境が異なってきます。特に初心者の方は、「どんな機材を揃えばよいのかわからない。」と思う方が多いかと思います。海水魚、珊瑚、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育を行う場合で必要となってくる飼育機材や用品、リフジウム水槽などについて飼育する生体のジャンル別に、以下のページでまとめています。
マリンアクアリウム飼育方法
海水魚、珊瑚(ソフトコーラル、ハードコーラル)、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育方法について、以下のページでそれぞれまとめています。
マリンアクアリウム飼育機材
海水魚、珊瑚(ソフトコーラル、ハードコーラル)、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育に必要な機材や用品などについて、以下のページでそれぞれまとめています。