オーバーフロー水槽飼育に必要な機材
オーバーフロー水槽で海水魚、珊瑚、イソギンチャク飼育を行う際に必要となる主な器材類は、以下の通りとなります。照明、メイン水槽、水槽台(水槽キャビネット)、フロー管(配管類)、濾過槽、ヒーター、ウールマットボックス、濾材、プロテインスキーマ―、カルシウムリアクター、ポンプ、殺菌灯、クーラー、コンパネ、水漏れ対策シートなどの機材や用品などが必要となってきます。それぞれの機材や用品についてご説明いたします。
- 1 照明
- 2 メイン水槽
- 3 水槽台(水槽キャビネット)
- 4 フロー管(配管類)
- 5 濾過槽
- 6 ヒーター
- 7 ウールマットボックス
- 8 濾材
- 9 プロテインスキーマ―
- 10 カルシウムリアクター
- 11 ポンプ
- 12 殺菌灯
- 13 クーラー
- 14 コンパネ
- 15 水漏れ対策シート
海水魚の飼育、珊瑚の飼育、イソギンチャク、マリンプランツの飼育については、それぞれ以下のページでまとめています。機材を選定するのとあわせて、それぞれの飼育方法について知りたい場合は、以下のページをご覧ください。
また、海水魚、珊瑚、イソギンチャク、マリンプランツの飼育別に必要となってくる機材や用品については、以下のページでまとめています。
目次
照明の選定
珊瑚やイソギンチャクの飼育を行うのであれば、メタルハライドランプ(メタハラ)を利用した方が状態よく飼育できます(これは私の実体験を通じての記載なので、他の方は違った意見もあるかもしれません)。海水魚だけや、マリンプランツ(海藻・海草)の飼育であれば、LEDライトでも十分飼育が可能です。
メイン水槽の選定
メイン水槽は大きく分けて、ガラス水槽とアクリル水槽に分かれます。
それぞれの特徴は以下の通りです。
ガラス水槽の特徴
メリット
- 見た目がクリアで綺麗。
デメリット
- 長年利用しているとガラスとガラスの接合面のシリコンが弱ってくるため強度に問題があるため、販売店とシッカリと相談を行いながら購入することをおすすめいたします。
- 重量がかなり重たい。
アクリル水槽水槽の特徴
メリット
- 水槽結合部分の強度が高く水漏れの心配が無い。
- ガラス水槽と比較すると軽いため移動が楽。
デメリット
- アクリル面に傷がつきやすい(ただし磨いて綺麗にすることも可能)。
水槽台(キャビネット)
水槽台の種類には、木製でデザイン性にも優れたキャビネットと、デザイン性は劣るアングル型に大きく2種類に分かれます。
耐久性については、国内で販売されているキャビネットについては問題無いと思います。
キャビネットの選定の際には、多くの方々がデザイン性を重視されると思うのですが、10年単位でオーバーフロー水槽を回してきて感じるのがメンテナンスがしやすいか?というのが一番重要になってきます。
生体飼育において、一番視野に入るのはメイン水槽部分になりますが、生体維持にかかせない心臓部分は、水槽のキャビネット内に全て集約されてきます。
キャビネットの間に強度を保つ板があると、メンテナンスで濾過槽内のプロテインスキマーや、濾材等を取り出してメンテナンスしようとすると、邪魔でメンテナンスがし辛いです。
逆にキャビネットの間に強度を保つ板が無いと、とっても濾過槽無いのメンテナンスが楽です。
また、写真の通り、フレームだけのアングル台は、濾過槽内を広く使えるので、大きな濾過槽を設置できるというメリットもあります。
リビングに配置した際にデザインを考慮する方は、木製キャビネット。メンテナンス重視で初期コストを抑えたいと思う場合は、フレームだけのアングル台がおすすめです。
フロー管(配管類)
配管類は、オーバーフロー水槽セットであれば必要な配管は含まれているので説明書の通り接続していけば、どなたでも(女性でも)簡単に配管可能です。
ただし、一番気にしないといけないのは、配管結合部分の水漏れです。配管をご自身で実施される際には、「これでもかっ!」と感じるほどシッカリと結合される事をおすすめいたします。
スプラッシュさん、コーラルラボさん、珊瑚堂さんにご相談すれば、オーバーフロー水槽の配管、設置を専門に行っているプロの業者を紹介してくれるので、「配管には自信が無い。」と感じたら、各ショップさんに早めに相談するのがおすすめです。
濾過槽
濾過槽はとにかく広い方がおすすめです。広ければ内部にプロテインスキマーを入れたり、海藻を入れたリフジウム水槽も運用することができます。
ただし、クーラー、カルシウムリアクター、殺菌灯などをキャビネット内に配置したい場合は、これら器材が配置できるスペースが必要となってきますので、キャビネットにピッタリおさまった濾過槽を注文してしまうと、周辺機器類が入らない事態に陥ってしまいます。
逆に濾過槽はとにかく広く使いたいという場合は、キャビネットいっぱいに濾過槽の寸法を取り、濾過槽無いに水中ポンプを入れてしまい、周辺器材は全てキャビネットの外に出して配管を行うことも可能です。
我が家では以下のように、メイン水槽下部の濾過槽は、キャビネットいっぱいに確保して、周辺器材は全て配管で外に出して管理を行っています。
濾過槽は広くしておいた方が、生体にとっても、メンテナンスのしやすさにとってもおすすめです。
ヒーター
水槽内の温度が下がる冬場はヒーターは必須です。水槽サイズや水量によって、適切なヒーターのサイズが変わってきます。水槽に対して、小さ目のヒーターを選定してしまうと、冬場なかなか水槽内の温度が上がらず生体たちがダメージを受けてしまったり、いつまでも高熱なヒーターが稼働し続けてしまうことになってしまいます。
ヒーターは適切なサイズ。もしくはワンランク上のヒーターを導入するのがおすすめです。
ウールマットボックス
オーバーフロー水槽セットを購入すれば、ウールマットボックスはセットになって付いてきます。メーカーや店舗のオリジナルオーバーフロー水槽セットの内容によっても、ウールボックスの形状が変わってきます。
個人的には、スプラッシュさんのウールマットボックスが好きです。
ウールマットボックスは、メイン水槽から落下してくるゴミや汚れを受け止めるウールマットを配置する場所になります。
ウールマットは、切り売りよりも大きなサイズで自分でちぎって使うタイプを選定した方がコストを抑えて、長く利用することができます。
濾材
濾材は、濾過槽無いでバクテリアを繁殖させ、水槽内の汚れを分解してくれる役割があります。ボール型の形状のものや、大き目の珊瑚の破片なども濾材の役割をします。
濾過槽無いに濾材を入れるボックスが無い場合は、濾材を入れるネットなども販売されているので、ネットでまとめて濾過槽内に入れるのがおすすめです。
私は濾過槽内に濾材を沢山入れすぎると、水の流れが滞留してしまう場所が生まれ、そこにデトリタスなどの汚れが蓄積してしまうことから、あまり多く入れすぎないようにしています。
プロテインスキーマー
プロテインスキマーは、目に見えないような微粒な汚れ(海水魚の糞、珊瑚、イソギンチャクの排泄物)を細かい泡で取り除くための機材です。海水魚、珊瑚、イソギンチャク飼育には必須の器材です。水槽のサイズによって、適切なサイズがありますので、小さすぎず、大きすぎず、適切なサイズのプロテインスキマーを選定する必要があります。
カルシウムリアクター
添加剤でカルシウムを水槽内で補う際には、カルシウムリアクターは不要ですが、珊瑚やイソギンチャク、特にハードコーラルの飼育を行う際にはカルシウムリアクターを導入した方がおすすめです。
カルシウムリアクターも水槽の大きさによって適切なサイズがありますので、選定の際には販売店と相談しながら導入することをおすすめいたします。
ポンプ
ポンプは、濾過槽内の海水をメイン水槽側に戻す役割を果たす重要なアイテムです。濾過槽内の水に入れて使用する水中型と、濾過槽の外に出して使用する外置き型の2種類に大きく分かれてきます。
オーバーフロー水槽セットの場合は、水槽サイズにあったポンプが付属してきます。個別にポンプを購入する場合は、使用用途を満たす適切なサイズのポンプを選定する必要があります。
殺菌灯
白点病予防にもなる殺菌灯は、海水魚を飼育する場合はあった方がよいアイテムです。こちらも水槽のサイズによって、殺菌灯のスペックが変わってきますので、水槽サイズにあった殺菌灯を選定する必要があります。
浄水器
浄水器は、海水魚、珊瑚、イソギンチャクを長期飼育しようと思った場合には欠かせないアイテムです。水道水に含まれた苔の発生や魚の病気の原因ともなる亜硝酸塩や硝酸塩を除去し、生体飼育に適した水を作ることができます。
人工海水
人工海水は、メーカーから様々な種類が発売されています。海水魚、珊瑚、イソギンチャク飼育に適した人工海水はどれか?を見極めた上で選定するのがおすすめです。
水槽用クーラー
クーラーは海水魚、珊瑚飼育において、必ず必要な器材です。水槽サイズによって、適切なサイズを選定する必要があります。水量に対してスペックが低いクーラーを選定してしまうと、夏の猛暑日は、一日中、毎日クーラーが稼働し、クーラーの故障で水槽内の温度が上昇、水槽崩壊になってしまったり、電気代が高くついてしまうような場合もあります。
必ず水槽サイズにあったクーラーを選定する必要があります。
コンパネ
オーバーフロー水槽のキャビネットの下にコンパネ(板)を敷いておくと、オーバーフロー水槽の重みが床に伝わる際の力を分散させることができます。
コンパネはなくても問題ありませんが、リビングの床だと床暖房に余計な力が働いて上手く動作しなくなりそうで心配なため、私のオーバーフロー水槽ではコンパネを敷いています。
水漏れ対策シートについて
オーバーフロー水槽の設置場所の床が、フローリングだった場合、海水がフローリングに垂れるととっても傷んでしまいます。長年飼育していると、床に垂れた海水の影響でフローリングがボロボロに剥がれてきてしまいます。
フローリングを守るためにも、防水マットをコンパネの下に敷いておくと安心です。
電源タップ
オーバーフロー水槽では、主に以下のような場所で電源が必要となってくるため、電源タップが必須となってきます。
- メインポンプ
- 水中ポンプ(パワーヘッド)
- 照明
- クーラー
- ヒーター
- 殺菌灯
- カルシウムリアクター(ポンプ)
- プロテインスキマー(ポンプ)
「オーバーフロー水槽飼育に必要な機材」についてのご紹介は、以上となります。次に「オーバーフロー水槽を選ぶならセットがおすすめ」についてご紹介いたします。
オーバーフロー水槽比較
海水魚、珊瑚、イソギンチャク飼育を行う上でおすすめなオーバーフロー水槽を一覧で、比較しやすいように以下のページでまとめています。
マリンアクアリウムの飼育機材、用品
海水魚、珊瑚、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)を飼育するにあたり、飼育する生体の種類によって、必要となる環境が異なってきます。特に初心者の方は、「どんな機材を揃えばよいのかわからない。」と思う方が多いかと思います。海水魚、珊瑚、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育を行う場合で必要となってくる飼育機材や用品、リフジウム水槽などについて飼育する生体のジャンル別に、以下のページでまとめています。
マリンアクアリウム飼育方法
海水魚、珊瑚(ソフトコーラル、ハードコーラル)、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育方法について、以下のページでそれぞれまとめています。
マリンアクアリウム飼育機材
海水魚、珊瑚(ソフトコーラル、ハードコーラル)、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育に必要な機材や用品などについて、以下のページでそれぞれまとめています。