コハナガタサンゴの飼育について

水槽で飼育中のコハナガタサンゴのレッド個体

水槽で飼育中のコハナガタサンゴのレッド個体

コハナガタは主にインドネシア便で便で入荷するハードコーラルの仲間です。透明感のあるサンゴの共肉が特徴的で、グリーン、赤、ピンク、オレンジなどカラーバリエーションが豊富です。特にオレンジやピンクで、透明感のある個体は、他のサンゴには無い独特の美しさがあります。

コハナガタサンゴについて

英語、学名について

コハナガタの学名は”Cynarina lacrymalis”です。

飼育方法

水槽で飼育中のコハナガタサンゴのグリーン個体

水槽で飼育中のコハナガタサンゴのグリーン個体

水槽で飼育中のコハナガタサンゴのピンク個体

水槽で飼育中のコハナガタサンゴのピンク個体

コハナガタは、LED、蛍光灯でも飼育ができるハードコーラルの仲間です。LED、蛍光灯の多灯で長期飼育を行っているアクアリストがいます。私はコハナガタを含むサンゴ飼育は極力メタハラを利用して飼育するようにしています。また、コハナガタサンゴ、ハナガタサンゴアザミハナガタサンゴコスコリミアの飼育においては、極力餌を与えながら飼育を行うようにしています。

私がコハナガタの飼育において与えている餌は、LPS専用の粒餌として販売されているLPS GROW + COLORです。紙コップやプラスチックのコップにLPS GROW + COLORを適量入れ、水槽の海水をスポイトで吸い取って、コップに入ったLPS GROW + COLORに海水をかけてから、LPS GROW + COLORと一緒に、コップに入った海水をスポイトで吸い上げ、コハナガタにふりかけるようにして与えます。

餌を与える時間帯

コハナガタは、照明の光が消えた夜中によく触手を開きます。昼間に餌を与えてもコハナガタは開いて餌を捕食するのですが、海水魚がLPS GROW + COLORを食べてしまう事があるのと、自然とコハナガタが触手を開く深夜に餌を与えるようにしています。

餌を与える時の注意点

コハナガタに餌を与える際には、餌が水流で流されないように、パワーヘッドの水流を止めて、与えた方がコハナガタに餌が行きわたります。なお、コハナガタが触手で餌を掴んですぐにパワーヘッドを動作させてしまうと、餌が流れてしまう可能性があるので、触手で捕まえられた餌をコハナガタが給餌した事を確認してから、パワーヘッドを動作させるようにしています。

水流

強めがよい、弱めがよい、ランダムがよいなど特にありません。水槽サイズにあったパワーヘッドを設置し、適度に水流を作るのがおすすめです。コハナガタに直接水流が当たると、弱ってしまう場合があるので、パワーヘッドを設置して水流を作る際には、ガラス側面にあたって跳ね返った水流が、コハナガタにあたるぐらいの勢いがちょうどよいです。ちなみにコハナガタを数多く販売しているスプラッシュでは、コハナガタ飼育、販売水槽には一切パワーヘッドを設置していません。オーバーフロー水槽からの水流のみで、十分状態よく飼育ができています。

照明

LED、蛍光灯でも飼育は可能ですが、状態よく長期飼育するには、メタハラがあった方がよいと思います。光量が少なくても飼育可能とよく言われますが、コハナガタは自然界で太陽の光を受けて成長しながら生活しています。少しでも太陽光の波長に近い照明を取り付けるように意識しています。

水槽サイズ

水量は多いほど生体にはよいので、オーバーフロー水槽がおすすめです。外部フィルター、外掛け濾過など他の濾過装置でも飼育は可能です。

浄水器、人工海水

サンゴを年単位で上手く飼育している多くのアクアリストは、浄水器を利用しています。コケ対策として思われがちな浄水器ですが、水道水には人間が飲料するために、浄水場で洗浄された成分や、水道管の中に含まれる金属系の成分が含まれている場合があります。浄水器を利用し、純水を作り出し、純水に人工海水を溶かして飼育水を作ることによって、より海水魚や、サンゴの飼育に適した飼育水を作り出す事ができます。

水質

どのようなサンゴ飼育においても、飼育水を綺麗で新鮮な状態に保つ事はとても大切な事です。浄水器人工海水を利用した方が、サンゴは状態よく長期飼育する事ができます。硝酸塩濃度が高い水槽でコハナガタを飼育していると、やがて弱り共肉が剥がれて、骨格だけになってしまいます。

ひっくり返さない

他のハードコーラルもそうですが、ライブロックから転げ落ちて水槽内にサンゴがひっくりかえり、長期間放置してしまった場合、コハナガタの調子が崩れてしまう場合が多いです。サンゴがひっくりかえらないように、サンゴの配置がし易い、シッカリとしたライブロックを選定する必要があります。万が一ひっくりかえってしまった場合、ライブサンドがコハナガタに付着してしまった場合、特に状態を崩しやすい気がしているので、私の水槽は、ライブサンドを敷かない、ベアタンクを利用するようにしています。

相性

ヤッコ

ヤッコはコハナガタをよく突っつく個体が多いです。特に弱ったコハナガタは、ヤッコが突っつきやすく、ヤッコが突っつき始めると共肉が無くなり骨格だけになってしまう場合があります。

チョウチョウウオ

チョウチョウウオが泳ぐ水槽で、コハナガタを飼育するのは避けた方が無難です。チョウチョウウオにコハナガタは食べられてしまいます。

カクレクマノミ

カクレクマノミとコハナガタの相性は特に問題ないです。私の水槽では、コハナガタとカクレクマノミを年単位で飼育していますが、特に問題はありません。

イソギンチャク

イソギンチャクがコハナガタに触れない限りは、特に飼育上問題はありません。ハタゴイソギンチャクの場合は毒性がとても強いので、万が一コハナガタがハタゴイソギンチャクに触れてしまった場合には、コハナガタが溶けてしまうので、注意が必要です。

ナガレハナサンゴとの相性について

ナガレハナサンゴとコハナガタを組み合わせる場合は、ナガレハナサンゴの触手がコハナガタに触れないように注意が必要です。どちらも毒性が強いサンゴなので、触手同士の戦いが繰り広げられてしまいます。私は過去にナガレハナサンゴとコハナガタの触手が触れてしまった際に、両方のサンゴを一度に失ってしまった事があります。

飼育難易度

コハナガタの飼育難易度です。

難易度

普通:

光量

普通:

毒性

強い:

飼育環境

水換え頻度

飼育する水槽環境によって、水換えを行う頻度が異なってきます。水換え頻度については、以下のページでまとめています。
水換え頻度について

ライブロック

ライブロックは、水槽内での生物濾過を実現したり、珊瑚のレイアウトとして便利なため、水槽内にあった方がおすすめです。
ライブロックの特徴、選定

ライブサンド

ライブサンドは、水槽内での生物濾過を実現し、生体が水槽内で過ごし易い環境を作り上げることができます。ライブサンドの特徴や、水槽サイズ別に必要となるライブサンドの量について、以下のページでまとめています。
ライブロックの特徴、選定

プロテインスキマーの設置

プロテインスキマーは、ライブロック、ライブサンドで実現する生物濾過とは異なり、水槽内に溜まった目に見えるぐらいの汚れを物理的に除去するといった役割を持つため、設置した方が状態よく飼育することができます。
プロテインスキマーの特徴、選定

浄水器の設置

より海に近い環境で長期飼育を目指す場合には、水道水の不純物を取り除ける浄水器を設置するのがおすすめです。浄水器の特徴や選定については、以下のページでまとめています。
浄水器の特徴、選定

オーバーフロー水槽での飼育

水槽の水量が多いほど、急激な水槽内の環境変化から生体をまもり、状態よく飼育することができます。生体の長期飼育を目指すなら、オーバーフロー水槽での飼育がおすすめです。
オーバーフロー水槽の特徴、選定

コハナガタを飼育する上で必要な飼育環境については、以下のページにまとめています。

コハナガタの飼育に必要な飼育環境

実際の飼育環境

本ページで記載している記事は、以下の水槽スペックで実際に飼育した経験を元に記載しています。飼育環境を選定する際の参考情報としてください。

  • オーバーフロー水槽90センチオーバーフロー水槽セット
  • 照明メタハラ150W、2000ケルビン
  • プロテインスキマーHS850シリーズ
  • カルシウムリアクター外部式
  • 浄水器クロノスレイン
  • クーラーゼンスイZC-1000アルファ
  • ヒーター海水対応200W
  • ライブロック60センチ水槽分
  • ライブサンドライブサンド18リットル(9リットル×2)
  • 人工海水ヴィーソルト
  • 価格

    コハナガタは、大き目の個体だと1万円前後。小さめの個体だと5,000円前後で販売されています。詳しくは以下の通販サイトより、最新の価格をご確認ください。



    通販

    通販サイトで購入ができる価格が安いコハナガタを以下のページからご確認いただけます。該当の商品が存在しない場合は、商品が何も表示されない場合や、他の商品が表示される場合があります。

    コハナガタサンゴに関する飼育方法のご紹介は以上となります。次にアザミハナガタサンゴの飼育方法をご紹介いたします。 関連記事:アザミハナガタサンゴの飼育について

    人気のショップ


    ハードコーラルの飼育

    ハードコーラルは、ポリプが短いSPS(Small Polyp Stony)とポリプが長いLPS(Large Polyp Stony)に分類されます。SPSの代表的な珊瑚がミドリイシとなります。LPSとSPSを比較した場合、飼育が簡単とされる種類はLPSの仲間になります。SPSの中でもミドリイシを状態よく維持、成長させるためには、飼育経験と専門的な知識が必要です。ハードコーラルの仲間には毒性が強い種類が多く、水槽内で珊瑚をレイアウトする際には、珊瑚同士が接触したり、イソギンチャクが近づきすぎたりしないように注意する必要があります。また、ハードコーラルは硬い骨格を持つのが特徴なため、水槽内にカルシウムを必要とします。水槽内にカルシウムを補充する際には、添加剤もしくはカルシウムリアクターを利用して補充していきます。また特にミドリイシを飼育する際には、水道水に含まれる不純物を限りなく取り除いた状態で飼育用の海水を作る必要があるため、浄水器の設置は必須となってきます。以下のページでは、ハードコーラルの種類別に飼育方法についてご紹介していきます。

    関連記事:ハードコーラルの飼育方法について

    珊瑚の飼育機材、用品

    珊瑚は、ソフトコーラルハードコーラルの2種類に大きく分かれます。更にハードコーラルは、ポリプが短いSPS(Small Polyp Stony)とポリプが長いLPS(Large Polyp Stony)に分類されます。SPSの代表的な珊瑚がミドリイシとなります。珊瑚は、海水魚よりもデリケートな固体が多いので、急激な環境変化にストレスを受けて死んでしまうケースが多くあります。珊瑚を飼育する場合には、生体が落ち着ける環境を作り、一旦レイアウトを行ったら、いじらないことがとても大切だったりもします。

    関連記事:珊瑚の飼育について

    珊瑚飼育におすすめのオーバーフロー水槽

    珊瑚飼育におすすめなオーバーフロー水槽を30センチ、45センチ、60センチ、90センチ、120センチサイズ別に比較することができます。オーバーフロー水槽は、サイズが大きくなるにつれて、とても高額になってきます。オーバーフロー水槽が崩壊したり、水槽に付属する機材が故障すると、飼育している海水魚珊瑚イソギンチャクマリンプランツが死んでしまう可能性があるので、万が一何かトラブルが発生した際にも、サポート体制がシッカリとしている店舗で購入するのがおすすめです。インターネット通販で販売されているオーバーフロー水槽は、組み立てが簡単なので、届いたその日に水槽のセッティングを開始することができます。詳細は、以下のページでまとめています。

    関連記事:どれがおすすめ?オーバーフロー水槽比較

    マリンアクアリウム飼育方法

    海水魚珊瑚ソフトコーラルハードコーラル)、イソギンチャクマリンプランツ(海藻、海草)の飼育方法について、以下のページでそれぞれまとめています。

    イソギンチャク

    イソギンチャクの飼育

    イソギンチャクの飼育

    マリンプランツ(海藻、海草)

    マリンプランツの飼育

    マリンプランツの飼育

    マリンアクアリウム飼育機材

    海水魚珊瑚ソフトコーラルハードコーラル)、イソギンチャクマリンプランツ(海藻、海草)の飼育に必要な機材や用品などについて、以下のページでそれぞれまとめています。