海水魚で人気のヤッコの種類、飼育、餌、混泳、選定
デベリウスの情報など、まだ一部アップできていない箇所がありますが(手元に写真や情報はあります。)、小型ヤッコから大型ヤッコまで実際に長期飼育してきた経験にもとづいて、ヤッコの種類、飼育、混泳、選定についてまとめてみたいと思います。
海水魚、珊瑚、イソギンチャク飼育において、初心者の定義が機材や生体を安く入手できるという点にフォーカスされているような気がするのですが、特に生体に関しては、価格が安くても、価格が高くても同じ生体なので、生体たちにとって落ち着ける環境を準備してあげることがとても大切な事です。
目次
ヤッコを長期飼育するための環境
水槽の選定は?
水槽は広く、水量を多く確保した方がよいのでオーバーフロー水槽がおすすめです。
水の選定は?
浄水場で洗浄され、錆びた水道管を流れてくる水道水には生体飼育には適さない不純物が混ざっています。苔の発生原因や生体にとって好ましくない亜硝酸塩や硝酸塩を計測してみると、簡易的な試験紙であっても実際に水道水から検出される事を確認しています。
生体を長期飼育するアクアリストの多くが、浄水器を利用し水道水から限りなく不純物を取り除いたRO水(純水)を生成し利用しています。
人工海水の選定は?
マリンアクアリウムにおける生体の多くが海外からやってきます。生体が生息していた場所の天然海水が入手できるのであれば、それに越した事はないですがそれは現実不可能です。純水を利用し、人工海水を溶かした方が、より清潔で不純物が少ない海水を作ることが可能です。人工海水を利用した方が生体は長期飼育できます。人工海水の選定については、珊瑚が状態よく飼育できているショップさんが利用している人工海水を利用するのがおすすめだと思います。
プロテインスキマーの選定は?
狭い水槽内では、魚の糞などの汚れが蓄積しがちです。オーバーフロー水槽のウールマットや、プロテインスキマーを利用して、しっかり物理濾過できる環境が必要です。更に理想を言えば、水槽内にリフジウム環境を設置し、生物濾過を促進すると共に、ヤッコが好んで食べるマリンプランツ(特にニシキヤッコの場合)や、ヨコエビなどの微生物が発生する環境を整えてあげると、更に生体が長期飼育しやすくなります。
ライブロック、ライブサンドの選定は?
マリンアクアリウムを行う多くの人がヤッコの混泳を実現しようとします。海水魚は熱帯魚と異なり、気が強く、縄張り意識が強い海水魚が多く存在します。ヤッコは、縄張り意識が強く、気が荒い海水魚の代表です。海水魚の隠れ家として最適なライブロックをしっかりと選定し、水槽内にレイアウトしてあげる事が大切です。ライブサンドについては、私は水槽の底面に汚れが溜まるのがあまり好きではないので利用していません。ベアタンクを実現させています。生物濾過については、ライブロックとリフジウム環境で行うことで、水槽内の安定化を図っています。
比重は?
多くの人たちが比重計を利用していますが、比重計は測定する水温によってブレが生じます。マリンアクアリウムにおいては、比重計では無く、塩分濃度計を利用するのが正解だと思います。
温度は?
水槽の温度は、常に25℃前後をキープする必要があります。夏場はクーラー。冬場はヒーターが必須となります。
照明は?
珊瑚やイソギンチャクの飼育を行わない限り、海水魚のみの水槽を維持するのであれば、照明環境は、LED、蛍光灯、メタハラどれであっても生体の維持は可能です。ただし24時間点灯するわけにはいかないので、利用される照明にタイマーが接続されていない場合は、照明用タイマーを利用して、昼夜の差をつけてあげるようにします。
殺菌灯は?
殺菌灯は水槽内の細菌を死滅させ、白点病などの病気を防いだり、水の透明度を高める働きがあります。ヤッコを状態よく飼育するのであれば、殺菌灯は必須です。
餌は?
ヤッコの場合、実際に飼育を行うと分かるのですが、草食性よりも雑食性が比較的強いシマヤッコ、スミレヤッコ、コリンズなどと、草食性が強いニシキヤッコなどに分類されてきます。餌は、雑食性、草食性に分類されているメガバイトグリーン、メガバイト海藻70がもっともおすすめの餌です。海藻70はニシキヤッコの長期飼育に有効です。
ヤッコの仲間におすすめの人工餌
ニシキヤッコにおすすめの人工餌
ヤッコの仲間の中でもニシキヤッコについては、植物質の餌を好むため人工餌は、ひかりプレミアム海藻70がおすすめです。ひかりプレミアム海藻70には、SサイズとMサイズがあるので、ニシキヤッコの幼魚に対しては、Sサイズ。ニシキヤッコの成魚に対しては、Mサイズがおすすめです。
また、餌付き難い場合は、冷凍のブラインシュリンプや、活餌を与えるのがおすすめです。
冷凍資料は、様々なタイプが販売されていますが、冷凍キョーリンクリーンホワイトシュリンプがもっともおすすめです。
活餌はなかなか入手できないので、リフジウム水槽を利用すると以下の3点が満たされ、水槽内を生体たちにとって快適な環境にすることができます。
- マリンプランツがヤッコ(特にニシキヤッコ)の餌になる。
- リフジウム水槽内で発生した微生物(ヨコエビなど)がヤッコ(特にシマヤッコ、スミレヤッコ、コリンズ)の餌になる。
- 生物濾過が働くので、水槽内の亜硝酸塩、硝酸塩を低下させ、苔や病気の発生を防ぐことができる。
ヤッコ飼育に適した環境を簡単に整理すると以下のようになります。
- 水槽はオーバーフロー水槽が望ましい。リフジウム水槽があると、更にベスト。
- 水の生成は浄水器を利用するのが望ましい。
- プロテインスキマーを利用して物理濾過を行うのが望ましい。
- ライブロックは必須。
- 適切な人工海水を選定するのが望ましい。
- 比重計では無く、塩分濃度計を利用するのが望ましい。
- クーラー、ヒーターの設置は必須。
- ヤッコの安定した長期飼育を目指すのであれば、殺菌灯は必須。
- 餌は、メガバイトグリーン。ニシキヤッコに対しては、メガバイト海藻70がおすすめ。餌付き難い場合は、冷凍のブラインシュリンプや、活餌を与えるのがおすすめ。過去一度だけ、アサリの生餌を利用したことがあるのですが、雑食性がといえども、草食よりなヤッコの長期飼育には有効性を感じなかったため、水槽も汚れることがあり、与えていません。リフジウム水槽があると、よりベストです。
水槽で珊瑚やイソギンチャクも飼育しているようであれば、カルシウムリアクターや、メタハラの設置も必要となってきます。
ヤッコの種類別飼育方法
名前順にヤッコの飼育方法を確認できます。
ヤッコの種類別飼育方法の一覧
ア行
カ行
サ行
タ行
ナ行
ハ行
マ行
ヤ行
ラ行
ワ行
ヤッコの生物学上の分類一覧
ヤッコの仲間は、生物学上以下のような属に分類されてきます。
アブラヤッコ属「Centropyge」
- 「チェルブピグミーエンゼルフィッシュ」Cherubfish, Centropyge argi Woods & Kanazawa, 1951.
- 「ゴールデンエンゼルフィッシュ」Golden angelfish, Centropyge aurantia Randall & Wass, 1974.
- 「フレームバックピグミーエンゼルフィッシュ」Flameback angelfish, Centropyge aurantonotus Burgess, 1974.
- 「ソメワケヤッコ」Bicolor angelfish, Centropyge bicolor (Bloch, 1787).
- 「ルリヤッコ」Twospined angelfish or coral beauty angelfish, Centropyge bispinosa (Gunther, 1860).
- 「ペパーミントエンゼルフィッシュ」Peppermint angelfish, Centropyge boylei Pyle & Randall, 1992.
- 「ココスピグミーエンゼルフィッシュ」Cocos-Keeling angelfish, Centropyge colini Smith-Vaniz & Randall, 1974.
- 「エイブルズエンゼルフィッシュ」Blacktail angelfish, or Eibli angelfish, Centropyge eibli Klausewitz, 1963.
- 「アカハラヤッコ」Rusty angelfish, Centropyge ferrugata Randall & Burgess, 1972.
- 「フィッシャーズエンゼルフィッシュ」Fisher’s angelfish, Centropyge fisheri (Snyder, 1904).
- 「イエローフィンピグミーエンゼルフィッシュ」Yellowfin angelfish, Centropyge flavipectoralis Randall & Klausewitz, 1977.
- 「レモンピールエンゼルフィッシュ」Lemonpeel angelfish, Centropyge flavissima (Cuvier, 1831).
- 「ヘラルドヤッコ」Yellow angelfish, or Herald’s angelfish, Centropyge heraldi Woods & Schultz, 1953.
- 「ホツマツアピグミーエンゼル」Blackear angelfish, Centropyge hotumatua Randall & Caldwell, 1973.
- 「レンテンヤッコ」Japanese angelfish, Centropyge interruptus (Tanaka, 1918).
- 「ココスピグミーエンゼルフィッシュ」Yellowhead angelfish, or Joculator angelfish, Centropyge joculator Smith-Vaniz & Randall, 1974.
- 「フレームエンゼルフィッシュ」Flame angelfish, Centropyge loricula (Gunther, 1874).
- 「マルチカラーエンゼルフィッシュ」Multicolor angelfish, Centropyge multicolor Randall & Wass, 1974.
- 「シマヤッコ」Barred angelfish, Centropyge multifasciata (Smith & Radcliffe, 1911).
- 「メニースパインドエンゼルフィッシュ」Dusky angelfish, Centropyge multispinis (Playfair, 1867).
- 「ナークエンゼルフィッシュ」Narcosis angelfish, Centropyge narcosis Pyle & Randall, 1993.
- 「オハグロヤッコ」Midnight angelfish, Centropyge nox (Bleeker, 1853).
- 「ポッターズピグミーエンゼル」Potter’s angelfish or Russet angelfish, Centropyge potteri (Jordan & Metz, 1912).
- 「レスプレンデントピグミーエンゼルフィッシュ」Resplendent angelfish, Centropyge resplendens Lubbock & Sankey, 1975.
- 「ダイダイヤッコ」Mango angelfish, or Shepard’s angelfish, Centropyge shepardi Randall & Yasuda, 1979.
- 「アブラヤッコ」Keyhole angelfish, Centropyge tibicen (Cuvier, 1831).
- 「スミレヤッコ」Purple Masked Angelfish, Centropyge venustus (Yasuda & Tominaga, 1969).
- 「ナメラヤッコ」Pearlscale angelfish, or Half-Black angelfish, Centropyge vrolikii (Bleeker, 1853).
- 「ナハッキーズピグミーエンゼルフィッシュ」Nahacky’s angelfish, Centropyge nahackyi Kosaki, 1989.
- 「ブルーモーリシャスエンゼルフィッシュ」Blue Mauritius angelfish, Centropyge debelius Pyle, 1990.
- 「ブラックスポットピグミーエンゼル」Blackspot angelfish, Centropyge nigriocella Woods & Schultz, 1953.
- 「和名不明」Abes Angelfish, Centropyge abei Allen, Young & Colin, 2006.
- 「和名不明」Blue velvet angelfish, Centropyge deborae Shen et al., 2012.
キンチャクダイ属「Chaetodontoplus」
- 「ホシゾラヤッコ」Bluespotted angelfish, Chaetodontoplus caeruleopunctatus Yasuda & Tominaga, 1976.
- 「コンスピキュオスエンゼルフィッシュ」Conspicuous angelfish, Chaetodontoplus conspicillatus (Waite, 1900).
- 「キヘリキンチャクダイ」Velvet angelfish, Chaetodontoplus dimidiatus (Bleeker, 1860).
- 「チリメンヤッコ」Vermiculated angelfish, Chaetodontoplus mesoleucus (Bloch, 1787).
- 「パソニファーエンゼルフィッシュ」Blueface angelfish, Chaetodontoplus personifer (McCulloch, 1914).
- 「キンチャクダイ」Bluestriped angelfish, Chaetodontoplus septentrionalis (Temminck & Schlegel, 1844).
- 「和名不明」Ballina angelfish, Chaetodontoplus ballinae Whitley, 1959.
- 「和名不明」Queensland yellowtail angelfish, Chaetodontoplus meredithi Kuiter, 1989.
- 「和名不明」Chaetodontoplus niger Chan, 1966.
- 「和名不明」Chaetodontoplus poliourus Randall & Rocha, 2009.
- 「アカネキンチャクダイ」Orangeface angelfish, Chaetodontoplus chrysocephalus (Bleeker, 1855).
- 「スクリブルドエンゼルフィッシュ」Scribbled Angelfish, Chaetodontoplus duboulayi (Gunther, 1867).
- 「クロキンチャクダイ」Black-velvet angelfish, Chaetodontoplus melanosoma (Bleeker, 1853).
サザナミヤッコ属「Pomacanthus」
- 「ワヌケヤッコ」Bluering angelfish, Pomacanthus annularis (Bloch, 1787).
- 「グレイエンゼルフィッシュ」Gray angelfish, Pomacanthus arcuatus (Linnaeus, 1758).
- 「アズファーエンゼルフィッシュ」Arabian angelfish, Pomacanthus asfur (Forsskal, 1775).
- 「イヤースポットエンゼルフィッシュ」Goldtail angelfish, Pomacanthus chrysurus (Cuvier, 1831).
- 「タテジマキンチャクダイ」Emperor angelfish, Pomacanthus imperator (Bloch, 1787).
- 「マクロスエンゼルフィッシュ」Yellowbar angelfish, Pomacanthus maculosus (Forsskal, 1775).
- 「イナズマヤッコ」Bluegirdled angelfish, Pomacanthus navarchus (Cuvier, 1831).
- 「フレンチエンゼルフィッシュ」French angelfish, Pomacanthus paru (Bloch, 1787).
- 「サザナミヤッコ」Semicircle angelfish, Pomacanthus semicirculatus (Cuvier, 1831).
- 「アデヤッコ」Yellowface angelfish, Blueface angelfish, Pomacanthus xanthometopon (Bleeker, 1853).
- 「コルテツエンゼルフィッシュ」Cortez angelfish, Pomacanthus zonipectus (Gill, 1862).
- 「和名不明」Old woman angelfish, Pomacanthus rhomboides (Gilchrist & Thompson, 1908).
- 「ロクセンヤッコ」Sixbar angelfish, Pomacanthus sexstriatus (Cuvier, 1831).
タテジマヤッコ属「Genicanthus」
- 「フカミヤッコ(オーネイトエンゼルフィッシュ)」Ornate angelfish, Genicanthus bellus Randall, 1975.
- 「ゼブラヤッコ」Zebra angelfish, Genicanthus caudovittatus (Gunther, 1860).
- 「タテジマヤッコ」Blackstriped angelfish, Lamarck’s angelfish, Genicanthus lamarcki (Lacepede, 1802).
- 「ヤイトヤッコ」Spotbreast angelfish, Genicanthus melanospilos (Bleeker, 1857).
- 「マスクドエンゼルフィッシュ」Masked angelfish, Genicanthus personatus Randall, 1975.
- 「トサヤッコ」Japanese swallow, Genicanthus semifasciatus (Kamohara, 1934).
- 「ヒレナガヤッコ」Blackedged angelfish, Genicanthus watanabei (Yasuda & Tominaga, 1970).
- 「ミズタマヤッコ」Genicanthus takeuchii Pyle, 1997.
- 「和名不明」Halfbanded angelfish, Genicanthus semicinctus (Waite, 1900).
- 「和名不明」Pitcairn angelfish, Genicanthus spinus Randall, 1975.
シテンヤッコ属「Apolemichthys」
- 「ブラックバンドエンゼルフィッシュ」Banded angelfish, Apolemichthys arcuatus (Linnaeus, 1758).
- 「グリフィスエンゼルフィッシュ」Griffis angelfish, Apolemichthys griffisi (Carlson & Taylor, 1981).
- 「タイガーエンゼルフィッシュ」Tiger angelfish, Apolemichthys kingi Heemstra, 1984.
- 「スリースポットエンゼルフィッシュ(シテンヤッコ)」Threespot angelfish, Apolemichthys trimaculatus (Cuvier, 1831).
- 「ゴールドフレークエンゼルフィッシュ」Goldspotted angelfish, Apolemichthys xanthopunctatus Burgess, 1973.
- 「イエローイヤーエンゼルフィッシュ」Yellow-ear angelfish, Apolemichthys xanthotis (Fraser-Brunner, 1950).
- 「イエローテールエンジェルフィッシュ」Yellowtail angelfish, Apolemichthys xanthurus (Bennett, 1833).
- 「和名不明」Reunion angelfish, Apolemichthys guezei (Randall & Mauge, 1978).
ホラカントゥス属「Holacanthus」
- 「ウエストアフリカンエンゼルフィッシュ」Guinean angelfish, Holacanthus africanus Cadenat, 1951.
- 「バミューダブルーエンゼルフィッシュ」Bermuda blue angelfish, Holacanthus bermudensis Goode, 1876.
- 「クイーンエンゼルフィッシュ」Queen angelfish, Holacanthus ciliaris (Linnaeus, 1758).
- 「クラリオンエンゼルフィッシュ」Clarion angelfish, Holacanthus clarionensis Gilbert, 1891.
- 「ブルーエンゼルフィッシュ」Blue angelfish, Holacanthus isabelita (Jordan & Rutter, 1898)
- 「パッサーエンジェルフィッシュ」King Angelfish, Holacanthus passer Valenciennes, 1846.
- 「ロックビューティーエンゼルフィッシュ」Rock beauty, Holacanthus tricolor (Bloch, 1795).
- 「和名不明」Clipperton angelfish, Holacanthus limbaughi Baldwin, 1963.
ニシキヤッコ属「Pygoplites」
- 「ニシキヤッコ」Royal angelfish,Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2006).
珍しいヤッコの仲間
分類学上にはまだ掲載されていない、本当に存在するのかも不明ですが、世界のアクアリウムサイトを見ていると以下のような珍しいヤッコの仲間がいることを確認できます。
イエローイヤーエンゼルフィッシュ
Yellow-Ear Angelfish
via colemangallery.com
オールドウーマンエンゼルフィッシュ
Old Woman Angelfish
via rockncritters.co.uk
バリナエンゼルフィッシュ
Ballina angelfish
via australiangeographic.com.au
まだまだ、海の中には私たち人間がであったことのない珍しいヤッコの仲間がいるかもしれないですね。
高級魚を飼育してみて感じた事
一匹10万円近くする高級魚は、なかなか購入に踏み切れないことがあるかと思います。これから高級魚を飼育しようと検討している方や、既に飼育されている方にも参考になるか分かりませんが、実際にブラックバンドエンゼル、レンテンヤッコなどの高級魚を飼育してみて感じたことをまとめてみたいと思います。
高級魚飼育の概要
ブラックバンドエンゼル
飼育環境の変化に大きく反応します。特に水温の急激な変化で命を落としてしまう場合もあります。安定した環境づくりが大切です。
コンスピ
ブラックバンドと同じく水槽の環境変化に敏感。敏感さで比較すると、ブラックバンドよりもコンスピの方がデリケートです。安定した環境づくりが大切です。
レンテンヤッコ
人工餌をよく食べ、とても丈夫なヤッコです。水槽内でもどんどんと成長します。ただし、成魚になればなるほど、気がとても荒くなってくるので、ヤッコの混泳には注意が必要です。高級魚の入門種としておすすめのヤッコの仲間です。
ココスピグミーエンゼル
レンテンヤッコと同じく人工餌をよく食べます。そしてとても丈夫です。水槽内でもどんどん成長します。ただし、成魚になればなるほど、気がとても荒くなってくるので、ヤッコの混泳には注意が必要です。高級魚の入門種としておすすめのヤッコの仲間です。
クラリオンエンゼルフィッシュ
クイーンエンゼルが飼育できれば飼育は可能です。硝酸塩濃度が高いと色あせしてしまうので、水質の管理はとても大切です。
90cm水槽でのヤッコ混泳
現在90cm水槽には同種混在で8匹のヤッコを混泳させています。ブルーフェイス、ニシキヤッコ2匹、フレームエンゼル3匹、アフリカンピグミーエンゼル2匹です。90cm水槽はこれ以上のヤッコを増やすことは水槽の大きさを考慮すると困難だと感じます。90cm水槽で8匹のヤッコ混泳に至るまでに感じたヤッコの飼育と混泳に関して箇条書きでまとめてみました。
- 経験から得られる購入時の状態の見極めが一番重要。
- ショップに入荷されたばかりでも、問屋でストックされている期間が長い生体は状態がよい。
- 購入時の生体の状態から、気が強い種であっても性格が強い弱いを動作などから見抜き、混泳させるのであれば性格が弱そうな生体を追加していく。
- 丈夫と言われているヤッコでも水質が落ち着いた環境でなくては飼育は難しい。
- 温度あわせ、水あわせはエアーチューブなど利用して時間をかけて行う。
- 隔離できる水槽もしくはケースを必ず用意する。
- 餌付けが難しいとされる種類は、隔離ケースで餌付かせてから水槽へ放流する。
- 性格がおとなしいとされるヤッコを隔離する場合は、隔離ケースにライブロックも一緒に入れて隠れ場所を作ってあげる。
- 隔離する期間は1週間。1週間以上の隔離は逆に生体へストレスを与えてしまう。
- 白点病が発生する場合は、水槽内、生体にどこか必ず欠点がある。
- ライブロックは、海水の流れを保ちながらヤッコたちが隠れられるよう複雑に組み上げる。ライブロックの組み方で、複数のヤッコが混泳できるか決まってくる。
- ライブロックが複雑に組み上げられてあれば、体が大きなヤッコがいる環境でも小さなヤッコを追加させることができる。
- 性格がおとなしいヤッコから水槽内に投入した方がよい。最初に投入したヤッコが水槽に慣れるまでは、次のヤッコは入れない。
- 気の強いヤッコから気の弱いヤッコを追加したい場合は、気の強いヤッコが水槽に慣れる前に水槽へ入れる。
- 水槽投入初期にヤッコ同士が常に喧嘩をしない場合(水槽内で出会った場合だけ喧嘩する場合)は放置する。
- 喧嘩をし続け、体力が弱ってしまったと感じた場合は強い方を隔離して、弱い方を水槽に慣らす。弱い生体が慣れたタイミングで隔離したヤッコを開放する。
- 性格が優しいとされるニシキヤッコ、シマヤッコでも長期飼育により水槽になれるととても気が強くなる。
小型、大型ヤッコの混泳映像
小型大型ヤッコの混泳では、ブラックバンドエンゼル二匹と、バヌアツ産シマヤッコの混泳なども行っています。
小型、大型ヤッコの飼育(混泳)の関連記事
水槽で維持してきたヤッコ飼育や混泳に関する記事をまとめています。
ヤッコの混泳について
投稿はありません。
ヤッコの選定について
生体の価格は、入荷状況などにもより価格がかなり変動します。10年ほど前は、バヌアツ産シマヤッコは1万円以下で購入できていましたが、現在は2万円近い価格の場合もあります。以下は、私が20年近く海水魚飼育を行ってきて、感じている一般的な価格帯を基準に分類しています。
これからヤッコの飼育を行おうとしている初心者の方は、まずは価格が安いヤッコから試してみるのがおすすめです。
初心者の方向けのヤッコには、「 」マークを付けてみました。スマートフォンからの閲覧時は、表を指で横スライドさせてご覧ください。
ヤッコの平均価格と販売ショップの一覧
まずは、冒頭でご説明したヤッコにとって適切な飼育環境を整えることがとても大切です。
マリンアクアリウム飼育方法
海水魚、珊瑚(ソフトコーラル、ハードコーラル)、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育方法について、以下のページでそれぞれまとめています。
マリンアクアリウム飼育機材
海水魚、珊瑚(ソフトコーラル、ハードコーラル)、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育に必要な機材や用品などについて、以下のページでそれぞれまとめています。