同種、異種、複数のヤッコを混泳させるコツは一体何か?
海水魚で人気種のヤッコ。ヤッコの混泳はあまり好きではありません。本来気が荒く、産地も違えば、生息している国も違う海水魚を水槽という小さな空間の中で複数飼育するのはあまりよろしくないことだよな…っと今は思ってしまいます。でも、ヤッコの混泳はあこがれてしまいますよね。私も沢山してきました。そして今もしています。昔と違うのは、複数混泳していても飼育が難しいとされるシマヤッコやコリンズなどの混泳をさせながら、年単位での長期飼育ができているという点です。
ヤッコの混泳とは?
ヤッコの混泳とは、ヤッコの仲間を水槽内で2匹以上で飼育することです。昔はよく、ペアで入荷するヤッコを見かける機会が多かったのですが、最近はほとんど見かけなくなってしまいました。ヤッコは気性が荒く、縄張り意識が強い海水魚です。性格がおとなしいと言われるシマヤッコも、水槽慣れするととても気性が荒くなります。ペアで無い限りは100%の確立で、大なり小なりのバトルが水槽内で繰り広げられ、ひどい時には死に至るまでの格闘が繰り広げされることになります。私も初心者の頃が特にそうだったのですが、とにかく水槽内に複数の生体を入れてしまいダメにしてしまう事が多いです。本来自然界では到底ありえない狭い空間でヤッコを飼育することになるので、適切な飼育環境の整備と、数多くの生体を水槽に入れない事がヤッコ混泳の大きな要素だと思います。
ヤッコの混泳を成功させるコツについては?
気が弱いヤッコから先に入れる
シマヤッコ、スミレヤッコ、コリンズピグミーエンゼル、ニシキヤッコなど、気が弱いヤッコを先に水槽へ入れるのがおすすめです。フレームエンゼルや、レモンピールなどのヤッコがもともといる水槽に、気が弱いヤッコを入れても混泳が上手くいきません。
同時に水槽へ入れる
ヤッコは、縄張り意識が強い海水魚です。水槽に先行で入れたヤッコがいると、既に縄張りができているので、必ずといっていいほど喧嘩になります。同時に水槽へ入れて、それぞれの縄張りを作らせるといった方法です。
混泳させるヤッコの数は少なくする
私は90cm水槽で、同時に8匹のヤッコを混泳させていたことがありますが、本当におすすめしません。90cm水槽であれば、2匹。多くても3匹のヤッコの混泳に控えておいた方がよいです。
ライブロックで隠れ家を作る
ヤッコ飼育において、ライブロックの選定はとても重要です。隙間の少ないブロック状のライブロックを選定するよりも、ヤッコの隠れ家となるように、形状が複雑な枝状ライブロックを選定するのがおすすめです。以下はライブロックで販売されている大人気の枝状ライブロックです。
枝状といっても、カタチが入り組んでいるスプラッシュのライブロックがおすすめです。ヤッコが好んでライブロック内に隠れる場所が豊富にあるのと、ライブロックの鮮度も高くとてもおすすめです。
縄張りを作れないレイアウトにする
ショップで多くの海水魚が混泳している水槽を見かけることがあります。水槽内にライブロックを配置せず、縄張りが作れないようにすると複数混泳が可能です。私も昔、オーバーフロー水槽に、レイアウトとなるものを一切配置せずに、ヤッコの混泳を行っていた時期がありました。
万が一に備えて隔離場所を作る
ヤッコの混泳時に万が一喧嘩が発生してしまった時のために、隔離場所を作っておくのがおすすめです。ヤッコの隔離場所としてとってもおすすめなのは、水槽上部などに設置できるサブ水槽です。リフジウム水槽としても活用できるので、ヤッコの餌となる微生物を発生させながら、飼育できるのでおすすめです。
オーバーフロー水槽を連結させる
オーバーフロー水槽を複数台接続すると、全てがつながり一台のオーバーフロー水槽となるため、一台のクーラー、プロテインスキマー、殺菌灯があれば、海水魚の飼育ができるため、コスト削減につながります。しかし、連結オーバーフロー水槽は、メンテナンス性が悪いといったデメリットもあるので、導入は検討が必要です。ちなみに私は、カーリーの大量発生の被害などにあり、連結オーバーフロー水槽は止めました。
自宅のヤッコ混泳水槽
アフリカンピグミーエンゼルのペア
こちらは混泳というよりは、アフリカンピグミーエンゼルのペアになります。
アフリカンピグミーエンゼルとフレームエンゼルのペア
アフリカンピグミーエンゼルのペアを飼育していた際に、フレームエンゼルのペア飼育もおこなっていました。
バヌアツ産シマヤッコ2匹とニシキヤッコの混泳水槽
マーシャル産シマヤッコの混泳
こちらは、マーシャル産シマヤッコの混泳水槽です。
マニラ産シマヤッコの混泳
こちらは、マニラ産シマヤッコの混泳水槽です。
ヤッコはリフジウム水槽があると、とても状態よく飼育できておすすめです。
ブラックバンドエンゼル、バヌアツ産シマヤッコ、ニシキヤッコの混泳
海水魚の飼育は、浄水器を利用し純水を作り、塩分濃度計を利用して塩分濃度を計測し、殺菌灯がある水槽で飼育すると、綺麗な水で状態よく生体を維持することができます。
ブラックバンドエンゼルの混泳
こちらは、ペアではありません。ブラックバンドの混泳も行っています。ブラックバンドは飼育してみると分かるのですが、他のヤッコよりも感情があって魅力的な海水魚です。
ルリヤッコ色彩変異個体の混泳
アマモ水槽で混泳しているルリヤッコの色彩変異個体です。オレンジが強い個体と、ブルーが強い個体を混泳させています。
なかなか見かけることができないルリヤッコだと思います。
フレームエンゼルの求愛活動(ノズリング)
水槽内でフレームエンゼルがノズリングしている姿を撮影した写真です。慌てて撮影したので手振れがひどいですが、愛情を込めて生体を水槽内で飼育していると、様々な貴重な場面に遭遇する事ができます。レイアウトにこだわるのではなく、ヤッコの生体維持に必要な環境に、まずはこだわるべきだと思います。
ブラックバンドにクリーニングするバヌアツ産シマヤッコ
こちらも貴重な写真かと思います。バヌアツ産シマヤッコがブラックバンドのエラ付近をクリーニングしている際に撮影した写真になります。大型ヤッコと小型ヤッコの混泳が難しいということは決して無いです。
こちらは、少し場所を変えてバヌアツ産シマヤッコがブラックバンドにクリーニングをしている時に撮影した写真です。慌ててカメラを引っ張り出してきて撮影しているので、ブレブレですが、特徴をとらえている写真だと思ったのでアップしておきます。
ヤッコの飼育はとても面白いなっと思った場面です。
よく、大型ヤッコと小型ヤッコの混泳は良くないとか、難しいと言われる事がありますが、上記写真の通り、体をシマヤッコ(小型ヤッコ)にあずけるブラックバンドエンゼル(大型ヤッコ)。一概にそうは言いきれないと思います。
大切な事は、ヤッコの飼育環境をまずはシッカリと整え、長期飼育をしてあげることだと思います。長期飼育する事で、何が正解なのか?少しずつ見えてくると思います。
ヤッコ混泳の失敗談
意外とこのパターンは、ある人が多いんじゃないかと思うのですが、水槽内でヤッコ同士の激しいバトルが繰り広げらると、そう簡単には取り出すことができません。なぜならば、ライブロックでレイアウトが組まれているので、網でヤッコを掬おうと思っても、ライブロックが邪魔なのと、ライブロックの隙間にヤッコが隠れてしまい取り出す事ができないためです。
水槽へ入れる前に隔離ケースを設置してお見合いをさせる
ヤッコがもともといる水槽に、ヤッコを追加すると必ずといっていいほど喧嘩になるので、水槽内に取り付けられる小型の隔離水槽を設置し、既にメイン水槽にいるヤッコとのお見合いをさせるのがおすすめです。こちらは、バヌアツ産シマヤッコをちょうどフレームエンゼルとお見合いさせている際に撮影した写真になります。
ペットボトルで作った罠で救済する
水槽内にヤッコを捕獲するための罠を仕掛けるイメージです。手順は以下の通りとなります。
- ペットボトルの口の部分を、ヤッコが通過できるぐらいのサイズにカットする。
- ペットボトルの中に冷凍餌など、ヤッコが餌付き易い餌を入れる。
- メイン水槽へペットボトルごと中に沈ませる。
- 餌につられてペットボトルの中へヤッコが入った瞬間に、ペットボトルごと水槽内から出す。
ただし、このパターンは、餌付いているヤッコを捕獲する場合にのみ有効な手順になります。
隔離ケースが無い場合はサンプ(濾過槽)に退避させる
オーバーフロー水槽を利用している場合に限りますが、小型の隔離水槽やサブ水槽が無い場合は、サンプ(濾過槽)に退避させるのが有効です。ただし、長期間の飼育はできない場所なので、小型の隔離水槽やサブ水槽へ、早めに移動させてあげる必要があります。
ヤッコの平均価格と販売ショップの一覧
生体の価格は、入荷状況などにもより価格がかなり変動します。10年ほど前は、バヌアツ産シマヤッコは1万円以下で購入できていましたが、現在は2万円近い価格の場合もあります。以下は、私が20年近く海水魚飼育を行ってきて、感じている一般的な価格帯を基準に分類しています。
マリンアクアリウム飼育方法
海水魚、珊瑚(ソフトコーラル、ハードコーラル)、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育方法について、以下のページでそれぞれまとめています。
マリンアクアリウム飼育機材
海水魚、珊瑚(ソフトコーラル、ハードコーラル)、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育に必要な機材や用品などについて、以下のページでそれぞれまとめています。