調子が悪いハタゴイソギンチャクの状態
ハタゴイソギンチャクは水槽での長期飼育が難しいことから、水槽環境下において状態を崩すことがよくあります。ハタゴイソギンチャクが状態を崩した際の症状としては、縮んでなかなか開かない場合、小さくなってしまっている場合、口から白い煙のようなものがでた場合などです。繁殖による分裂を除き、このような状態がハタゴイソギンチャクに発生してしまった場合は、復活させることはほぼ不可能な症状となってきます。
目次
状態を崩したハタゴイソギンチャク
ハタゴイソギンチャクが小さく縮まった際に、状態を崩しているのか?そうではないのか?の見分けが難しいといわれていますが、状態がよいハタゴイソギンチャクが水槽内で小さく縮まることは私の過去の経験上はありませんでした。長年さまざまな種類のハタゴイソギンチャクを飼育していると、状態を崩しているかの判断を早く行うことができます。特に口から少しでも白い煙のようなものが見え始めたら、復活する可能性はゼロです。水槽全体への悪影響を心配するようであれば早めに水槽から取り出した方が無難です。解けてしまったハタゴイソギンチャクは、ドロドロになってしまいます。手ですくい上げるのは不可能になってしまうので、網や小型のスコップのようなもので、パワーヘッドを停止させた状態ですくいあげるのがよいです。パワーヘッドが回っている状態で、状態を崩したハタゴイソギンチャクを水槽内からすくいあげてしまうと、パワーヘッドの水流に溶けたハタゴイソギンチャクが水槽内に拡散され、大変な事態になってしまいます。
調子を崩したハタゴイソギンチャクの状態
縮む場合
状態がよいハタゴイソギンチャクはほとんど縮まりません。メタハラが点灯している時と消灯している時では広がり方に差がでますが、通常の飼育状況下において、状態がよいハタゴイソギンチャクが縮まる事は、あえて指で触れたりしない限りは特に発生しません。縮む個体は状態を崩している可能性があるので、縮まり口を開いた場合については注意が必要です。
平べったい場合
水槽の底面などでべた~っと平べったくなってしまっている場合は、弱ってしまっている可能性が高いです。イソギンチャクは分裂を行う際に、力なく口を開く場合もありますが、水槽内で分裂が起こることは稀なので、状態を崩してしまっている場合は、早めに水槽の外へ出してあげる必要があります。
開かない場合
開かない場合は状態を崩している可能性が高いです。状態がよいハタゴイソギンチャクが、丸一日開かないという事はないので、調子を崩してしまっている可能性が高いです。早めに力なく水槽内で開かない場合は、早めに取り出してあげた方がよいかと思います。
触手に元気が無い場合
状態が良いハタゴイソギンチャクは、触手がとてもよく伸びて水流になびいています。逆に触手がやせ細っている場合は状態があまりよくありません。生体を選定する場合などは、触手がやせ細っていないかもチェックした方がよいかと思います。
小さくなる場合
水質に急激な変化が生まれた際などに、ハタゴイソギンチャクが小さくなる事を確認しています。特に季節の変わり目など、大きく水槽に水質の変化が生まれやすい時期を過ぎたあたりから、ハタゴイソギンチャクは小さくなり、バブルディスクのように小さくなってしまい、そのまま消滅してしまうということがありました。
口から白い煙がでた場合
口から白い煙のようなものが出た場合は、内臓が溶けてしまっている可能性がとても高いです。そのまま放置しておくと、水槽全体に溶けてしまったハタゴイソギンチャクが広がってしまい、生体に悪影響が出たり、全て水交換を行う必要が出てきてしまいます。力なく口を開いて白い煙のようなものが出てきてしまっている場合については、早めに水槽内から取り出してあげた方がよいです。
変色する場合
水質の変動が大きくなる季節の変わり目や、水槽内の硝酸塩濃度が高まっているのにもかかわらず水槽の水替えを怠った場合、ハタゴイソギンチャクが白く変色したり、バブルディスクのように小さくなってやがて消滅してしまう事があります。ハタゴイソギンチャクに限らず他の生体も急激な水質の変化はストレスを与えてしまうので、急激な水の蒸発を防ぐためには、自動給水器を設置するのがおすすめです。
次に、水槽内での怪我では無く、採取時にイソギンチャクが破れてしまったハタゴイソギンチャクを治療して回復させた時の様子についてご紹介いたします。
ハタゴイソギンチャクの長期飼育に関して
カクレクマノミがもっとも共生する相性がよいイソギンチャクといえば、ハタゴイソギンチャクです。ハタゴイソギンチャクを長年飼育する愛好家として、今までの飼育を通じて感じた事や実体験を本ページでは記載しております。他に飼育されている方はまた違った意見等があるかもしれません。ショップやメーカーさんであれば、もっとよいアドバイスをしてくれるかもしれません。遠く離れた海の中からやってくるハタゴイソギンチャクを少しでも大切に長く飼育できるよう、初めてハタゴイソギンチャクを飼育される方や、なかなかハタゴイソギンチャクが上手く飼育できない方向けに、お役に立てればと思いまとめています。
関連記事:ハタゴイソギンチャクの長期飼育に関してイソギンチャクの飼育
イソギンチャクといえば、誰もがあこがれる飼育環境下で行うカクレクマノミとの共生です。以下でご紹介するイソギンチャクは、全て我が家の自宅で飼育してきたイソギンチャクになります。イソギンチャクは、海水魚や珊瑚、マリンプランツ(海藻、海草)と比較しても独特の生き物で、実際に飼育経験を積んでいかないと、生体の見極めや、長期飼育が難しい生き物です。ただし、飼育環境さえ整えてしまえば、飼育が難しいとされるハタゴイソギンチャクでも、10年以上飼育する事も可能です。実際に私の周りには10年以上、ハタゴイソギンチャクを飼育しているベテランのアクアリストが今なお飼育を継続して存在します。イソギンチャクと並んで人気のカクレクマノミの飼育については、以下のページでまとめています。カクレクマノミも、もう10年ぐらい今もなお継続して、長期飼育しています。
イソギンチャクの飼育機材、用品
イソギンチャク飼育は、海水魚飼育に必要な機材、用品に追加して、カルシウムリアクター、添加剤、イソギンチャク飼育に適した照明が必要となってきます。カルシウムリアクターと添加剤は無くてもイソギンチャクの飼育は可能です。ここに、オーバーフロー水槽、浄水器、クーラー、プロテインスキマー、ライブロック、ライブサンド、ヒーター、水中ポンプ、塩分濃度計、バケツ、ウールマット、人工海水など海水魚飼育にも必要な機材や用品が加わってきます。より自動化させた水槽環境を実現する際には、自動給水器、電磁弁が必要です。オーバーフロー水槽を自作する際には、水槽用の配管パーツが必要となってきます。
イソギンチャク飼育におすすめのオーバーフロー水槽
イソギンチャク飼育におすすめなオーバーフロー水槽を30センチ、45センチ、60センチ、90センチ、120センチサイズ別に比較することができます。オーバーフロー水槽は、サイズが大きくなるにつれて、とても高額になってきます。オーバーフロー水槽が崩壊したり、水槽に付属する機材が故障すると、飼育している海水魚、珊瑚、イソギンチャク、マリンプランツが死んでしまう可能性があるので、万が一何かトラブルが発生した際にも、サポート体制がシッカリとしている店舗で購入するのがおすすめです。インターネット通販で販売されているオーバーフロー水槽は、組み立てが簡単なので、届いたその日に水槽のセッティングを開始することができます。詳細は、以下のページでまとめています。
マリンアクアリウム飼育方法
海水魚、珊瑚(ソフトコーラル、ハードコーラル)、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育方法について、以下のページでそれぞれまとめています。
マリンアクアリウム飼育機材
海水魚、珊瑚(ソフトコーラル、ハードコーラル)、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育に必要な機材や用品などについて、以下のページでそれぞれまとめています。