イボハタゴイソギンチャクの長期飼育について

蛍光グリーンのイボハタゴイソギンチャクと共生するカクレクマノミ

蛍光グリーンのイボハタゴイソギンチャクと共生するカクレクマノミ

海外では、カーペットアネモネとして親しまれているイボハタゴイソギンチャク。ハタゴイソギンチャクのように、もっと人気が出てもよいのでは?と思うのですが、ハタゴイソギンチャクほどの人気はありません。カクレクマノミもブリード個体であれば、共生する場合が多いです。

イボハタゴイソギンチャクとハタゴイソギンチャクの両方を飼育していて感じるのは、カクレクマノミは間違いなくイボハタゴイソギンチャクよりもハタゴイソギンチャクの方に共生を行うのと、イボハタゴイソギンチャクは触手が短い事から、観賞用としてはハタゴイソギンチャクの方が見応えはあります。

っといったところが、イボハタゴイソギンチャクよりもハタゴイソギンチャクの方が人気がある理由なのかもしれません。

イソギンチャクの種類

水槽で飼育できるイソギンチャクにはいろいろな種類がいますが、多くの人たちがカクレクマノミとの共生を楽しみたいと思う人が多いと思います。カクレクマノミと、水槽で飼育するのにおすすめなイソギンチャクの飼育方法については、以下のページでまとめています。

イボハタゴイソギンチャクについて

英語、学名

イボハタゴイソギンチャクの学名は、”Stichodactyla haddoni”です。

飼育方法

移動

イボハタゴイソギンチャクは、大きな個体だとライブロックに活着するとほとんどその場所を移動しません。小さな個体だと、光を求めて水槽内をよく移動したことがありました。イボハタゴイソギンチャクとハタゴイソギンチャクの両方を飼育していると、ハタゴイソギンチャクよりもイボハタゴイソギンチャクの方が移動しないような気がしています。

光量

光量は強めが飼育には好ましいです。

照明

照明については蛍光灯やLEDよりもメタハラの方が長期飼育できます。LEDでも飼育していた時期があるのですが、メタハラの方が明らかに状態がよいです。

水流

水流については、どのイソギンチャクについても記載していますが、適度がおすすめです。適度というのは、水槽サイズにあったパワーヘッドを設置し、強すぎない水流を作り、パワーヘッドからの水流が直接生体にあたらないようにしてあげる事が大切です。

成長

メタハラを使用した飼育環境下においては、イボハタゴイソギンチャクは成長します。成長のスピードは、ハタゴイソギンチャクよりも遅く感じます。個体差かもしれませんけれど。

活着

イボハタゴイソギンチャクは水槽の底面よりもライブロックに活着させた方が状態がよいです。

ライブロック

選定するライブロックは、ハタゴイソギンチャク同様、枝状では無く底面が平らなブロック状のライブロックを選定した方が安定して活着します。

触手

他のイソギンチャクと比較して触手はとても短く、水流になびくほどのものではありません。

毒性

毒性はハタゴイソギンチャクのように強いので、他のサンゴが触れないように気を付ける必要があります。ただ触手が短いのでレイアウトは楽なイソギンチャクです。

飼育環境

水換え頻度

飼育する水槽環境によって、水換えを行う頻度が異なってきます。水換え頻度については、以下のページでまとめています。
水換え頻度について

ライブロック

ライブロックは、水槽内での生物濾過を実現したり、イソギンチャクのレイアウトとして便利なため、水槽内にあった方がおすすめです。
ライブロックの特徴、選定

ライブサンド

ライブサンドは、水槽内での生物濾過を実現し、生体が水槽内で過ごし易い環境を作り上げることができます。ライブサンドの特徴や、水槽サイズ別に必要となるライブサンドの量について、以下のページでまとめています。
ライブロックの特徴、選定

プロテインスキマーの設置

プロテインスキマーは、ライブロック、ライブサンドで実現する生物濾過とは異なり、水槽内に溜まった目に見えるぐらいの汚れを物理的に除去するといった役割を持つため、設置した方が状態よく飼育することができます。
プロテインスキマーの特徴、選定

浄水器の設置

より海に近い環境で長期飼育を目指す場合には、水道水の不純物を取り除ける浄水器を設置するのがおすすめです。浄水器の特徴や選定については、以下のページでまとめています。
浄水器の特徴、選定

オーバーフロー水槽での飼育

水槽の水量が多いほど、急激な水槽内の環境変化から生体をまもり、状態よく飼育することができます。生体の長期飼育を目指すなら、オーバーフロー水槽での飼育がおすすめです。
オーバーフロー水槽の特徴、選定

イボハタゴイソギンチャクを飼育する上で必要な飼育環境については、以下のページにまとめています。

イボハタゴイソギンチャクの飼育に必要な環境

実際の飼育環境

本ページで記載している記事は、以下の水槽スペックで実際に飼育した経験を元に記載しています。飼育環境を選定する際の参考情報としてください。

  • オーバーフロー水槽90センチオーバーフロー水槽セット
  • 照明メタハラ150W、2000ケルビン
  • プロテインスキマーHS850シリーズ
  • カルシウムリアクター外部式
  • 浄水器クロノスレイン
  • クーラーゼンスイZC-1000アルファ
  • ヒーター海水対応200W
  • ライブロック60センチ水槽分
  • ライブサンドライブサンド18リットル(9リットル×2)
  • 人工海水ヴィーソルト
  • 餌は与える必要はありません。照明の光が適切であれば、状態よく長期飼育できます。

    大きさについて

    イボハタゴイソギンチャクは、大小様々な個体が販売されています。人気カラーのブルーやレッドカラーは、大き目の個体を多くみかけます。小さいサイズでブルーやレッドカラーはあまりみかけません。私は10cmサイズのブルー個体を長期飼育しています。

    カクレクマノミとの共生

    ブリードのカクレクマノミであれば、共生する事が多いです。自然採取されたワイルドのカクレクマノミの場合は、私が飼育している限りでは、一度も共生はしなかったです。

    関連記事: カクレクマノミの飼育について

    飼育難易度

    飼育が難しいか?、簡単か?は飼育環境に左右される要素が大きいので、長期飼育を目指すのであればメタハラ、浄水器プロテインスキマーの利用がおすすめです。環境さえ整っていれば、決して飼育が難しいイソギンチャクではありません。

    難易度

    難しい:

    カクレクマノミとの共生

    普通:

    珊瑚との相性

    危険:

    初心者の方がイソギンチャクを飼育する際に気をつけたいポイントについては、以下のページで、イソギンチャクの種類別にまとめています。

    関連記事:初心者向けイソギンチャク飼育ガイド

    種類

    レッド個体

    20年ぐらい前はとてもよくレッド個体を見かけたのですが、最近はまったくみかけなくなってしまいました。以下はスプラッシュに入荷したレッド個体のイボハタゴイソギンチャクです。

    状態が優れたイボハタゴイソギンチャクレッドカラー

    状態が優れたイボハタゴイソギンチャクレッドカラー

    グリーン個体

    グリーン個体が一番よくみかけます。一般的な種類です。

    蛍光グリーン個体

    稀にですが蛍光グリーン個体もみかけます。以下は、以前撮影した自宅で飼育しているイボハタゴイソギンチャクとカクレクマノミの共生映像です。

    ブルー個体

    ブルー個体もあまりみかけない個体です。特に小さいサイズでブルーのイボハタゴイソギンチャクはなかなかみかけません。

    年単位で長期飼育中のイボハタゴイソギンチャクブルー個体

    年単位で長期飼育中のイボハタゴイソギンチャクブルー個体

    価格相場

    価格相場

    • ノーマル:約5,000円
    • カラー:約20,000円
    • メタリック:約30,000円

    価格は、ハタゴイソギンチャクとほぼ変わらず安い個体であれば、5,000円前後で購入できます。ただしレッド個体は貴重なので、生体の状態によっては5万円前後する場合もあります。昔は安かったです。詳しくは以下の通販サイトより、最新の価格をご確認ください。



    通販

    通販サイトで購入ができる価格が安いイボハタゴイソギンチャクを以下のページからご確認いただけます。該当の商品が存在しない場合は、商品が何も表示されない場合や、他の商品が表示される場合があります。

    イボハタゴイソギンチャクに関する飼育方法のご紹介は以上となります。次にハタゴイソギンチャクの飼育方法をご紹介いたします。 関連記事:ハタゴイソギンチャクの飼育について

    人気のショップ


    イソギンチャクの飼育

    イソギンチャクといえば、誰もがあこがれる飼育環境下で行うカクレクマノミとの共生です。以下でご紹介するイソギンチャクは、全て我が家の自宅で飼育してきたイソギンチャクになります。イソギンチャクは、海水魚珊瑚マリンプランツ(海藻、海草)と比較しても独特の生き物で、実際に飼育経験を積んでいかないと、生体の見極めや、長期飼育が難しい生き物です。ただし、飼育環境さえ整えてしまえば、飼育が難しいとされるハタゴイソギンチャクでも、10年以上飼育する事も可能です。実際に私の周りには10年以上、ハタゴイソギンチャクを飼育しているベテランのアクアリストが今なお飼育を継続して存在します。イソギンチャクと並んで人気のカクレクマノミの飼育については、以下のページでまとめています。カクレクマノミも、もう10年ぐらい今もなお継続して、長期飼育しています。

    関連記事:イソギンチャクの飼育について

    イソギンチャクの飼育機材、用品

    イソギンチャク飼育は、海水魚飼育に必要な機材、用品に追加して、カルシウムリアクター添加剤イソギンチャク飼育に適した照明が必要となってきます。カルシウムリアクター添加剤は無くてもイソギンチャクの飼育は可能です。ここに、オーバーフロー水槽浄水器クーラープロテインスキマーライブロックライブサンドヒーター水中ポンプ塩分濃度計バケツウールマット人工海水など海水魚飼育にも必要な機材や用品が加わってきます。より自動化させた水槽環境を実現する際には、自動給水器電磁弁が必要です。オーバーフロー水槽を自作する際には、水槽用の配管パーツが必要となってきます。

    関連記事:イソギンチャク飼育に必要な機材と用品

    イソギンチャク飼育におすすめのオーバーフロー水槽

    イソギンチャク飼育におすすめなオーバーフロー水槽を30センチ、45センチ、60センチ、90センチ、120センチサイズ別に比較することができます。オーバーフロー水槽は、サイズが大きくなるにつれて、とても高額になってきます。オーバーフロー水槽が崩壊したり、水槽に付属する機材が故障すると、飼育している海水魚珊瑚イソギンチャクマリンプランツが死んでしまう可能性があるので、万が一何かトラブルが発生した際にも、サポート体制がシッカリとしている店舗で購入するのがおすすめです。インターネット通販で販売されているオーバーフロー水槽は、組み立てが簡単なので、届いたその日に水槽のセッティングを開始することができます。詳細は、以下のページでまとめています。

    関連記事:どれがおすすめ?オーバーフロー水槽比較

    マリンアクアリウム飼育方法

    海水魚珊瑚ソフトコーラルハードコーラル)、イソギンチャクマリンプランツ(海藻、海草)の飼育方法について、以下のページでそれぞれまとめています。

    イソギンチャク

    イソギンチャクの飼育

    イソギンチャクの飼育

    マリンプランツ(海藻、海草)

    マリンプランツの飼育

    マリンプランツの飼育

    マリンアクアリウム飼育機材

    海水魚珊瑚ソフトコーラルハードコーラル)、イソギンチャクマリンプランツ(海藻、海草)の飼育に必要な機材や用品などについて、以下のページでそれぞれまとめています。