ハタゴイソギンチャクの産地
日本国内の市場に流通するハタゴイソギンチャクは、国内であれば石垣島や宮古島など沖縄方面、尖閣諸島周辺の海域に生息する種類がメインです。海外からやってくるハタゴイソギンチャクだと、インドネシア、フィリピンが主な採取場所になります。昔はベトナム便が入荷したことがありましたが、現在はほとんどみかけることがなくなりました。また、オーストラリアのケアンズ海域にもハタゴイソギンチャクは生息していることが、現地シッパーさんとのコンタクトで確認が取れています。ここでは公表しませんが、レッドカラーのハタゴイソギンチャクも存在し、価格についても把握済みです。好きな生体のことについては、更に他では入らないような情報を知りたくなるのが愛好家の心理だと思うので、私が実際にハタゴイソギンチャクを海外の海に潜って採取している方々から聞いた情報をまとめてみたいと思います。
目次
ハタゴイソギンチャクの生息地
ハタゴイソギンチャクは、沖縄以南の暖かい綺麗な海域に生息しています。Googleマップで表示すると、日本国内の領土からやってくるハタゴイソギンチャクの産地は、赤で印を付けた以下の海域を中心に生息しています。

ハタゴイソギンチャクの生息地
- 石垣島、宮古島周辺
- フィリピン周辺
- インドネシア周辺
- ケアンズ周辺
インドネシアの海域に近いケアンズの海域にもハタゴイソギンチャクが生息していることが確認できていますが、過去日本国内への入荷は、2018年時点で確認できていません。ケアンズのどの場所に、どのようなイソギンチャクが生息しているかの確認はできているのですが、現時点ではそこまでの詳細を記載するのは控えさせていただきます。
それぞれのハタゴイソギンチャクの特徴については、以下の通りです。
ハタゴイソギンチャクの産地別の特徴
沖縄産(石垣島産)
2008年に飼育していた沖縄産のハタゴイソギンチャクです。当時セブ島産のハタゴイソギンチャクを何固体も落としていて、外国産は無理だと思い初めて沖縄産を購入した時は、飼育の容易さに驚きました。沖縄産は間違いなく丈夫だと当時痛感しました。
宮古島産
宮古島産でメタリックグリーンの個体。宮古島産でメタリックグリーンは昔はとても珍しく(今もかな?)、ネットで見つけて即効注文しました。当時のブログでは、状態がとっても優れた宮古島産のハタゴイソギンチャク入手と記載されているのですが、この写真を見る限りあまり状態はよく無いです。
セブ島産
上記の宮古島産のハタゴイソギンチャクと同時に購入したブルーのフィリピン、セブ島産のハタゴイソギンチャクです。小さ目のサイズでセブ島産のブルー個体は当時なかなか入手できなくて(こちらも今もかな?)、当時とても嬉しかった記憶があります。今見ても「いい個体だな」と思います。
インドネシア産
インドネシア産のハタゴイソギンチャクは、10年以上前と比較したら、コーラルラボさんで購入した個体は、信じられないぐらい状態が良いです。普段お仕事をいただいているアクアリウム愛好家の中国出身の社長が、都内にレストランを出店した際に、開店祝いにハタゴイソギンチャクをプレゼントしました。2年経過しますけれど、とっても元気に今も生きてます。
ベトナム産
近年見かけなくなったベトナム産ハタゴイソギンチャク。ベトナム産は、このちょっとクリームっぽい白い個体が昔よく入荷していました。ベトナム、セブ、インドネシア…全部近所の海なので、結局このあたりに生息するハタゴイソギンチャクの個体差はあまりない気がします。
インドネシア周辺で採取されたハタゴイソギンチャクは、ジャカルタのシッパーの水槽に一時保管され、インドネシア便として空輸で日本に輸送されてきます。しかし、インドネシア周辺の海域は、生体採取の規制が厳しくなってしまっている状況です。
ハタゴイソギンチャクは、インドネシアのセレベス海を越えて、フィリピンミンダナオ島周辺にも生息しています。パラワン島周辺の海域にも生息しているのですが、現在は保護区のため、採取が規制されています。また、ミンダナオ島周辺、特にインドネシア側の海域は、イスラム武装組織の拠点がある場所であるため、現地の人々もめったに足を運ぶことが無い危険地帯になります。
「セブ便」というハタゴイソギンチャクを聞くことがあると思うのですが、フィリピンのセブ島周辺の海域には、ハタゴイソギンチャクもその他の生体もほとんど生息していません。「ではなぜセブ便なのか?」というと、「セブ」という言葉を付けるとなんとなくイメージがよい?というようなことから、セブ便という名前が付けられているようです。
日本国内に輸入されるハタゴイソギンチャクもインドネシアを中心とした海域からやってくる個体がほとんどです。自然界には、直径1メートル近くにも広がる巨大なハタゴイソギンチャクも生息しています。
ハタゴイソギンチャクが生息している水深は、浅いところだと2メートルぐらいの深さになります。水深が浅い場所に生息することから、採取の際には素潜りがメインです。
私が知る限り、2000年から国内に入荷しているハタゴイソギンチャクは上記の産地が全てだと思います。知り合いのショップさんが、「オーストラリア産のハタゴイソギンチャクを仕入れてみる。」っとおっしゃっていただいているので、いつか実現したらご紹介したいと思います。価格は相当高いらしいので、購入できないかもですけれど…。
ハタゴイソギンチャクの種類の次は、ハタゴイソギンチャクの色について以下のページでご紹介いたします。
ハタゴイソギンチャクの長期飼育に関して
カクレクマノミがもっとも共生する相性がよいイソギンチャクといえば、ハタゴイソギンチャクです。ハタゴイソギンチャクを長年飼育する愛好家として、今までの飼育を通じて感じた事や実体験を本ページでは記載しております。他に飼育されている方はまた違った意見等があるかもしれません。ショップやメーカーさんであれば、もっとよいアドバイスをしてくれるかもしれません。遠く離れた海の中からやってくるハタゴイソギンチャクを少しでも大切に長く飼育できるよう、初めてハタゴイソギンチャクを飼育される方や、なかなかハタゴイソギンチャクが上手く飼育できない方向けに、お役に立てればと思いまとめています。
関連記事:ハタゴイソギンチャクの長期飼育に関してイソギンチャクの飼育
イソギンチャクといえば、誰もがあこがれる飼育環境下で行うカクレクマノミとの共生です。以下でご紹介するイソギンチャクは、全て我が家の自宅で飼育してきたイソギンチャクになります。イソギンチャクは、海水魚や珊瑚、マリンプランツ(海藻、海草)と比較しても独特の生き物で、実際に飼育経験を積んでいかないと、生体の見極めや、長期飼育が難しい生き物です。ただし、飼育環境さえ整えてしまえば、飼育が難しいとされるハタゴイソギンチャクでも、10年以上飼育する事も可能です。実際に私の周りには10年以上、ハタゴイソギンチャクを飼育しているベテランのアクアリストが今なお飼育を継続して存在します。イソギンチャクと並んで人気のカクレクマノミの飼育については、以下のページでまとめています。カクレクマノミも、もう10年ぐらい今もなお継続して、長期飼育しています。
イソギンチャクの飼育機材、用品
イソギンチャク飼育は、海水魚飼育に必要な機材、用品に追加して、カルシウムリアクター、添加剤、イソギンチャク飼育に適した照明が必要となってきます。カルシウムリアクターと添加剤は無くてもイソギンチャクの飼育は可能です。ここに、オーバーフロー水槽、浄水器、クーラー、プロテインスキマー、ライブロック、ライブサンド、ヒーター、水中ポンプ、塩分濃度計、バケツ、ウールマット、人工海水など海水魚飼育にも必要な機材や用品が加わってきます。より自動化させた水槽環境を実現する際には、自動給水器、電磁弁が必要です。オーバーフロー水槽を自作する際には、水槽用の配管パーツが必要となってきます。
イソギンチャク飼育におすすめのオーバーフロー水槽
イソギンチャク飼育におすすめなオーバーフロー水槽を30センチ、45センチ、60センチ、90センチ、120センチサイズ別に比較することができます。オーバーフロー水槽は、サイズが大きくなるにつれて、とても高額になってきます。オーバーフロー水槽が崩壊したり、水槽に付属する機材が故障すると、飼育している海水魚、珊瑚、イソギンチャク、マリンプランツが死んでしまう可能性があるので、万が一何かトラブルが発生した際にも、サポート体制がシッカリとしている店舗で購入するのがおすすめです。インターネット通販で販売されているオーバーフロー水槽は、組み立てが簡単なので、届いたその日に水槽のセッティングを開始することができます。詳細は、以下のページでまとめています。
マリンアクアリウム飼育方法
海水魚、珊瑚(ソフトコーラル、ハードコーラル)、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育方法について、以下のページでそれぞれまとめています。
マリンアクアリウム飼育機材
海水魚、珊瑚(ソフトコーラル、ハードコーラル)、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育に必要な機材や用品などについて、以下のページでそれぞれまとめています。