ハタゴイソギンチャクとは
ハタゴイソギンチャクは、カクレクマノミが好んで共生するイソギンチャクの仲間です。他のイソギンチャクよりも毒性が非常に強く、人の手で触れると触手に刺されて手が腫上がったり、触れた後にチクチク痛む事もあります。ダイビングをやられる方はご存じかもしれませんが、自然界には更に強力な毒を持ったウンバチイソギンチャクという種類もいます。このイソギンチャクに刺されると入院してしまうほどです。ハタゴイソギンチャクは、そこまでの毒はありません。ただし、水槽で飼育できるイソギンチャクの中では、一番毒性が強いイソギンチャクとなります。
目次
英語、学名
ハタゴイソギンチャクの学名は、”Stichodactyla gigantea”です。
自然界の生息地
沖縄以南の暖かい海域に生息しています。日本国内に輸入されるハタゴイソギンチャクもインドネシアを中心とした海域からやってくる個体がほとんどです。自然界には、直径1メートル近くにも広がる巨大なハタゴイソギンチャクも生息しています。
インドネシア現地では、太陽の光が届く水深10メートルに満たない場所に生息していました。以前、石垣島でダイビングをした時は、水深2メートルから5メートルぐらいの場所でも生息を確認することができました。水槽の飼育環境下においては、あまり移動しないイメージがありますが、自然界においては、日が昇る日中の時間帯は太陽の光が沢山当たる場所に移動し、夜間になると岩場の影に隠れて身を潜めている姿をナイトダイビングで確認したこともあります。
自然界では、砂地に潜っていたとしても必ず足盤は岩に張り付いています。岩場や藻場といったような場所で、なおかつ太陽の光が届く場所を好んで生息しています。
ハタゴイソギンチャクを飼育するには、自然界でどのような場所に生息しているのかを確認するのもとても重要な事だと思います。
ハタゴイソギンチャクが生息している場所については、以下の場所で詳しくまとめています。
ハタゴイソギンチャクの採取
15年から20年ぐらい前は、よく薬物採取されているという情報がありました。シマヤッコについても同じような事が言われることがありますが、薬物採取されている事を目撃していない限り、それは単なる推測にすぎないと思います。飼育する立場においては、販売されている生体を見極め、状態が優れた個体を選択する事が最優先です。現在、国内、海外から流通するハタゴイソギンチャクは、ほとんど全てハンドコートされた固体になっているためとても状態が優れた固体が多いです。私がイソギンチャク飼育を始めた2000年頃に販売されていたハタゴイソギンチャクと比較すると、その差は歴然としています。
ハンドコートとは?
ハンドコートとは、人間の手によって生体が採取される事です。ハタゴイソギンチャクは、足盤が強く、なかなかライブロックから剥がすことができない事を経験されたことがあるかと思います。自然界から採取する時も同様で、入り組んだライブロックの隙間に潜むハタゴイソギンチャクを採取する事はとても大変な事です。ただ、実際に採取している方々とお話しをすると、よっぽど入り組んだ場所で無い限りは、採取は簡単とのことでした。採取時には、目視で確認ができるか?という点と、手を伸ばした時に生体に触れることができるか?がもっとも大きなポイントで、手が触れることができれば、採取している方々はみな「きっかけ」と呼ぶのですが、シールをはがすように、ライブロックから足盤をはがす際に、一か所でも剥がしやすくなるポイントさえ作ってしまえば、どんなハタゴイソギンチャクでも採取は可能ということでした。
自然界の様子
実際に自然界に生息するハタゴイソギンチャクの映像です。生息環境の特徴をよく捉えていると感じました。何も隔たりの無い自然界の海で生育しているハタゴイソギンチャクは、のびのびしているように感じます。
「ハタゴイソギンチャクとは」についてのご紹介は以上です。次に、「ハタゴイソギンチャクの選び方」についてご紹介いたします。
ハタゴイソギンチャクの長期飼育に関して
カクレクマノミがもっとも共生する相性がよいイソギンチャクといえば、ハタゴイソギンチャクです。ハタゴイソギンチャクを長年飼育する愛好家として、今までの飼育を通じて感じた事や実体験を本ページでは記載しております。他に飼育されている方はまた違った意見等があるかもしれません。ショップやメーカーさんであれば、もっとよいアドバイスをしてくれるかもしれません。遠く離れた海の中からやってくるハタゴイソギンチャクを少しでも大切に長く飼育できるよう、初めてハタゴイソギンチャクを飼育される方や、なかなかハタゴイソギンチャクが上手く飼育できない方向けに、お役に立てればと思いまとめています。
関連記事:ハタゴイソギンチャクの長期飼育に関してイソギンチャクの飼育
イソギンチャクといえば、誰もがあこがれる飼育環境下で行うカクレクマノミとの共生です。以下でご紹介するイソギンチャクは、全て我が家の自宅で飼育してきたイソギンチャクになります。イソギンチャクは、海水魚や珊瑚、マリンプランツ(海藻、海草)と比較しても独特の生き物で、実際に飼育経験を積んでいかないと、生体の見極めや、長期飼育が難しい生き物です。ただし、飼育環境さえ整えてしまえば、飼育が難しいとされるハタゴイソギンチャクでも、10年以上飼育する事も可能です。実際に私の周りには10年以上、ハタゴイソギンチャクを飼育しているベテランのアクアリストが今なお飼育を継続して存在します。イソギンチャクと並んで人気のカクレクマノミの飼育については、以下のページでまとめています。カクレクマノミも、もう10年ぐらい今もなお継続して、長期飼育しています。
イソギンチャクの飼育機材、用品
イソギンチャク飼育は、海水魚飼育に必要な機材、用品に追加して、カルシウムリアクター、添加剤、イソギンチャク飼育に適した照明が必要となってきます。カルシウムリアクターと添加剤は無くてもイソギンチャクの飼育は可能です。ここに、オーバーフロー水槽、浄水器、クーラー、プロテインスキマー、ライブロック、ライブサンド、ヒーター、水中ポンプ、塩分濃度計、バケツ、ウールマット、人工海水など海水魚飼育にも必要な機材や用品が加わってきます。より自動化させた水槽環境を実現する際には、自動給水器、電磁弁が必要です。オーバーフロー水槽を自作する際には、水槽用の配管パーツが必要となってきます。
イソギンチャク飼育におすすめのオーバーフロー水槽
イソギンチャク飼育におすすめなオーバーフロー水槽を30センチ、45センチ、60センチ、90センチ、120センチサイズ別に比較することができます。オーバーフロー水槽は、サイズが大きくなるにつれて、とても高額になってきます。オーバーフロー水槽が崩壊したり、水槽に付属する機材が故障すると、飼育している海水魚、珊瑚、イソギンチャク、マリンプランツが死んでしまう可能性があるので、万が一何かトラブルが発生した際にも、サポート体制がシッカリとしている店舗で購入するのがおすすめです。インターネット通販で販売されているオーバーフロー水槽は、組み立てが簡単なので、届いたその日に水槽のセッティングを開始することができます。詳細は、以下のページでまとめています。
マリンアクアリウム飼育方法
海水魚、珊瑚(ソフトコーラル、ハードコーラル)、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育方法について、以下のページでそれぞれまとめています。
マリンアクアリウム飼育機材
海水魚、珊瑚(ソフトコーラル、ハードコーラル)、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育に必要な機材や用品などについて、以下のページでそれぞれまとめています。