ハタゴイソギンチャクに適した飼育環境
ハタゴイソギンチャクを状態よく年単位での飼育を行なっている水槽環境をご紹介いたします。ハタゴイソギンチャクを長く飼育する際に必要だと感じるのは、オーバーフロー水槽を採用した水槽環境を準備し、浄水器を利用して純度が高い水に人工海水を入れて飼育水を作る点と、ハタゴイソギンチャクの飼育に適した照明を選定するという点です。イソギンチャク飼育に必要な機材と用品ページにもイソギンチャク飼育に必要な機材や用品についてご紹介していますが、本ページではハタゴイソギンチャクを長期飼育する上で理想的な水槽環境について、ご紹介いたします。
目次
ハタゴイソギンチャク飼育に適した飼育環境
ハタゴイソギンチャクを長期飼育する際に必要となってくる飼育機材は、以下の通りとなります。
カルシウムリアクターについては、無くてもハタゴイソギンチャクの長期飼育には支障がありません。ハタゴイソギンチャクが飼育できない!過去の飼育経験から感じることページや、調子が悪いハタゴイソギンチャクの状態ページでまとめているように、ハタゴイソギンチャクは、急激な水槽内の環境変化に敏感です。特に冬場、外気が乾燥する日が長く続くと、水槽内の水が蒸発して、塩分濃度が上昇してしまいます。理想は、トリトンシステムを採用した環境に、自動給水システムで水槽内の水が蒸発したら自動給水される仕組みがあると最適なのですが、なかなかそこまで飼育環境を整えることができない場合は、海水魚、珊瑚、イソギンチャク飼育の水作りと水合わせ、温度合わせ手順ページで紹介しているような水合わせキットを利用して蒸発した分の水を足して、水槽内に急激な水質の変化を発生させないようにしてあげることが、長期飼育の秘訣です。特にハタゴイソギンチャクを年単位での長期飼育を行なう際には、照明の選定がとても大切になってきます。ハタゴイソギンチャクの飼育に適した照明については、以下のページでまとめています。
ハタゴイソギンチャクが好む水槽環境
ハタゴイソギンチャクを長期飼育する際に必要となってくる機材の次は、ハタゴイソギンチャクが好む水槽環境についてまとめてみたいと思います。
水流の必要性
水流はあった方が状態がよいです。私は現在オーバーフロー水槽でハタゴイソギンチャクを7個体飼育しています。試しに2週間ほど、パワーヘッッドを停止させてみて生体の様子を観察していたのですが、調子はイマイチでした。流れはあった方がよいです。ただ、パワーヘッドの水流が直接生体に当たることは避けた方がよいです。ハタゴイソギンチャクの飼育に適切な水流が把握できるように、私の水槽の映像を以下にアップします。※音が出ますので、会社のパソコンなどで再生する場合はご注意ください。
温度調整の必要性
水温は25℃付近が常時保たれるようにする必要があります。夏場はクーラー、冬場はヒーターが必要です。
エアレーションの必要性
エアレーションを行う必要はありません。ハタゴイソギンチャクは、口から排泄物して、飼育水を汚してしまいます。タンパク質の状態で物理濾過ができるように、プロテインスキマーを設置する必要があります。
クーラーの必要性
クーラーは必要です。水槽内に取り付けられていない方は、できれば3月ぐらいのタイミングで設置した方がおすすめです。遅くても5月の上旬には、クーラーを設置しておかないと、水槽内の水温上昇により、水温上昇により、ハタゴイソギンチャクが死んでしまいます。
ヒーターの必要性
冬場はヒーターが必要です。理想は、イソギンチャクや他の生体にヒーターが接触しないように、濾過槽内にヒーターを設置することです。
ライブロックの必要性
大き目のハタゴイソギンチャクの場合
大き目のハタゴイソギンチャクの場合は、ライブロックの面が平らの方が、足底がシッカリと活着し安定して動きません。枝状だと定着する場合もあるのですが、ハタゴイソギンチャクが落ちつかず、気が付くと水槽のガラス面にぺったり張り付いてしまったということが何度かありました。個体差にももしかしたらよるかもしれませんが、過去の飼育経験からは、ライブロックの面が平らの方が安定して飼育することができました。
上記はコーラルラボさんで購入したライブロックです。手前の赤丸箇所が平らな状態になっているのが、ご確認いただけるかと思います。奥の足底がしっかり定着して胴体を伸ばしているハタゴイソギンチャクに活着しているライブロックも奥は平らになっています。
小さ目のハタゴイソギンチャクの場合
小さ目のハタゴイソギンチャクの場合は、逆に入り組んだ枝状ライブロックの方が落ちついて定着してくれました。ライブロックの面が平らだと、小さ目の個体は逆に動き回り、落ちつく場所を探し回る動きをすることが多い気がします。小さい個体だと、枝状ライブロックの方が胴体も隠れておちつくのかな?という印象を今まで受けてきています。
センターのグリーンの個体では無く、右側のノーマル個体の方が入り組んだ枝状ライブロッククに活着しています。でもこのハタゴイソギンチャク、一見ノーマル風に見えるんですけれど、パープルっぽい模様とグリーンの模様もまだらに入るなかなか珍しい個体です。
海水魚も珊瑚もそうですけれど、あまり他の人が見向きもしないだろうなと思う個体の中から、一味違う生体を探し出して手に入れるのがとても好きです。
枝状ライブロックは、スプラッシュさんでしか私は購入したことがありません。枝といっても一本の棒のような形状では無く、入り組んだ形状のものが数多く販売されています。ネット注文の際に、要望を伝えると要望にあわせた形状をスタッフのみなさんが選定してくれます。ライブロックについては、以下のページでまとめています。
水替えの必要性
水槽の水が汚れた場合は、水替えを行う必要があります。特に小さな水槽の場合は水量が少ないため、水槽内の水質悪化が進むスピードも速いです。コーラルラボの「Labo-Rium60」を利用すると、足し水をしながらハタゴイソギンチャクを飼育することが可能です。ただし、正しい知識を持ち合わせておく必要があります。
水合わせの必要性
ハタゴイソギンチャクも生き物ですので、急激な水質・水温変化にはストレスを与えてしまいます。ショップから購入後は温度合わせ、水合わせを行ってから水槽へ入れた方がよいです。温度合わせは袋にハタゴイソギンチャクを入れたまま最低30分行った方がよいです。そのあと、袋に入ったハタゴイソギンチャクを袋に入っている海水ごとバケツなどに入れ、エアーチューブとコックを利用して少しづつ水槽の海水をバケツに送りながら慎重に水合わせをおこなっていきます。せっかく購入したハタゴイソギンチャクですから、水槽投入時は慎重すぎるほど慎重に対応しておいた方が後悔することなくハタゴイソギンチャクの飼育を続けることができると思います。
関連記事:海水魚、珊瑚、イソギンチャク飼育の水作りと水合わせ、温度合わせ手順
硝酸塩濃度が低い環境の必要性
硝酸塩濃度は、どのような生体であっても低めをキープする必要があります。よく水替え時に水道水を利用している方をみかけますが、水道水には硝酸塩が既に含まれています。水替えをしているようで、硝酸塩を更に水槽へ入れている事になりますので、ハタゴイソギンチャク(海水魚、珊瑚も)を長期飼育するのであれば、浄水器を利用して純水を生成した方が望ましいと思います。
底砂の必要性
ハタゴイソギンチャクは、自然界においてサンゴ砂の上に生息していると思っている方がいるようなのですが、サンゴ砂の上に生息していたとしても足盤は、ライブロックに活着しています。私は水槽が汚れるのが嫌いなので、ベアタンクで飼育を行っています。サンゴ砂が水槽内になくても、年単位での飼育は可能です。
ベアタンクでの飼育
ベアタンクであったとしてもハタゴイソギンチャクの飼育は特に問題ありません。ただし、私はベアタンクの底の汚れを除去するためにパワーヘッドを設置しています。パワーヘッドを設置している場合は、ハタゴイソギンチャクが巻き込まれないように注意が必要です。
ハタゴイソギンチャクを年単位で飼育している自宅の水槽環境
私がハタゴイソギンチャクを飼育する際に利用している実際の飼育環境は、以下の内容となります。
本ページで記載している記事は、以下の水槽スペックで実際に飼育した経験を元に記載しています。飼育環境を選定する際の参考情報としてください。
「ハタゴイソギンチャクに適した飼育環境」のご紹介は以上です。次にハタゴイソギンチャクの餌について、以下のページでまとめています。
ハタゴイソギンチャクの長期飼育に関して
カクレクマノミがもっとも共生する相性がよいイソギンチャクといえば、ハタゴイソギンチャクです。ハタゴイソギンチャクを長年飼育する愛好家として、今までの飼育を通じて感じた事や実体験を本ページでは記載しております。他に飼育されている方はまた違った意見等があるかもしれません。ショップやメーカーさんであれば、もっとよいアドバイスをしてくれるかもしれません。遠く離れた海の中からやってくるハタゴイソギンチャクを少しでも大切に長く飼育できるよう、初めてハタゴイソギンチャクを飼育される方や、なかなかハタゴイソギンチャクが上手く飼育できない方向けに、お役に立てればと思いまとめています。
関連記事:ハタゴイソギンチャクの長期飼育に関してイソギンチャクの飼育
イソギンチャクといえば、誰もがあこがれる飼育環境下で行うカクレクマノミとの共生です。以下でご紹介するイソギンチャクは、全て我が家の自宅で飼育してきたイソギンチャクになります。イソギンチャクは、海水魚や珊瑚、マリンプランツ(海藻、海草)と比較しても独特の生き物で、実際に飼育経験を積んでいかないと、生体の見極めや、長期飼育が難しい生き物です。ただし、飼育環境さえ整えてしまえば、飼育が難しいとされるハタゴイソギンチャクでも、10年以上飼育する事も可能です。実際に私の周りには10年以上、ハタゴイソギンチャクを飼育しているベテランのアクアリストが今なお飼育を継続して存在します。イソギンチャクと並んで人気のカクレクマノミの飼育については、以下のページでまとめています。カクレクマノミも、もう10年ぐらい今もなお継続して、長期飼育しています。
イソギンチャクの飼育機材、用品
イソギンチャク飼育は、海水魚飼育に必要な機材、用品に追加して、カルシウムリアクター、添加剤、イソギンチャク飼育に適した照明が必要となってきます。カルシウムリアクターと添加剤は無くてもイソギンチャクの飼育は可能です。ここに、オーバーフロー水槽、浄水器、クーラー、プロテインスキマー、ライブロック、ライブサンド、ヒーター、水中ポンプ、塩分濃度計、バケツ、ウールマット、人工海水など海水魚飼育にも必要な機材や用品が加わってきます。より自動化させた水槽環境を実現する際には、自動給水器、電磁弁が必要です。オーバーフロー水槽を自作する際には、水槽用の配管パーツが必要となってきます。
イソギンチャク飼育におすすめのオーバーフロー水槽
イソギンチャク飼育におすすめなオーバーフロー水槽を30センチ、45センチ、60センチ、90センチ、120センチサイズ別に比較することができます。オーバーフロー水槽は、サイズが大きくなるにつれて、とても高額になってきます。オーバーフロー水槽が崩壊したり、水槽に付属する機材が故障すると、飼育している海水魚、珊瑚、イソギンチャク、マリンプランツが死んでしまう可能性があるので、万が一何かトラブルが発生した際にも、サポート体制がシッカリとしている店舗で購入するのがおすすめです。インターネット通販で販売されているオーバーフロー水槽は、組み立てが簡単なので、届いたその日に水槽のセッティングを開始することができます。詳細は、以下のページでまとめています。
マリンアクアリウム飼育方法
海水魚、珊瑚(ソフトコーラル、ハードコーラル)、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育方法について、以下のページでそれぞれまとめています。
マリンアクアリウム飼育機材
海水魚、珊瑚(ソフトコーラル、ハードコーラル)、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育に必要な機材や用品などについて、以下のページでそれぞれまとめています。