シマヤッコ×スミレヤッコハイブリッドの飼育について
シマヤッコとスミレヤッコのハイブリッド個体です。過去2回、日本と海外で本種が泳ぐ姿を確認したことがあります。自然界での生息数でみれば、ハイブリッドということもあり、ペパーミントエンゼルよりも希少価値は高いような気がします。この海水魚にめぐりあえた方は非常に幸せだと思います。
シマヤッコとスミレヤッコが交配すると、こんなにも美しい模様が生まれるのかっと自然界の神秘を感じ取れる素晴らしい海水魚です。この交配種が世の中に誕生する確率、自然界でここまで成長する確率、採取され日本国内に入荷する確率は一体どれほどの値になるのだろうかとも思ってしまいます。生態系や飼育方法については、未知ですが、シマヤッコ、スミレヤッコに準拠すると思われます。
ヤッコの仲間は性格がキツイ種類が多いため、混泳を実現したい場合は、大きなサイズの水槽を用意し、小型ヤッコであればライブロックで複雑な形状を組み上げて隠れ家を作り、水槽にはあまり多くの海水魚を入れないのが理想です。大型ヤッコの場合は、大型のオーバーフロー水槽でベアタンクを作り、水槽内で縄張り争いが発生しないように、ライブロックの数を減らして飼育するという手段もあります。ヤッコの飼育におすすめなオーバーフロー水槽、ライブロック、ヤッコの混泳については、以下のページでまとめています。
目次
シマヤッコ、スミレヤッコハイブリッドについて
全長(最大)
12cm
生息分布
西部太平洋
映像
飼育難易度
シマヤッコ、スミレヤッコハイブリッドは、珊瑚をよく突っつくので珊瑚水槽での飼育は避けた方が無難です。もし、珊瑚水槽でシマヤッコ、スミレヤッコハイブリッドを飼育する際には、小型のシマヤッコ、スミレヤッコハイブリッドを選ぶのがおすすめです。飼育は容易で、落ち着いた飼育環境であればすぐに餌付いてくれます。
性格
優しい:
水槽に慣れるとヤッコ本来の凶暴さを出します。
混泳
難しい:
餌付け
難しい:
珊瑚との相性
危険:
飼育環境
水換え頻度
飼育する水槽環境によって、水換えを行う頻度が異なってきます。水換え頻度については、以下のページでまとめています。
水換え頻度について
ライブロック
ライブロックは、水槽内での生物濾過を実現したり、隠れ家としても機能を果たすので、水槽内にあった方がおすすめです。
ライブロックの特徴、選定
ライブサンド
ライブサンドは、水槽内での生物濾過を実現し、生体が水槽内で過ごし易い環境を作り上げることができます。ライブサンドの特徴や、水槽サイズ別に必要となるライブサンドの量について、以下のページでまとめています。
ライブロックの特徴、選定
プロテインスキマーの設置
プロテインスキマーは、ライブロック、ライブサンドで実現する生物濾過とは異なり、水槽内に溜まった目に見えるぐらいの汚れを物理的に除去するといった役割を持つため、設置した方が状態よく飼育することができます。
プロテインスキマーの特徴、選定
殺菌灯の設置
殺菌灯は水槽内の病原菌を紫外線の力で除去できる機材です。白点病を防ぐためにも殺菌灯の設置がおすすめです。殺菌灯の特徴や選定については、以下のページでまとめています。
殺菌灯の特徴、選定
白点病治療
海水魚の飼育で一番多い病気が、白点病です。万が一、白点病になってしまった場合の治療方法について、以下のページでまとめています。
海水魚の白点病治療
浄水器の設置
より海に近い環境で長期飼育を目指す場合には、水道水の不純物を取り除ける浄水器を設置するのがおすすめです。浄水器の特徴や選定については、以下のページでまとめています。
浄水器の特徴、選定
オーバーフロー水槽での飼育
水槽の水量が多いほど、急激な水槽内の環境変化から生体をまもり、状態よく飼育することができます。生体の長期飼育を目指すなら、オーバーフロー水槽での飼育がおすすめです。
オーバーフロー水槽の特徴、選定
シマヤッコ、スミレヤッコハイブリッドを飼育する上で必要な飼育環境については、以下のページにまとめています。
餌
シマヤッコ×スミレヤッコハイブリッドの餌付けを行う際に、シマヤッコ×スミレヤッコハイブリッドが人工餌に餌付いているのか?それとも餌付いていないのか?によって、対応が異なってきます。
人工餌に餌付いている場合
シマヤッコ×スミレヤッコハイブリッドが人工餌に餌付いている場合は、何も問題ありません。人工餌を与えるのみです。ただし、人工餌にも様々な種類があります。シマヤッコ×スミレヤッコハイブリッドに限らず、海水魚の飼育を行い場合、飼育が簡単、難しいを気にするよりも、自然界でどのような生活をしているのか?を知る方が大切だと思っています。
ヤッコは雑食性がほとんどですが、チョウチョウウオの種類になると、ポリプ食性やプランクトン食性がいます。
つまり、草しか食べない生体に肉を与えても食べないですし、仮に食べたとしても、それは本来その生体に適さない餌になると思います。
シマヤッコおよびスミレヤッコは、自然界において以下の食性です。
藻類、海綿、ホヤ、底生無脊椎動物、小型の甲殻類等を捕食する雑食性
シマヤッコ×スミレヤッコハイブリッドを維持する際に適した人工餌は、メガバイトグリーンです。人工餌の成分に、草食性分と、水槽飼育環境下においてもシマヤッコ×スミレヤッコハイブリッドがよく食べるヨコエビである甲殻類の成分が配合されています。つまり、草食寄りの雑食性であるシマヤッコ×スミレヤッコハイブリッドにとって、最適な人工餌だと思います。
おすすめの人工餌
メガバイト、ヤッコの餌付け方法、海水魚におすすめの餌については、それぞれ以下のページでまとめています。
シマヤッコ×スミレヤッコハイブリッドが人工餌に餌付いていない場合
シマヤッコ×スミレヤッコハイブリッドが人工餌をなかなか食べてくれない場合、私は以下の手順を踏むようにしています。
- 工程1:冷凍餌を与える。
- 工程2:冷凍餌を食べない場合活餌を与える。
- 工程3:活餌を食べたら冷凍餌に慣れさせる。
- 工程4:冷凍餌を食べたら乾燥餌にする。
- 工程5:乾燥餌を食べたら一度フレーク状の人工餌を与えてみる。
- 工程6:フレーク状の人工餌を食べたら粒状の餌を与える。
それぞれの工程について、詳しく解説していきたいと思います。
工程1:冷凍餌を与える
冷凍餌でおすすめなのが、冷凍キョーリンクリーンホワイトシュリンプになります。与え方は以下の通りとなります。
冷凍ブラインシュリンプ
餌付け用スポイト
冷凍餌の与え方
- ブロック状に凍ったホワイトシュリンプの一塊を紙コップなど別の容器に入れる。
- スポイトで水槽内の海水を吸い上げて、紙コップに入ったホワイトシュリンプに注ぐ。
- 海水によって溶けたホワイトシュリンプは、紙コップ内でバラバラになる。
- バラバラになったホワイトシュリンプをスポイトを利用して紙コップから吸い上げ、水槽内にいるシマヤッコ×スミレヤッコハイブリッドに少しずつ注ぎながら与える。
工程2:冷凍餌を食べない場合活餌を与える
冷凍餌を食べない場合は活餌です。私が過去試してきた活餌をご紹介いたします。
ライブコペポーダー
とってもよく食べます。シマヤッコ×スミレヤッコハイブリッドもそうですが、餌付き辛いチョウチョウウオの仲間や、ハナゴイ、ハナダイの仲間に対しても、とっても有効な活餌です。
ヨコエビ
袋の底面に沢山ヨコエビが溜まっています。ヨコエビもヤッコの仲間は喜んで飛びつくようによく食べます。
ブラインシュリンプ
昔学習教材の付録に付いていたシーモンキーですね。と言って通じる方は、40代付近かと思います。生きたブラインシュリンプもとってもよく食べます。
以前、カクレクマノミの繁殖を自宅で行っていた際にブラインシュリンプを育てていた頃があり、その際にシマヤッコ×スミレヤッコハイブリッドにもブラインシュリンプを与えていました。
シマヤッコ×スミレヤッコハイブリッドに有効な活餌は、ライブコペポーダー、ヨコエビ、ブラインシュリンプの3種類です。でも、なかなか活餌はネット上から入手しずらくなっているので、リフジウム水槽を利用して水槽内にシマヤッコ×スミレヤッコハイブリッドがとてもよく食べるヨコエビなどを発生させるのが、一番効率的です。
ブラインシュリンプも自宅で育てられますが、クマノミの養殖を行っているなど他で利用する用途が無い限りは結構面倒です。
工程3:活餌を食べたら冷凍餌に慣れさせる
活餌を食べたら、冷凍餌を与えてあげます。冷凍餌のおすすめは、工程1で記載した通り、冷凍キョーリンクリーンホワイトシュリンプです。
工程4:冷凍餌を食べたら乾燥餌にする
例と餌の冷凍キョーリンクリーンホワイトシュリンプを食べたら、次は乾燥餌です。乾燥餌は、ブラインシュリンプを乾燥させたキョーリン ビタミン ブラインシュリンプを利用しています。
乾燥ブラインシュリンプ
餌付け用スポイト
与え方は、以下の通りです。
乾燥餌の与え方
- 冷凍餌を与えるのと同じ要領で、紙コップなどに指で砕いた乾燥餌を入れる。
- スポイトで水槽内の海水を吸い上げて、乾燥餌が入った紙コップの中に注ぎ込む。
- 海水がなじんだ乾燥餌をスポイトで紙コップから吸い上げて水槽内に少しずつ注いぎながら与える。
工程5:乾燥餌を食べたら一度フレーク状の人工餌を与える
乾燥餌に餌付いたら、次は粒餌に行く前に、フレーク状の人工餌を与えます。理由は、フレーク状の餌は、水槽内で冷凍餌や乾燥餌のようにフワフワと漂うので、冷凍餌、乾燥餌に餌付いたシマヤッコ×スミレヤッコハイブリッドが冷凍餌、乾燥餌に間違えて、フレーク状の餌をついばみ始めます。私がいつも与えているフレーク状の餌は、テトラ マリン メニューです。
フレーク状の人工餌
餌付け用スポイト
フレーク状の餌は、そのまま与えてしまうと水面に浮いてしまうので、乾燥餌、冷凍餌と同じ要領で以下の手順で与えます。
人工餌(フレーク)の与え方
- 冷凍餌を与えるのと同じ要領で、紙コップなどに指で砕いた人工餌(フレーク)を入れる。
- スポイトで水槽内の海水を吸い上げて、人工餌(フレーク)が入った紙コップの中に注ぎ込む。
- 海水がなじんだ乾燥餌をスポイトで紙コップから吸い上げて水槽内に少しずつ注いぎながら与える。
工程6:フレーク状の人工餌を食べたら粒状の餌を与える
ここまでくれば、あとは、メガバイトグリーンを与えるのみです。
ヤッコの飼育を行う場合は、サブ水槽でリフジウムを作ってしまうのが、一番手っ取り早いかなっと思います。
ヤッコの飼育において、よく生餌としてアサリのむき身を与える方のお話を伺うことがあるのですが、海外の書籍はほぼ全て、シマヤッコ×スミレヤッコハイブリッドは自然界において、藻類、海綿、ホヤ、底生無脊椎動物、小型の甲殻類等を捕食する雑食性の海水魚と記載されています。
アサリのむき身はどちらかというと雑食性の中でも肉食性が強い魚に対して与える餌だと思う気がするので、シマヤッコ×スミレヤッコハイブリッドが突っついたとしても、あまり餌としては好ましくない気がします。私は与えた事がありません。
価格相場
不明
価格相場はあくまで目安です。生体の入荷状況や販売店舗などによって異なります。詳しくは以下の通販サイトより、最新の価格をご確認ください。
通販
通販サイトで購入ができる価格が安いシマヤッコ×スミレヤッコハイブリッドを以下のページからご確認いただけます。該当の商品が存在しない場合は、商品が何も表示されない場合や、他の商品が表示される場合があります。
シマヤッコ×スミレヤッコハイブリッドが入荷するマニラ便で入荷するマニラ産シマヤッコと特徴がよく似たシマヤッコで、バリ産のシマヤッコがいます。バリ産のシマヤッコは、以下のページでご紹介しています。
シマヤッコ×スミレヤッコハイブリッドに関する飼育方法のご紹介は以上となります。次にスミレヤッコの飼育方法をご紹介いたします。 関連記事:スミレヤッコの飼育について
おすすめの生体
人気のショップ
種類別ヤッコの飼育
ヤッコの魅力といえば、水槽内のレイアウトの隙間をスルスルとかいくぐりながら泳ぐ姿と、体の模様の美しさにあります。特に人気のヤッコは、シマヤッコ、ニシキヤッコ、スミレヤッコです。以前は、なかなか餌付き辛い種類もいましたが、無理な混泳をさせずに、落ち着いた水槽環境を準備してあげれば、昔ほど餌付けが難しいと感じるヤッコが少なくなった気がいたします。よくフレームエンゼル、レモンピールエンゼルなどが飼育がし易い初心者ヤッコとして紹介される事が多いですが、ヤッコの飼育難易度は、よっぽど水深深くから引き上げられ、輸送のストレスを受けている個体でなければ、それほど差は無いと感じます。自然界での食性を把握し、落ち着いた環境で時間をかけて飼育してあげる事が大切だと感じます。
海水魚の飼育
特に人気が高い海水魚の飼育方法をご紹介しています。海水魚飼育を始められる方は、まずはカクレクマノミとイソギンチャクの共生から入り、マリンアクアリウムにハマると、ヤッコ飼育へと流れていく方が多くいます。チョウチョウウオは人工餌に餌付き辛い種類が多く、初心者の方にはおすすめしません。ハナゴイ、ハナダイの仲間は、性格がおとなしく、群れで水槽内を泳ぐのと、丈夫な種類が多いのと、珊瑚との相性も良く色合いも綺麗なことから、初心者の方にもおすすめの海水魚になります。海水魚の種類別飼育方法については、以下のページでご紹介しています。
海水魚の餌
マリンアクアリウムを行う上で、生体別に適したおすすめな餌の区分について整理していきたいと思います。なお以下の整理内容は、私自身の過去のマリンアクアリウム経験をもとにまとめているため、他の方がまとめたらまた別の視点になるかもしれません。海水魚の餌選定において、一番重要となってくるのは、自然界において生体が何を捕食していて、雑食性なのか?草食性なのか?ポリプ食?プランクトン食?なのかをシッカリと理解することです。自然界における生体の捕食性を理解した上で、餌を選定していきたいと思います。また、厳密には乾燥餌、冷凍餌については、加工のタイミングで人の手が入っているので、広域では人工餌に分類されると思うのですが、分かりやすい分類という観点で、それぞれ分けて整理していきたいと思います。海水魚の餌については、以下のページでご紹介しています。
海水魚の白点病
海水魚の白点病治療は、オキシドール、ニチドウグリーンFゴールド、淡水浴、水換え、放置、自然治癒など様々試みている人がいますが、過去に私自身が行ってきた治療方法を交えながら、白点病の原因と対策についてご紹介いたします。写真は、我が家の水槽で、白点病になってしまったゴールデンバタフライの写真です。チョウチョウウオの飼育は、特に白点病になりやすいので、注意が必要です。写真のゴールデンバタフライの体表に白い点々が付いているのが分かるかと思います。白点病とは、魚を飼育する人であれば、誰でも経験する魚の病気です。初心者の方であっても、ベテランの方であっても、海水魚を販売するショップでさえも白点病に悩まされています。過去行ってきた白点病の治療方法について以下のページでご紹介いたします。
海水魚の飼育機材、用品
海水魚飼育に必要な機材と用品についてまとめています。海水魚を状態よく長期飼育したい場合は、オーバーフロー水槽、浄水器、クーラー、プロテインスキマー、ライブロック、ライブサンド、ヒーター、水中ポンプ、塩分濃度計、バケツ、ウールマット、人工海水などが必要となってきます。また、より自動化させた水槽環境を実現する際には、自動給水器、電磁弁が必要です。オーバーフロー水槽を自作する際には、水槽用の配管パーツが必要となってきます。海水魚を飼育する上で必要な飼育機材や用品については、以下のページでご紹介いたします。
海水魚飼育におすすめのオーバーフロー水槽
海水魚飼育におすすめなオーバーフロー水槽を30センチ、45センチ、60センチ、90センチ、120センチサイズ別に比較することができます。オーバーフロー水槽は、サイズが大きくなるにつれて、とても高額になってきます。オーバーフロー水槽が崩壊したり、水槽に付属する機材が故障すると、飼育している海水魚、珊瑚、イソギンチャク、マリンプランツが死んでしまう可能性があるので、万が一何かトラブルが発生した際にも、サポート体制がシッカリとしている店舗で購入するのがおすすめです。インターネット通販で販売されているオーバーフロー水槽は、組み立てが簡単なので、届いたその日に水槽のセッティングを開始することができます。詳細は、以下のページでまとめています。
マリンアクアリウム飼育方法
海水魚、珊瑚(ソフトコーラル、ハードコーラル)、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育方法について、以下のページでそれぞれまとめています。
マリンアクアリウム飼育機材
海水魚、珊瑚(ソフトコーラル、ハードコーラル)、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育に必要な機材や用品などについて、以下のページでそれぞれまとめています。