バヌアツ産シマヤッコの飼育について
シマヤッコの中で一番人気のヤッコがバヌアツ産です。白い帯の幅が広く、白い帯の間に黄色いラインが入ります。近年は入荷が減っているのと、価格も高くなっています。バヌアツ産のシマヤッコがもっとも餌付き易いと言われる事があるのですが、そんな事は無く、生体が落ち着ける環境を容易してあげれば、産地による飼育難易度の差はありません。
年単位でシマヤッコを飼育していると、丸々肉厚になります。3枚目の写真が少しポップアイ風に見えますが、クレジットで入れてる白いフォント文字が邪魔してます。水槽に慣れ、丸々と太ったシマヤッコは、性格が優しいなんてもんっじゃありません。水槽内のボスとして、水槽内の食物連鎖のトップになるぐらいの凶暴さになります。貴重なバヌアツ産シマヤッコを飼育するのであれば、その姿を目の当たりにできるぐらい大切に育ててあげたいシマヤッコです。
目次
産地による見分け方
マニラ産とバリ産のシマヤッコの見た目はほとんど同じです。マーシャル産とミクロネシア産のシマヤッコの見た目もほとんど変わりがありません。マニラ産、マーシャル産、バヌアツ産シマヤッコの見分け方について、以下のページにまとめています。
長期飼育中のバヌアツ産シマヤッコ
2010年8月15日以前に水槽へ入れていたバヌアツ産シマヤッコが飼育2年以上をいつの間にか経過していました。現在水槽にいる生体は、年単位で飼育しているものが数多くいます。私が生体を飼育するにあたり気を使っていることは、「必要以上に生体(特に魚)を入れ過ぎない」、「レイアウトを変更し過ぎない」、「水槽にデトリタス(汚れ)が貯まる場所を作らない」この3点のみです。添加剤も入れなければ、水質の測定も最近はまったくしません。水槽の中を確認しながら、調子が良いのか悪いのかを判断しています。水換えもほとんどしていません。水換えは一ヵ月に一度ぐらいで、普段は蒸発した分の水を定期的に補充しているぐらいです。生体を年単位で飼育するためには、「安定している水槽に必要以上の手を入れない。」この一言に尽きる気がします。飼育2年以上を経過したバヌアツ産シマヤッコとあわせ本日の水槽の様子をご紹介します。調子が良い水槽を眺めていると気分が落ち着きます。
海水魚を飼育する上で理想の飼育環境および、水作り、水合わせについては、以下のページにまとめています。
バヌアツ産シマヤッコの状態
シマヤッコの中でも高価なバヌアツ産シマヤッコを購入する際に一番気になる点は、人工餌に餌付いているか?という点です。優れた状態のバヌアツ産シマヤッコは、購入時点で丸々太っています。こちらのバヌアツ産シマヤッコは、購入直後に水槽内で撮影した固体になります。餌食いバツグンで、丸々太っています。多分、私が過去に飼育してきたシマヤッコの中では一番状態の良さを感じます。
バヌアツ産シマヤッコの購入時の見極め方
バヌアツ産のシマヤッコです。60cm水槽の方にいるマニラ産と比較すると体色も体型もシッカリした感じです。バヌアツ産やマーシャル産のシマヤッコは餌付き易いと言われますが、餌付かない個体は餌付きません。購入時に状態の良い個体を選べるかどうかがその後餌付くかの分かれ道になります。何度も失敗と成功を繰り返す経験によって、餌付く個体と餌付かない個体が見極められてきます。餌付き易い個体を選ぶ際に私がいつも気にしている点は以下です。
- 隔離ケースもしくは水槽の中でそわそわせず落ち着いている個体。
- ライブロックや隔離ケースを突っつく仕草を見せる個体。
- 体表や瞳の輝きがよい個体。
- あとは経験から得られる感かも・・・。
経験値があると、購入時は餌付いていなくても「この個体は餌付く」という直感が何故かあります。今年は去年と比較するとバヌアツ産のシマヤッコを目にする機会が少ない気がします。っと記載したのは、昔のブログの話で、今入荷するバヌアツ産シマヤッコは、餌付く固体が多いと思います。っというか、バヌアツ産シマヤッコ、ほとんどもう入荷しません。我が家の水槽で、年単位で飼育しているバヌアツ産シマヤッコは、もしかしたら希少価値が高いかもしれません。
以下は、90cm水槽で餌付かせたバヌアツ産のシマヤッコの(かなり昔に撮影した)動画です。
混泳
誰もがあこがれるシマヤッコ同士の混泳。中でもバヌアツ産シマヤッコ同士の混泳を実現した人は多分あまりいないのでは?と思います。性格が優しいといえども、ヤッコなので、混泳は難しいです。ヤッコの混泳を行う際には、複雑なレイアウトを水槽内に組み上げて、弱い方の固体が逃げられる場所を作るか、シンプルなレイアウトで、縄張りが作れないようなレイアウトを組み上げるかのいずれかになるかと思います。ヤッコの混泳については、以下のページでまとめています。
関連記事:同種、異種、複数のヤッコを混泳させるコツは一体何か?
バヌアツ産シマヤッコの混泳を実現させている水槽の飼育設備は、以下の通りとなります。
本ページで記載している記事は、以下の水槽スペックで実際に飼育した経験を元に記載しています。飼育環境を選定する際の参考情報としてください。サンゴ水槽で飼育しているため、メタハラやカルシウムリアクターが設置されています。
もしもシマヤッコを2匹水槽内で混泳させるのであれば、90センチのオーバーフロー水槽がおすすめです。
バヌアツ産シマヤッコの餌付け
水槽には4匹のシマヤッコが混泳しています。90cm水槽にはバヌアツ産が2匹、60cm水槽にはマニラ産が2匹です。餌付き辛いシマヤッコといえども、状態がよい固体は、水槽の前に立つと一斉にシマヤッコが餌をねだって水槽前面に突進してきます。餌付いて状態のよいシマヤッコは、動きも俊敏で体の表面がキラキラ輝いてとても綺麗です。
餌付きにくいと言われているシマヤッコですが、一度餌付くととてもよく食べます。シマヤッコが上手く飼育できなかった頃は、「この餌にまったく無反応な魚は本当に人工餌を食べるんだろうか?」と思いながら何匹も落としてきたことがありますが、現在は丸々太ったバヌアツ産シマヤッコ×2匹とマニラ産シマヤッコ2匹を長期間混泳で飼育できています。写真ではわかり辛いですが、水槽慣れしたシマヤッコは、貫禄がありとても入荷されてきた状態とは正反対な印象です。
もし、入手したシマヤッコが餌付き辛い場合については、以下のページでシマヤッコの餌付け方法と手順についてまとめています。
シマヤッコの飼育方法
シマヤッコは、産地の違いによる飼育方法に違いはありません。実際にシマヤッコを10年近く長期飼育している愛好家の立場でまとめている「シマヤッコの長期飼育について」のページに、シマヤッコ飼育のノウハウをまとめていますので、ご参考にしてみてください。
シマヤッコに限らず、海水魚、珊瑚、イソギンチャク飼育については、様々な情報がネット上にはありますが、飼育方法が確立されているペットではないので、長期飼育できている人の意見を参考にしてみるとよいかと思います。海水魚、珊瑚、イソギンチャクの飼育方法と、飼育にあたり必要な機材等の設備については、以下のページでまとめています。
バヌアツ産シマヤッコの飼育環境
水換え頻度
飼育する水槽環境によって、水換えを行う頻度が異なってきます。水換え頻度については、以下のページでまとめています。
水換え頻度について
ライブロック
ライブロックは、水槽内での生物濾過を実現したり、隠れ家としても機能を果たすので、水槽内にあった方がおすすめです。
ライブロックの特徴、選定
ライブサンド
ライブサンドは、水槽内での生物濾過を実現し、生体が水槽内で過ごし易い環境を作り上げることができます。ライブサンドの特徴や、水槽サイズ別に必要となるライブサンドの量について、以下のページでまとめています。
ライブロックの特徴、選定
プロテインスキマーの設置
プロテインスキマーは、ライブロック、ライブサンドで実現する生物濾過とは異なり、水槽内に溜まった目に見えるぐらいの汚れを物理的に除去するといった役割を持つため、設置した方が状態よく飼育することができます。
プロテインスキマーの特徴、選定
殺菌灯の設置
殺菌灯は水槽内の病原菌を紫外線の力で除去できる機材です。白点病を防ぐためにも殺菌灯の設置がおすすめです。殺菌灯の特徴や選定については、以下のページでまとめています。
殺菌灯の特徴、選定
白点病治療
海水魚の飼育で一番多い病気が、白点病です。万が一、白点病になってしまった場合の治療方法について、以下のページでまとめています。
海水魚の白点病治療
浄水器の設置
より海に近い環境で長期飼育を目指す場合には、水道水の不純物を取り除ける浄水器を設置するのがおすすめです。浄水器の特徴や選定については、以下のページでまとめています。
浄水器の特徴、選定
オーバーフロー水槽での飼育
水槽の水量が多いほど、急激な水槽内の環境変化から生体をまもり、状態よく飼育することができます。生体の長期飼育を目指すなら、オーバーフロー水槽での飼育がおすすめです。
オーバーフロー水槽の特徴、選定
バヌアツ産シマヤッコを飼育する上で必要な飼育環境と、私自身が実際に飼育している環境については、以下の通りとなります。
バヌアツ産シマヤッコの実際の飼育環境
本ページで記載している記事は、以下の水槽スペックで実際に飼育した経験を元に記載しています。飼育環境を選定する際の参考情報としてください。サンゴ水槽で飼育しているため、メタハラやカルシウムリアクターが設置されています。
バヌアツ産シマヤッコの飼育難易度
2000年ぐらいは、バヌアツ産、マーシャル産のシマヤッコが一番飼育し易いといわれていたのですが、今は状態がよいシマヤッコが入荷するので、特に産地による飼育難易度の違いはないです。シマヤッコの飼育難易度については、以下のページにまとめています。
状態を崩したシマヤッコの見極め方
状態を崩したシマヤッコは、身体の上半分が痩せてしまっています。よく状態を崩したヤッコの事を、「背中が痩せた固体」と呼ばれることがあります。このような状態になってしまうと、なかなか復活させるのが難しいです。これはシマヤッコに限らず、特にアブラヤッコ属(ケントロピーゲ)に多くみられる傾向なのですが、ヤッコは痩せて体力が無くなる際に、お腹よりも背中が痩せていく傾向があります。
バヌアツ産シマヤッコの価格相場
バヌアツ産シマヤッコの価格相場は、約20,000円ぐらいの価格帯です。2000年ぐらいの時は、一万円以下で購入していた時期もあるので、だいぶ値上がりした印象です。産地別の価格相場については、以下のページにまとめています。
価格相場はあくまで目安です。生体の入荷状況や販売店舗などによって異なります。詳しくは以下の通販サイトより、最新の価格をご確認ください。
バヌアツ産シマヤッコの通販
通販サイトで購入ができる価格が安いバヌアツ産シマヤッコを以下のページからご確認いただけます。該当の商品が存在しない場合は、商品が何も表示されない場合や、他の商品が表示される場合があります。
「バヌアツ産シマヤッコ」についてのご紹介は以上となります。次に、「シマヤッコの幼魚」をご紹介いたします。
おすすめの生体
人気のショップ
種類別ヤッコの飼育
ヤッコの魅力といえば、水槽内のレイアウトの隙間をスルスルとかいくぐりながら泳ぐ姿と、体の模様の美しさにあります。特に人気のヤッコは、シマヤッコ、ニシキヤッコ、スミレヤッコです。以前は、なかなか餌付き辛い種類もいましたが、無理な混泳をさせずに、落ち着いた水槽環境を準備してあげれば、昔ほど餌付けが難しいと感じるヤッコが少なくなった気がいたします。よくフレームエンゼル、レモンピールエンゼルなどが飼育がし易い初心者ヤッコとして紹介される事が多いですが、ヤッコの飼育難易度は、よっぽど水深深くから引き上げられ、輸送のストレスを受けている個体でなければ、それほど差は無いと感じます。自然界での食性を把握し、落ち着いた環境で時間をかけて飼育してあげる事が大切だと感じます。
海水魚の飼育
特に人気が高い海水魚の飼育方法をご紹介しています。海水魚飼育を始められる方は、まずはカクレクマノミとイソギンチャクの共生から入り、マリンアクアリウムにハマると、ヤッコ飼育へと流れていく方が多くいます。チョウチョウウオは人工餌に餌付き辛い種類が多く、初心者の方にはおすすめしません。ハナゴイ、ハナダイの仲間は、性格がおとなしく、群れで水槽内を泳ぐのと、丈夫な種類が多いのと、珊瑚との相性も良く色合いも綺麗なことから、初心者の方にもおすすめの海水魚になります。海水魚の種類別飼育方法については、以下のページでご紹介しています。
海水魚の餌
マリンアクアリウムを行う上で、生体別に適したおすすめな餌の区分について整理していきたいと思います。なお以下の整理内容は、私自身の過去のマリンアクアリウム経験をもとにまとめているため、他の方がまとめたらまた別の視点になるかもしれません。海水魚の餌選定において、一番重要となってくるのは、自然界において生体が何を捕食していて、雑食性なのか?草食性なのか?ポリプ食?プランクトン食?なのかをシッカリと理解することです。自然界における生体の捕食性を理解した上で、餌を選定していきたいと思います。また、厳密には乾燥餌、冷凍餌については、加工のタイミングで人の手が入っているので、広域では人工餌に分類されると思うのですが、分かりやすい分類という観点で、それぞれ分けて整理していきたいと思います。海水魚の餌については、以下のページでご紹介しています。
海水魚の白点病
海水魚の白点病治療は、オキシドール、ニチドウグリーンFゴールド、淡水浴、水換え、放置、自然治癒など様々試みている人がいますが、過去に私自身が行ってきた治療方法を交えながら、白点病の原因と対策についてご紹介いたします。写真は、我が家の水槽で、白点病になってしまったゴールデンバタフライの写真です。チョウチョウウオの飼育は、特に白点病になりやすいので、注意が必要です。写真のゴールデンバタフライの体表に白い点々が付いているのが分かるかと思います。白点病とは、魚を飼育する人であれば、誰でも経験する魚の病気です。初心者の方であっても、ベテランの方であっても、海水魚を販売するショップでさえも白点病に悩まされています。過去行ってきた白点病の治療方法について以下のページでご紹介いたします。
海水魚の飼育機材、用品
海水魚飼育に必要な機材と用品についてまとめています。海水魚を状態よく長期飼育したい場合は、オーバーフロー水槽、浄水器、クーラー、プロテインスキマー、ライブロック、ライブサンド、ヒーター、水中ポンプ、塩分濃度計、バケツ、ウールマット、人工海水などが必要となってきます。また、より自動化させた水槽環境を実現する際には、自動給水器、電磁弁が必要です。オーバーフロー水槽を自作する際には、水槽用の配管パーツが必要となってきます。海水魚を飼育する上で必要な飼育機材や用品については、以下のページでご紹介いたします。
海水魚飼育におすすめのオーバーフロー水槽
海水魚飼育におすすめなオーバーフロー水槽を30センチ、45センチ、60センチ、90センチ、120センチサイズ別に比較することができます。オーバーフロー水槽は、サイズが大きくなるにつれて、とても高額になってきます。オーバーフロー水槽が崩壊したり、水槽に付属する機材が故障すると、飼育している海水魚、珊瑚、イソギンチャク、マリンプランツが死んでしまう可能性があるので、万が一何かトラブルが発生した際にも、サポート体制がシッカリとしている店舗で購入するのがおすすめです。インターネット通販で販売されているオーバーフロー水槽は、組み立てが簡単なので、届いたその日に水槽のセッティングを開始することができます。詳細は、以下のページでまとめています。
マリンアクアリウム飼育方法
海水魚、珊瑚(ソフトコーラル、ハードコーラル)、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育方法について、以下のページでそれぞれまとめています。
マリンアクアリウム飼育機材
海水魚、珊瑚(ソフトコーラル、ハードコーラル)、イソギンチャク、マリンプランツ(海藻、海草)の飼育に必要な機材や用品などについて、以下のページでそれぞれまとめています。